落ちて恋 魔女からの贈り物 |
【注意】裏別館Blog小説・『堕ちて来い』後日談。になります。本編とは関係ないです。
「ねぇ〜ん、へ・い・か♪ あたくし、孫が欲しいですわv」 「「はい??」」 おれと、めでたく妻となったコンラッドは、二人同時に聞き返してしまった。 ここは魔王部屋の寝室。おれ達はこれから寝ようとしていたわけだけど、突然乱入してきた ツェツィーリエ上王陛下こと、おれの義母でコンラッドの実母・・えっとだから、おれにとっては お姑さん?が来たとたん、発した言葉が冒頭の台詞なんですが・・。 きゃぁ、二人揃っちゃって〜、うんもう!仲良しさんね〜うふふ。 うふふって・・もしもーし?ツェリさま?今、何とおっしゃいましたか?? 「だってぇ〜、折角、息子が素晴しい殿方に嫁いだんですのよ?次はやっぱり子宝ですわよね〜?」 「こ・・こだからぁぁ??ココココンラッドさーん?アンタまさか!?子供産めるのぉ!!??」 「落ち着いてください陛下!!そんなわけ無いでしょう///!?」 「あーびっくりした、流石!魔物の国とか思っちゃったよ。」 「魔族です陛下・・いくら魔族でも男が子供を産むなんて無理です。普通に無理です!」 「あらぁ〜、でも、陛下なら魔力があたくし共と違って、桁違いですしぃ〜、うまくいけば!ねっ?」 ね?って、艶かしく言われても・・・。 「ムリです。魔力が有っても、男を孕ますなんてムリです。」 となりで、うんうんと頷くコンラート。そりゃそうだ、この場合、産めと言われているのは彼のほうだ。 「母上、そう言う事は、グウェンとアニシナをくっつけてから、頼んでください!」 コンラッド・・自分の兄を売ったな・・。 「でも、グウェンってば案外、オクテだし、だったらアニシナから迫って貰いましょう!と、頼んだら領地に 帰っちゃったのよ〜、ズルイわ〜。それに、ヴォルフはまだまだ先だしー。ね!そうなったら、やっぱり! 新婚でラブラブなコンラートが産んでちょうだいな!」 「ムリですったらムリです!!」 珍しく、コンラートが声を荒げて否定すると 「どうしてもー?」 ・・ここまで否定されても、ツェリさまは諦められないようだ。指を咥えて、物欲しそうに、じーーと見つめられても。 「・・・ムリです。」 だよな ^^; 「もぉ!あなたってば、ダンヒーリーに似て頑固なんだから!もう意地悪ねっ!プイ!」 プイって・・横向いて何のアピールですか〜ぁ、ツェリさま? 「母上・・(汗)。」 一方、プイッとやられた方のコンラートはと言うと・・・思いっきり呆れているようだ。 あぁ、コンラッド・・アンタ、口が半開きだぞ。おれがそれを注意しようとした時だった。 「と、みせかけて、えい!」 ゴクン! いきなり、ツェリさまがコンラートの口の中に、何かをえい!っと投げ込んだ!? 思わず飲み込んでしまったコンラート。条件反射とはいえ、この話の流れで飲まされたものだけに、 戦慄を覚えずには、いられない。 「い・・今、何を飲ませたんですか?母上?」 うふふふふふふ〜。 「コ・・コンラッド・・」 「ユーリ・・。」 おれは、コンラッドを背に庇い、思わず上機嫌に微笑む義母から遠ざけた。・・・こわい・・やっぱり、 ツェリ様ってコンラッドのお母さんなんだな。(妙に納得・・。) 「それは、アニシナが帰る前に急いで完成させてくれたのよ〜。これをコンラートに飲ませれば、孫が 出来るんですって〜。あとは、陛下が頑張って下されば、あたくしの夢が叶うのねっ!もちろん媚薬 入りだから、楽しい夜が過ごせるそうですわ。うふふふ。陛下〜、くれぐれも孫をヨ・ロ・シ・ク♥ あぁ、できれば、あたくし女の子がいいわ〜。では、ごめんくださいませ。」 言うだけ言って、ツェリ様は上機嫌で帰っていった。 頑張るって・・がんばるって・・・ここ・・子作りですか///?? 横に居るコンラッドをみやれば、わずかに息が上がっていた。 「コンラッド?大丈夫か?」 おれが肩に手をやると、電流が走ったようにびくっと飛び跳ねる体。 「ユーリ・・さわっては・・ダメ・・。」 不安気に見上げた目は、既に潤んでいて、苦しげに寄せられた眉間、羞恥に赤く染まった頬で せわしなくなる息をもれる唇で・・切なげにそんなことを訴えられても・・。 無理!!こんなに可愛いコンラッドを前に!俺の理性はそんなに強くないんです! おれは、お預けが出来ない駄犬で十分なんだぁぁぁ〜〜!! 「は・え?ちょ・・ちょっとまって、ユーリ・・!・やぁ・・んっ」 訳のわからない叫びをあげて、有利がコンラートの上に覆いかぶさる。媚薬が回った体では、コンラートが あがなえる訳もなく、あっという間に服を剥かれ、肌をはだけされてしまった。 ごくり・・と有利の喉がなった。 桜色に染まるコンラートからは、媚薬のせいだろうか?抱く前から得もいわれぬ色香が漂ってきて・・激しく 体の一点を刺激するのだ。 「ユーリ・・あの・・。」 恥じらいながらも、コンラートは有利の首に手を回してくる。 こ・・これは誘われている?思えば、妻から誘ってもらえたことなど、婚前旅行で行ったリゾート地での一回 だけであった。その後は、優秀な護衛で、側近でもある妻は、夫の執務と自分の仕事に支障が出ます から、と・・綺麗に微笑んでは、一日3回までと回数制限を越えては、夜の営みをさせてはくれないし、 夜会などあった日なんて、さっさと自分を寝かしつけようとするのだ。・・一度、無理やり襲おうとしたら、 逆に無理やり逆に寝かしつけられた事があった。 ・・・事も有ろうに、魔王である夫の後頭部に手刀を入れる妻。 おかげで朝まで気を失っていました・・。なのに、そんなコンラッドから・・・。じーんと幸せをかみ締める有利。 あ・・ありがとうございます!お義母さま! おもわず、ツェリに心の中で礼を言うと、有利は誘われた事をいいことに、せっせと子作りに励んだのであった。 毒女製媚薬の威力はすばらしく、コンラートの媚態に狂わされた有利は、夜明けまで励んでしまった。 コンラートの肢体の最奥に咲いた花の中に、今宵何度目かの熱い飛沫を注ぎ込むと、妻はぐったりと、気を 失ってしまった。その体を抱きしめながら思う、これで、本当に子宝に恵まれたのだろうか? もっとも、自分達には、グレタという可愛い娘がいるし、別にコンラートさえいてくれたら、有利は自分の子供が 欲しいとは思わなかった。ツェリ様には悪いが、結婚=子供 ではナイと思う。まず二人の気持ちから、結婚が 発生し、その結果、子供が生じることもあるというのが、有利の考えだ。で、実際には、自分達のように 子供の関係ない夫婦がいて、何の不都合もないと思う。有利が大切なのはコンラートで、子供ではない。 だけど・・コンラートは? ウェラー卿はこの世にたった一人。もし、自分が女だったら、コンラートの子供をどんどん産んで、彼が寂しく ないように眞魔国にウェラーの名を持つ子供を増すことが出来ただろう。または、自分と結婚さえしなかったら? コンラートが女性を選んでいたら、彼は今ごろ自分の血をわけた子供と、家族を持っていたに違いない。 だけど、自分は男・・彼も男でありながら、二人は夫婦になった。この選択を後悔なんてするつもりはないけど もしも、本当に子供が出来たら・・・彼の瞳を継ぐ子供がいたら、自分はやはり嬉しいと思う。 「う・・ん・・ユーリ?」 気配を感じたのか?コンラートがうっすらと目を開けた。その額に唇を落とすと、有利は愛の言葉を彼に贈る。 「あいしているよ、コンラッド。」 すると、コンラートが にっこぉぉ〜 っと笑った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ かわいい!(号泣)←ばかたれ 「アンタ何処まで俺に惚れさしたら気が済むんだぁぁーー!」 再び灯った欲望の火のままに、有利は繋がったままだった体を、激しく打ちつけた。 「あ・・・ゆー・・もう・・いい・・かげん・・・。」 結局、そこから1ラウンド激しく交わってしまった有利は、薬が切れたと同時に、やられすぎで軋む体を うらめしく呪った妻に、それはもう・・今まで見たこともないような 凄まじく美しい笑顔で! えぇ、笑顔でっ!力一杯の笑顔でっ! 執務室に放り込まれ、普段は摂政が している仕事まで、たまにはご自分でやりましょうと、執務机の上に どどーーん とつまれてしまった。 そして、終るまで当然・・お預けですから(もちろん、愛の営み)と言い渡されたのであった。 やはり、マテとオアズケが、できない駄犬ではダメだったようだ。飼い主から厳しい再しつけに 苦悶する事に,なった陛下だったトサ。 さて、結局、ツェリさま待望の孫はどうなったのだろう?それは、二ヵ月後・・コンラートのつわりと言うものと 同時にその存在を主張したのだった。 Fin 9月8日UP コンラートさん妊夫ネタ第一弾です。恋におちて結ばれた後の二人の物語です。・・なーんて、本編では 子供いないんですよね。グレタ以外(oー(ェ)ー;A アセアセ もしも話として読んで下さい。これに関連したものがDIARYのカテゴリーバトンにSSがあったりします。 また、姑の来襲という作品が『すずしろ苑』様にお嫁に行っています。あわせてご覧下さい。 |