堕ちて来い・後日談 やっぱり最強の魔王后さま |
ごごごごご・・・・ いや〜〜、今日も魔王后様の怒りはすさまじいですねぇ〜〜。 「こら!グリエ!感心しとらんで、コンラートをどうにかしろ!?」 「え〜〜だって〜、グリエったら、か弱い一般兵の身ですし〜、怒れる獅子の前に でたら食われちゃうぅ〜きゃっ♥」 どごぉぉ!!! 「ひぃ、なんで!俺に椅子なんて投げつけるんだっ!?」 「よざぁぁ〜〜!貴色悪いこと言う口はそれかな?」 「わかった!もう言わない言わないから!机はまって〜〜!。」 ふん・・と、コンラート王配殿下は、机を元に戻した。筋肉だらけのヨザックなら まだわかるが、細身のコンラートが よく あのような重厚な机を 持ち上げたものだ・・・ やはり、彼だけは見かけで判断してはならない 「で・・コンラッド?どうかしたのか?幼馴染のよしみで相談にのるぞ?まさか、 坊ちゃんが浮気したって訳でもないだろう?」 うりゅ〜〜と、コンラートの目が潤み始め、唇を噛み締めた口元が震え始めた・・・・・ 「へ?」 「まさか?小僧が?」 と、そこへ、ごめ〜〜ん、ちょっとおくれちゃったぁ〜と、明るく魔王陛下が休憩から 帰ってきた。ちなみに、猊下と三男閣下も一緒である。 「・・・あれ?渋谷?なんか?部屋の空気が重くない??」 「どうかしたのですか?兄上?」 「あれ?コンラッド・・はっ!何で泣いているんだ!?ちっくしょう、何処のどいつだ! 俺のコンラッドを泣かすなんてっぇーー!」 「貴方でしょう!陛下っ!どういうことなんですか?」 と、一番に詰寄ったのは、お庭番だ。普段バカップルのノロケには付き合えないと言いつつも、 幼馴染が泣いているとなると、ほっとく訳には行かない! 「小僧・・うちの弟に手を出しといて・・浮気とは何事だ!?」 うんごごごごご・・と、長男が次男そっくりの不穏な空気を纏う・・やはり兄弟、中身はそっくりだ! 「ちょと?ちょっとまって?浮気・・って、おれが??そんな馬鹿なぁぁ??」 必死に首を振る有利。確かに、有利のコンラート一筋ぶりは、眞魔国での常識というくらいに、 知れわたっている。が・・・・現にコンラートは泣いているのである。 お兄ちゃんとしては黙っていられない! 「だから待ってって!一体何時、おれが!誰と浮気したんだ!?」 「そうだよ、有利はだいたい、ウェラー卿か僕等と一緒だし、浮気をしたら気づくだろう?」 「だな?たしかに、こちらに来てから、ユーリは僕らの内、誰かしらと行動を共にしている。」 4人の目が、コンラートへと向けられる。 「だって、ユーリはもう、俺を愛してないんです!」 やけに、しょんぼりと言うコンラートの様子に嘘はない。 「まてまて!だから、コンラッド!何でそういう話になるんだ?」 「だって、ユーリは俺が死んだほうがいいでしょう・・。」 ぴくり・・・この台詞には、兄弟と幼馴染の三人が反応する?なんだと〜〜??陛下? どおぉいうことかなぁぁ??という、すさまじい殺気が。 「ソンナコト・・あ・・もしかして昨日の夜の事か?」 こくんと、コンラートが頷く。 ほほぉぉ〜〜?なんだ、心当たりがあるのかぁ? 「だから、皆待って!たしかに、心当たりはあるが、至極全うな事をいったんだぞ!」 「へぇ〜〜なんていったの?」 一人村田だけが、冷静に聞き返してくれた。 それは昨日の夜の事、何時もの様に仲良くベットに並んで入った魔王夫妻は、たわいない 話しをしつつ、互いの体温で温まっていると・・。 不意に、コンラートが何かを思いついたらしく。目をきらきらして、ユーリに向き直った! この時、すぐさま耳を塞げばよかったのだ。が・・夫が気づくよりも早く、妻はその言葉をいった! 途端に吹き荒れる寒波!!魔王は、然も温かいはずのベットの中で凍死しそうになった。 「コンラッド!今のは絶対に、二度といっちゃダメぁぁ!!」 「え・・」 「というか、もうギャグを考えるのも禁止!!」 「エ━━(;;゜д゜)━━……」 というわけなんだよ? 話を聞いただけで、他の4人が有利と同意見だといった。 「ええええ!なんでですか?酷いみんな・・」 「いや・・ひどいのは君だよウェラー卿・・」 うんうんと、皆で頷く。 「俺に死ねと?」 「ギャグを考えるのを禁止しただけで、アンタは死ぬのか!?」 「まぁ、有利・・ウェラー卿には、唯一の趣味みたいなものだしね〜。彼からギャグをとるのは 君から野球をヨザから女装を、ヴォルテール卿から可愛い物を、ビーレフェルト卿から絵画を 奪うもののようだしね〜〜。」 「そうですよ!皆はよくって!俺だけだめなんてひどい!俺のギャグがダメなら、みんなのも 禁止して下さい!!」 「「「「う・・・。」」」」 かくして、最強の魔王后の勝利に終わり・・・考える事は、良い事になった。 ただし、冬はマジで命の危険があるという有利の訴えも、もっともなので、 春がくるまでは、言葉にするのは禁止とされた。 「いいですよ〜、じゃぁ、俺はギャグをあたためておきますから!」 と・・・嬉しそうにコンラートがいったので、早くも春が怖い一同であった。 おちまい・・ 2009年2月半ば頃拍手に掲載 4月3日SS落ちて恋シリーズに再録掲載 堕ちて来い後の魔王夫妻の一コマです。仲良くお暮らしのご様子。 でもやっぱり、魔王后さまは強し・・・。も・・春だね、そろそろ解禁?・・しぬなよ、有利・・。 |