コンラッドを口説こう4




コンラッドー 夜這いにきちゃった (*μ_μ)ぽぽっ!

「・・・まだ諦めてなかったのか・・ユーリ。」
枕を持って、頬を染めてやってきた名付け子に、いささか、げんなりとした顔で、コンラートが
自室の扉を開けた。思わず、言われた内容に、扉にすがり付いてしまっても、致仕方ないであろう?

この16歳の少年は、80以上年上の名付け親にを、押し倒して性交に持って行こうと、日々果敢に
チャレンジ中なのである。いくら、コンラートが、この少年を可愛がっていようとも、できる事と
できない事がある。

なにせ、彼は男を抱いたこともなければ、異性ともそう言ったことは無いのである。

その初めての相手に、自分が良いと言うのは、悪い気分ではない・・のであるが・・・。


「うぉ!何だとー、男は度胸なんだぞ!」
「この場合は、男は諦めが肝心 かな?」
「だったら、諦めておれのモノになってくれっ!」
有利、改心の反撃返し!だが・・腐っても獅子・・にっこりと爽やかに笑ってー

「ユーリ、そういうのをパワハラっていうんんですよ?訴訟問題になったら、セクハラも加わって
俺の圧勝ですよね!?」
「え?おれ訴えらられちゃうの?」

がぁぁん!!

素直にショックを受ける有利に、内心・・この眞魔国で、魔王を何処に訴えろと?と、コンラートは
苦笑した。


「・・・コンラッド、廊下寒〜〜い。」
うるるるんっと、有利が枕を抱えて訴えてみせれば。
「それは大変だ、さぁ、部屋に戻りましょう?送って行きますよ。」
「ちょーーと、中に入れてよ?ね?ね?」
「送って行きますから ♥」

ひゅるるる〜〜〜〜〜〜

「・・・・ほんとに送り返す気?」
うるうる(←対ギュンター用必殺武器)

「えぇ、もちろん!風邪を惹かれては大変ですから♥」
にこにこ(←を弾く鋼鉄の爽やか笑顔仮面)

「風邪引いたら、コンラッドが責任持ってあたためてよ〜 」(←果敢な挑戦者)
「えぇ、、責任持って、ギーゼラに看病させます。きっと、日頃の体調管理について、しっかりと
レクチャーしてくれると思いますよ ♥」(←湾曲してかわした熟練者)

「┣¨――(((゚Д゚;)))―― ン !!!」
「 にこ ≡*^ェ^*≡ にこ 」


うわ〜〜ん!コンラッドの意地悪ぅ〜〜〜!!(←敗北!)

トテトテトテ〜〜〜!!
と、有利は廊下を走り出した。

「あ、待ってユーリ!送っていきますよ!」
「いらない!!」(←少し御立腹)
「手を繋いでいきましょ?」

ぴた・・ 

・・・・・・・・(ここに、しばし葛藤がある)・・・・・・・・くるり

トコトコトコと戻ってくる有利陛下。(←が、誘惑に負けた・・)
「はい、寒いですからね?」
差し出された手に、己の手を重ねる有利。
コンラートは、そんな少年の手を、くるみこむように握りこんだ。
「えへへ・・あったかい。」
「ユーリが冷たいんですよ?」
二人して手を繋いで、魔王部屋までの道を歩く。

「石造りって結構冷えるのな?ヴォルフなんてひっついてきて、絞めるんだぜ?」
ぎゅーって!もう、死ぬかと思ったよ〜。なんて、舌を出してみせる有利に、コンラートも、
にこやかに受け答える。
「でも、あたたかいでしょう?」
「苦しいけどな?」
あはははと、苦笑する有利・・たしかに、弟の寝相では、一緒に寝るのは大変だ。
「でも、ま、最近は慣れて、おれもひっついちゃうけれど・・。」

ピタリ・・・

行き成り立ち止まったコンラートに、手を繋いでいる有利まで一緒に止まってしまう。


有利とヴォルフが抱き合って眠るだとぉ??
ピキピキッっと、コンラートのこめかみが動いた。


「コン??」
「ユーリ・・もどりましょう・・。」
「??」
「俺の部屋に」
「なんで?」
心底不思議そうに有利がきく。それはそうだろう、もうそこの角を曲がれば、魔王部屋なのだ。

「・・・・・・・・・・有利の体が冷え切っているからですよ?このまま戻っても、ヴォルフに
蹴飛ばされて、眠れはしないでしょう?」
「いいの?」
不自然な間があったと言うのに、有利はそこに気付かず、ベットの中に入れてくれるという申し出に
単純に喜びを表した。
「そのかわり、一緒に寝るだけですよ?」
「うん!」
かくして、二人は再び元来た道を戻っていったのであった。



パフパフ!と、うれしそうに枕を並べ有利は、ころん!と素直に横になるところを見ると、
本当に寝るだけのようである。

本当に素直な子だなー。

「じゃぁ、明かり消すよ?」
「はーい!」

ランプの明かりを消すと、コンラートは掛け布団と毛布をパサリと二人の上にかけた。


「・・・って?コンラッドさん?何しているの?」
「うーん、ユーリが冷え切っているから、あたためようと思って?」
「なんで、うーんで『?』マークつきなんだよ!つーか?何で上に乗っているの?」
「暖かくない?」
ピッタリと合わさった体からは、コンラートの体温が伝わってきて、確かにこれは暖かい。
その上、ちょっと目線を動かせば、パジャマから首筋から鎖骨のラインが、綺麗に見えて
ちょっとドキドキかも〜ぉ?

「うんと?確かに、これは、あたたかい・・あったかいケド・・」
「けど?」

うーん、なにやら、コンラッドさん、楽しんでマセンカー?

「だから・・その・・俺の気のせいかもしれないのデスガー・・アーー・・おれが押し倒されて
いるみたいなのデスガー?」

あははは、気のせいだよね?

「さぁ、どうだろう?」


スマイルきゅららら〜〜ん*:.。..。.:+・゚ ゜゚・*

うわー、似非紳士スマイルだぁー・・┣¨キ(*゚Д゚*)┣¨キ


「って・・しまった!何見とれてんだ?おれ!しっかりしろ?ハッ!!もしや、おれは罠に
かかってしまったのではっ!」
「ひどいなユーリ、せっかく体で暖めてあげているのに。」
「ぎゃぁーー!卑猥な言い方するなぁぁ〜〜!」

「何言っているんですか?夜這いをかけに来た人に言われたくありませんよ?」
「そ・・そうでした。」
「ひどいな、もう忘れたの?もしかして、俺との事は遊びなんですね?」

哀しそうに目を伏せるものだから、ついつい、ユーリも本気にしてしまう。

「そんな訳ないだろう!できれば・・その・・末の長いお付き合いと言うものを・・デスネ?」
したいな〜なんて・・ごにょごにょ

「う〜ん、でも正妻と愛人が兄弟というのは、ユーリの外聞が悪くなるよ?」

・・・せいさい・・あいじん??・・

「だから、ユーリはヴォルフと結婚するんでしょう?そこに、俺みたいなのを愛人にしちゃったら
ユーリの評判が悪くなるでしょう?それを心配しているんです。」

苦笑しつつも、噛み砕いて説明を入れるコンラートを、有利は不思議そうに見上げた。

「・・・・・愛人?ってだれが??」
「俺ですね?」
「誰の?」
「ユーリ陛下のですね?」
「あいじんって・・なんだっけ??」
「伴侶以外に、特別に深い関係にある人かな?情夫。ともいうね?」


つまり・・・

「コンラッドはおれと結婚してくれないの?」
「・・・・・・・・するしないではなく・・できないでしょう?」
「どうして?」
「ユーリには婚約者がいて、それが俺の弟だからだよ。」


何を思ったのか?ユーリは黙り込んだ・・・。

「ふ〜〜ん・・わかった。」
「・・・・・・・・そう、じゃぁ、ねなさい。」


それ以後、二人とも何も言わず・・・・・しばらくすると、ユーリの寝息が聞こえてくる。




結婚か・・・

それは出来ない相談だ。ヴォルフラムは、最初の経緯はどうであれ、今はユーリを愛している。
弟が本気になった相手を、兄である自分がとる訳にはいかない。

たとえ、その相手が、自分にとってどんなに大切な人だとしてもだ・・。



翌日、いつもより早めにユーリを起こし、お揃いのジャージに身を包むと、いつものロードワークに出る。
今日のユーリは、昨日話したことのせいだろう?口数も少なく、最近恒例となった、コンラートを
口説くと言う事もしなかった。



軽く汗を風呂で流すと、二人は着替えて並んで朝食へと向かった。


「ユーリ・・あの・・。」
「・・・・・・・・・。」

怒ったのだろうか?前を歩く少年は、始終この調子だ。コンラートは小さくため息をつく。


いつも食事をする広間には、いつものメンバー+大賢者とその護衛のお庭番もいた。
ひらりと、手を振るヨザックに、コンラートも軽く手を上げて答える。

そうすると、なぜか有利の肩が震えたが、コンラートは気がつかなかった。

やがて朝食の席に着くと、彼はいつものように、椅子を引いて主であるユーリを座らそうとする。
・・が、なぜかユーリは座ろうとはしない。

「陛下?」

不思議そうに、ユーリを覗き込もうとコンラートが動いた時であった。

パチーーン!

乾いた音が、その場になり響いた。


何があったのだろう?

コンラートは、無意識に《左の頬》を押さえた。ヤケに熱い?いや・・これは痛みか?
なんで、頬が痛いんだ?それは・・

それは・・・ユーリが俺を叩いたからだ。


「へ・・いか・・?」

ユーリはキッ!と俺を睨んでいた。あぁ、そうか・・俺は・・・


「俺は、貴方のご不興を買ったんですね?」
「!?」
「そうですか・・わかりました・・・。」

くるりと、コンラートは踵を返すと、扉を開けて出て行こうとする。

「ちょぉーーーと、まったーーー!」

そのコンラートに前に、有利が立ち塞がる。

「コンラッド!こっちの手は、左右どっち?」
と、有利が今しがた自分を叩いて真っ赤になった手を見せる。

「左・・?」
「アンタが抑えている頬は?左右どっち?」
「・・・!?」

左の平手で、相手の左頬を打つのは?

「古式ゆかしい求婚だね〜。渋谷・・おめでとう!」
( ̄∇ ̄ノノ"パチパチパチ!! 一人のほほ〜〜んと、大賢者が二人の婚約を祝福する。


「まて!ユーリの婚約者はこの僕だ!」
当然この人が、ちょっとまったコールをかけた。自称婚約者のヴォルフラムである。

「じゃぁ、認めないと言うわけだ?」
「当然だ!」

「君らはどうだい?フォンヴォルテール卿・フォンクライスト卿。」

「恐れながら、婚約者が二人・・それも兄弟と言うのは、外聞がよろしくないかと?」
ギュンターがオロオロしつつも、自分の意見を述べる。

「私は・・・どちらも弟なのでな・・幸せになってもらいたいとしか言えぬ・・。」
グウェンダルは、眉間に皺を寄せつつそう言ったきり、黙り込んだ。

「へぇ〜つまり、有利陛下の意思より、弟の意思が大事なんだ・・だよね?だから、どんなに陛下が
キミの弟さんとの婚約を嫌がっても、黙認してきたんだよね〜?キミは・・いや・・キミタチは・・だね?」

そういって、村田は頬を押さえるコンラートをも見た。言外に、陛下が一番と言いながら、
弟が一番かわいいじゃね〜のか?あぁぁん??( ̄´д` ̄) と聞こえる。

冷や汗がツツツーーと背中を伝って落ちていく長男と次男・・。

「でも、今のは正式な作法にのっとった、古式ゆかしい魔族の求婚だ?認めない訳にはいかないだろう?」
村田は面白がっているようである。
「認めるも認めないも、元々僕と言う婚約者がいるんだ、新たに婚約できるわけが無い!」
「では、この婚約は無効だと言うのかい?」
「あたりまえだ!」
「まぁ、確かに相手の頬をひっぱたいただけで、婚約と言うのには無理があるか・・・双方に
その意思が無い限りね・・そうか、わかった・・では、この婚約は無効と言う事で・・・。」
「ふん、あたりまえだ。」


「村田・・・」
それまで、沈黙していた当事者が、徐に口を開く。
「うん?なんだい?」
「となると、おれの婚約はどちらも無効ってわけだよな?」
「そうなるね。」
「わかった・・なら、いい。」


「あの、猊下?どちらもと言うと?もしや?ヴォルフラムのもですか?」
ギュンターが、なにやら、きらりん☆と光った目で、やや興奮気味に村田に詰め寄る。
「もちろんだよ。叩いただけで婚約は成立しないと、いまフォンビーレフェルト卿自身が肯定したんだし
当然じゃないか!^^」

なぁにぃぃ〜〜〜〜!!??

「まて、大賢者〜!僕はそんなこと!」
「いったよ。そもそも、君が主張する婚約は、君の不快極まりない言動を怒った有利が、君を殴ったに
過ぎない。そこに、好意もなかったことは明白だ。現に、幾度となく有利は、あの婚約はなかった
ものだと主張している。」

そんな君が、婚約者を自称できたのは、有利が左手で、君の左頬を叩いたと言う事実のみであり
たった今、君はその事実すら、婚約にはならないと否定してしまった。


さぁ?どうする?


にぃぃーーーこっり♥


よどみなくまくし立てる村田に、ヴォルフラムは、タジタジだ。

「猊下となると!べ・・べいか(陛下)は、自由の身ということで?」
キラキラと鼻の下(←何やら汁が出た模様)を輝かせて、ギュンギュンが言い募る。
「そうなるね〜。」
「では、わたくしにもチャンスが!」
「あ〜〜、それはどうかな??」
あぁ、べいくぁぁ〜〜!と、村田の微妙な受け答えも気にせずに、王佐はどこか妄想の旅へとイッテ
しまわれたようだった。

「いや〜愉快愉快!ウェラー卿も、これで有利の婚約者が弟であることを盾に、逃げられなくなったし、
どこまで彼が、有利のアタックから逃げれるか、いやはや、見ものだね〜〜(ΦωΦ)


目的はそこかっ!!!(←BY魔族三兄弟)



「コンラッド・・・これで、おれはフリーだ!今夜こそ、襲ってやるからな・・ふふふ( -言- )ククク…」
「ユ・・ユーリ・・それは・・・勘弁して欲しいかな・・。」


すすすすっ・・と、ユーリが寄れば?
つつつつっ・・と、コンラートが逃げる。

スススススススッ・・・
ツツツツツツツッ・・・


「「・・・・・・・・・・。」」

だっ!!←有利が飛びついた!
ばっ!!←コンラートが飛びのいた!

ごちん!!

「あ!ユーリ!!」
勢いあまって、壁に激突した有利をコンラートが抱きかかえる。

「と、みせかけて!コンラッドゲットだぜっ!!」
がしっ!!と、有利がコンラートの首に捕まった。
「ちっ、しまった!!」
ぎゃーぎゃー騒ぐ二人に、村田とヨザックから、苦笑したツッコミが・・。


「有利・・・ウェラー卿はカブトムシか?ポケモンか?」
「隊長・・・そんな見えすいた罠にはまっちゃって・・・。」


「くそぉーー!僕は認めない!みとめないからなーー!」
「あぁ、べいがー!わたくしの愛をお受け取りください〜!ぶはーっ!!」


ぶるぶるぶる・・・・

「貴様ら!いいから、朝食をさっさと済ませーーー!!!」


長男の怒声が響きわたり、今日も血盟城は、大騒ぎで一日をあけたのであった。





11月21日UP
ふふ、逃げ道を一つづつ塞ぐ有利・・さぁさ!コンラッドは、有利に食われちゃうのか?
おもしろがる、猊下を交えて、どんどん混戦してきましたよ〜。