悩殺コンビ



悩殺コンビ




血盟城、NO1アイドルといえば、間違いなく当代魔王、渋谷ユーリ陛下だろう。
その、高貴な黒い瞳を潤ませた必殺上目遣いを食らったら最後!陛下LOVE!の王佐を筆頭に
落ちない者はいないという。あの!強面のフォンヴォルテール卿の眉間の皺でさえ緩む可愛さだ。
最近では、技(?)に磨きもかかり、さらりと黒髪をなびかせて、小首をかしげたり、さりげなく
すっと斜め下に視線を伏せて儚さをも演出できるようにもなった。
対象者(主に強面の摂政閣下)の庇護欲をかきたてる事に成功し、かつては専属護衛の助けを借りて、
やっと頂いていた休憩も、自力でもぎ取るまでになっていた。ちなみに、この技を授けたのは、双黒の大賢者様だ。
ーはっはっは、大親友のために一肌脱いでみちゃいました。♥−
なにやら、高笑いが聞こえるのは、気のせいではないはず。ダイケンジャー、絶好調で暗躍中。

さて、今日も今日とて、必殺技をかまして休憩をもぎ取った陛下は、鼻歌交じりに血盟城の廊下を
闊歩していた。目指す場所は、彼の名付け親で、保護者兼・バッテリー兼・護衛兼・親友の所だ。

でも、本当は、親友よりも、もうちょっと上を目指したいんだよな〜・・コ・・・恋人とか!うきゃーーーー!

考えただけで悶える陛下。野望達成の道のりは、まだまだ先のようです。
さて、挙動不審者となりつつも、歩みをとめずにいると、しばらくして目的の場所にたどりついた。

へっへ!今日は、ここで兵士に剣術指南をしてるって、聞いちゃったもんね〜。
そんな、レアなお姿!恋する身としては見のがせないでしょう〜やっぱし!えーと、コンラッドはどこかな?
きょろりと柱の影から周りを見渡すが、見慣れた茶髪にカーキー色の軍服は見当たらない。

「あれ?どこにいるんだろう?もしかして、終わっちゃった?」
「何が終わったんです?」
「えー、そりゃ、こ・・・・・こここ?」

な・・なんで、独り言に返事があるの?でもって、ものすっごく!聞き覚えのあるこの声って?・・・・。

「ここ?ここは、兵舎ですよ、目の前にあるのは鍛錬場。ちなみに、本来なら貴方は今、執務室にいるはずでしたよね?」

あー、見なくてもわかる・・今彼がどんな顔してるのかが・・イヤ、特技でなくて、声でわかる。間違いなく怒っています。
ぎぎぎぎっと、音がする気がするほどぎこちなく後ろを振り返ると・・・イターーーーーー!俺様大当たり〜。

ぎゃーー!何でコンラッドが俺の後ろにいるの??でもって、ココココンラッドさん、
一見、爽やかな笑みを湛えていても、目が!目が笑ってませんからー!うわーーん!!!

「俺、言いましたよね?今日は、午後からどうしても断れない用事が入っているから、終わらして迎えに
いくまで、執務室から出ないようにって・・お願いしましたよね?」
「ハイ・・たしかに、聞きましたでゴザイマス。」
確かに待っているって言った・・・がんばって仕事終わらすから、早く迎えに来てくれよといって、彼を送り出したのは自分だ。
「執務室にお送りしてから、まだ30分ってところですよね?」
「ソーデスネ。」
「何で、こんな所ににいらっしゃるんですか?その前に、まさかここまで一人で来たわけじゃないですよね?」

・・・・・・・・・・すいません、おもいっきり一人です。だって、コンラッドが血盟城の兵士の皆さんに
教えている姿をじっくり見たかったんだもん。護衛の衛兵さんについてきてもらったら、
じっくりどころか、彼らの視線が気になってまともに見れない可能性が・・。うう。俺って乙女。

「例え、城の中といえども、お一人で出歩かないでとも、お願いしましたよね?」
「・・・・・・・・・。」
「それも、再三にわたって?」
「・・・・・・・・・。」

まずい、これはまずいですよ。どうしよう。コンラッドが本気で怒っている。さっきから、名前どころか陛下とも
呼んでくれないから、お決まりの台詞もいえない。俺は、もう返事も返せないで俯く事しか出来なかった。
すると、上から重いため息が聞こえてきた。







「貴方は、俺のお願いなんて聞く気はないんですね・・。」
「ちがっ!」





弾かれた様に顔をあげるとそこには、苦い顔した彼がいた。独特の銀の虹彩の輝きをくすませ、
替わりに少しの怒りと悲しみを織り交ぜた薄茶の瞳があった。誰よりもその瞳をさせるのがイヤだった。
ほんの少しだって曇るのが許せないというのに!
なのにッ!何よりソレを厭う自分が、させてどうするんだ!その瞳を見たら、俺はもう何も考えられなくなった。!
早くいつものように笑って欲しい、もうそれ以外ーーーー
「違う!ちがうったらちがう!俺!コンラッドの言うことなら、なんだって聞くよ!つーか、アンタの願いだったら
何だって叶えたいし!出来ないことでも、やるし!」
気づいた時には、彼の胸にしがみついていた。素面では絶対に言わないような台詞まで飛び出している。

「では、なぜ、今ここにいらっしゃるんですか?」
執務室から兵舎まで10分はかかる。つまり有利は、コンラートが執務室から退室してからすぐに此処に向かったという事だ。
いくらなんでも20分で執務は終わらない。一段落つくにも早すぎる。始まっていたかも疑問な時間だ。
待っているから早く迎えに来てねと送り出されて、まるで新婚のような台詞だと小さく笑った。休憩時間までには
終わらせて、お茶とお菓子を持って迎えにいってあげようと、兵士達に指示を飛ばしながら思っていたのだ。
兵を二人づつ組ませて、力量をチェックしつつ指導し始めると、間もなく良く見知った気配が近づいて来た。
最初は何かあったのかと思った。それにしては、緊張感というものが感じられない。どちらかといえば、
かなりご機嫌な気配だ。しかも、気配は一つ。護衛らしき兵の気配はない。
魔王陛下が兵舎に用があるとは思えない。彼が、此処に来る理由などないはずなのに?
ただ、解ることは、彼は待っていてはくれなかったという事だ。まさか、この短時間に言いつけられた事を
忘れるとも思えない。と、なると、最初からコンラートの言いつけなど守る気がなかったということ。
待っていると、微笑む顔の下で、まったく逆のことを考えていたのか?軽くうそをつかれたようで、
コンラートをひどく重い気分にさせた。声も体も自然と硬くなる。
すると、有利はいっそう彼の胸に顔を押し付けてしがみつくと、だって!と声をはりあげた。

「だって!グウェンにコンラッドの用事って何っ?て聞いたら、兵士の皆さんに剣術の稽古つけるって言うから。
俺、アンタが稽古つける姿って見たことなくて、それでどうしても見たくて、執務時間をずらしてもらったんだ。」
だから、さぼっているわけじゃないぞ。

ー俺?ー

「俺が稽古つけるの見たって、大した事ないですよ?」
一瞬、何を言われたか解らなかった。もしかして、有利はわざわざ自分を見に来たのだろうか???
それとも、剣術に興味を覚えたのか?野球小僧の彼が?まぁ、バットも剣も長い棒とすれば似てなくともないが・・?
「うそ!だって、ギュンターが言ってたぞ、再三に亘って頼んでやっと引き受けてくれたって。兵士の皆さんからも、
貴族の中からも、結構な数の要請があるらしいじゃん。」
「また、アイツは余計なことを・・。」
かつての師匠をアイツ呼ばわり・・・ウェラー卿かなりご立腹のご様子。

「そんな、レアなこと・・・やっぱ、見ておかなきゃだろう?」
「・レアって・・珍し物みたさですか?」
はぁ〜と今度は困ったような?脱力系のため息がでた。重い気持ちは無くなったが、変わりに何とも言えない気持ちになった。
ちょっとした珍獣あつかい?(それは嫌だな)またはイベント扱いなんだろうか?最近、勉強に執務にと追われていたから、
煮詰まってきているのだろう。今度、城下にでも連れ出してあげようと、優秀な護衛はすかさず判断した。
とりあえず、自分の胸にしがみ付く有利を引き離しにかかる。連れ出すためには、まずは自分の仕事を片付けなければ。
それまで体の横に垂らしていたままの腕を動かし、軽く肩を掴んだ。顔を上げるように促しつつ
ーだとしても、せめて護衛だけはつけてきてください。ーそう続けようとしたが・・・・できなかった。

有利がきゅっと唇をかんで、そっと顔を上げたのだ。黒い大きな目が潤んでゆらいで、自分をまっすぐ見ていた。
至高の双黒と象牙の肌にうっすらと紅く染まった頬。このコントラストが何ともいえない『彩リ』となり
匂いたつような『艶』を醸しだしていた。おもわず、その表情に引き込まれそうになる。
鼓動が一つ、胸の奥で強く跳ねた。ナンダ?
「そんなんじゃない・・・俺・・いつもと違うコンラッドが見たかったんだ。俺の側にいる貌ばかりじゃなく、
指導者としてのアンタやもっと、色々なコンラッドが・・・そ・・それに・・皆ばっかり・・ズルイ・・」
何やら、おずおずという声は震えていて、しかも後半はかなり小さい声になって、意味も不明だ?
「??ズルイ???」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「陛下?」
「陛下って言うな!名付け親!」
「ぷっ!・・すいません、つい癖で。」

陛下の呼びかけに、すぐさま反応する彼に、思わず笑いがこみ上げてしまった。何時もの反応を寄こす彼は、
やはりコンラートの知っている何時もの彼で、もはやあの不思議な表情はなかった。
それに、安堵している自分とその理由に、コンラートはまだ気づいていない。
有利は笑われたことが不本意で、一層真っ赤になりながらも、目の前の男を軽くにらみつけていた。
その姿がまた可愛らしい人だな〜と、コンラートは内心、ただれた感想をもって眺めた。
なだめるように、黒髪をすくと前髪を一房摘まんで、チョイチョイともてあそぶ。ほわりと笑みが自然に浮かんだ。

「では、ユーリ?何がズルイのかな?」

一方、ん?と何やらうれしそうに小首を傾げて聞いてくる男に、有利の心臓は、急速に加速して動いていく!
ーーーうぎゃー!ア・・アンタなんつーカオすんの!とろけてる!笑顔がとろけてるよアンタ!?
100歳こえた男前のくせして、何でそんなに可愛いんですかーーーーー!!!??
脳内沸騰状態で、思考は大爆走だ!

奇しくも、同じ事を考えている両者。
かもしだす空気は、うっすらとピンクがかっているような気がするのは、気のせいではない。
それに、二人は忘れているだろうが、コンラートは兵に稽古をつけていた。つまり、少し離れているとはいえ
鍛錬場には兵が沢山いるのだ。また、二人の現在位置だが、鍛錬場に面した兵舎の廊下である、
当然通行人が普通にいる。それでも誰も通らないのは、二人のかもし出す(ここに、かの大賢者がいれば、
ただれ流すと酷評していただろう)甘い空気に通るに通れないからであった。

「でたー!コンラート閣下の悩殺フラッシュ(彼の幼馴染命名)炸裂だわー。いつもよりフェロモン大爆発
しているぞ!アレ至近距離で浴びて陛下は大丈夫だろうか?」
「ムリだ・・・見る見る真っ赤になられて・・・・お可愛らしいが、おいたわしくもあるな。」
「陛下、体中の血が沸騰って感じだな。コンラート閣下は天然だから、陛下の恋路も遠い道のりだよなー。」
どうやら、有利の恋心は、コンラート本人には伝わってないが、多方面にはバレバレのようだ。
「あぁ、あれだけ先程からプロポーズまがいの告白されていて、まったく!気づかない閣下は、本当にすごいよな。」
「いや〜ぁ、あの熱烈な告白している本人もその事に気づいてないから、天然具合ではいい勝負だと思うぞ。」
こういった事は、第三者のほうがよく見えるらしい。二人の恋愛事情は、本人達より城に勤務する、兵やメイドの
ほうが、詳しかったりもする。
「それより、あれで付き合ってないってところが不思議だ。巷の恋人同士も裸足で逃げ出すくらい
自然に二人の世界を作っているぞ。」
そう、先程から会話をするのは、コンラートの部隊の兵士で、副隊長以下長く彼に仕えている者たちだ。
長くない者や他の部隊の者は、免疫がないのか、遠目で浴びたというのに、真っ赤になって倒れている者が結構いた。
「・・・・倒れた者は端に寄せておけ。訓練の邪魔だ。」
副隊長は、生き残っている(?)者に妥当な指示を出しておいた。しばらくしたら、復活するだろう。
「それと・・」
そこからは、声を潜めてさっと周りを見渡してから、近くにいた兵の一人を呼ぶ。
「羊班!何時もの仕事だ。」
「はい、倒れた者の所属と名前をリストアップしておきます。」
「あぁ、頼む・・・はぁぁぁあ、またこれで仕事が増えたな。しばらく、忙しくなるぞ。」
「仕方ありません、こればかりは、ウェラー隊の中でも、特殊な任務ですし、そう誰でも出来る仕事ではありませんから。」

そう、ウェラー隊には、他の隊にない独自の特殊任務班が存在する。
それは、彼らが敬愛する隊長・ウェラー卿コンラート閣下に関する一番重要で、一番骨の折れる仕事を担う班だった。
通称羊班・・正式名称「コンラート閣下の恋路を邪魔する奴は、羊に蹴られてタコなぐり!班」である。
ちなみに、隊長であるコンラートや、一般兵はその存在を知らない。これは、代々の副隊長が秘密裏に取り
仕切る特殊任務なのだ。発起人は、やはりというか、某幼馴染で長く副隊長を務めていた現お庭番だ。
今は特別顧問として活動に参加している。
もっとも、発足当時は「コンラート閣下の貞操を狙う奴は、羊にけられて死んじまえ!班」だったのだが、
最近、この班の存在に気づいた某大賢者様によって、改名されてしまった。お庭番の口が滑ったのだ。
ここでも、大賢者さま、暗躍中である。
まぁ、活動内容は、班の名称からわかると思うが、大まかに言うとコンラートにちょっかいを出す連中を、
裏から始末するのが仕事だ。発足から20年以上たつが、仕事は増えるばかりで減ることはない。
それもこれも・・・・。


「ユーリ?」
甘い声で続きを促すコンラート。
「だだだだだから!前にメイドさんと衛兵さんが話していたんだよ!俺の護衛している時のコンラッドも、優しげで
爽やかでカッコイイけど、剣術を指導したりする時の、きりっと厳しい貌のコンラッドも精悍で素敵だって!
だから、おれだって!みてみたかったの!!!皆が知っていて、俺だけ知らないのなんてくやしいだろ!!」
ちくしょー、恥ずかしい事いわせんなよ!有利は、余程恥ずかしいのか?あ〜〜とかう〜〜〜とか唸って、
視線をあっちこっちに漂わせている。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・そこで、絶句するなよ。余計恥ずかしいだろ!」

何にも反応をよこさない相手に、焦れてがなると・・・・???

「コンラッド?」 なぜか、片手で顔半分を覆っている天を仰いでいる彼・・・気のせいか?指の隙間から見える頬とか、
赤く染まっているような・・?
「もしかして、コンラッド照れてる?」
あ、体ごと後ろ向いちゃった。

あたりかよ!?えー!えー!あのコンラッドが照れてる??いつでも爽やか好青年で大人の余裕たっぷりの彼が??
うわーうわー!どうしよう。耳まで真っ赤だ!かわいいーー!アンタどれだけ惚れさせれば気が済むんデスカーーー!

「陛下、ずらした執務時間まで、どのくらいありますか?」
後ろを向いたまま、唐突にそんなことを話しかけてきた。また、陛下に戻したな。えぇい!ペナルティーだ。
「ユーリ・・敬語もだめ!」
「・・じゃぁ、ユーリ、まだ時間はある?」
「もちろん、じっくり見てからじゃないと絶対に戻んないからな!」
「ユーリが見てくれるなら、下手なところ見せられないな。」
ばさり!と、頭から何かが降ってきた。一瞬視界がやさしい緑色に染まる。それが、彼の上着だと気づいた時には、
白いシャツに包まれた背中は、手すりを越えて鍛錬場へと向かっていた。
「コンラッド!」
呼びかけに、彼が少しだけ振り返った。
「まだ春とはいえ寒いから、それを着ていて。帰る時は、一緒にかえろう。ね?」
甘い『ね?』と、同時にウィンクが一つ飛んできた。防御するまもなく、直撃!

!!!!この人、俺の心臓を止める気だぁぁぁ!!!

魔王陛下、百戦錬磨なその攻撃に、玉砕された模様。ズルズルとその場にへたり込んでいた。
もう、どうしていいかわからず、借りた上着に顔をうずめてしまった。沸騰しまくったこの頭をどうしてくれるんだ?

うううう、俺、とんでもない人を好きになったのかも?ーーーあぅ。

がっくりとうなだれる陛下に、心底同情したように、古参の兵士達(羊班)は囁きあった。
「い・・今のはまた強烈だった・・陛下相手だと閣下のフェロモンは4割り増し(当班比)だ。」
「周りを見ろ、また倒れたものがいるぞ。あの無意識にフェロモンをまくのは止めて頂きたい。」
「おかげで、また仕事が増えていく〜〜〜〜!」
そう、魔王陛下がきてからというもの、コンラートの笑みは格段と増えており、結果その悩殺フラッシュ(余波)を
浴びる者が後を絶たないのだ。よって、羊班の仕事は増える一方であった。
最近では、血盟城の裏アイドルという名称までついてしまっている。
敬愛する閣下のためとはいえ、特殊任務手当ての割り増しを請求したくなる彼らだった。


結局、その日の剣術指南はというと・・・・それどころではなかった!と心底疲れた様子で参加した兵士達は思った。
ルッテンブルクの獅子自らの指導は、確かに緊張感にあふれ、剣を交えるだけでもすばらしい訓練にはなった。

が!!

それ以上に、某陛下と某閣下のやり取りに、精神的苦行を強いられたのだった。
ふとした時に視線が絡まるとお互いに、えもいわれぬ微笑みを交わす。その、飛び散るハートの乱舞は、
無差別に兵達に襲い掛かった。

ウェラー卿(の天然フェロモン)に耐性のある兵も、眞魔国NO1アイドル(?)の初々しい色気(?)で
パワーアップした必殺の笑顔とのダブル攻撃には、そうは耐えられるものはいなかった。
よって、指南に割り当てられた時間を大幅に短縮して訓練は終わった。というか、最後まで残れたのが
ウェラー隊の数名(羊班)だけで、新兵・他部隊の兵士は全滅の憂き目にあってしまったのであった。

その、兵士を全滅へと追いやった二人はというと、残った時間で城下デートへと行ってしまった。
あのぶんだと、城下でもあてられて、倒れるものが出るだろう。
その後、ウェラー卿への、剣術指南の要請は、極端に減ったという。特に陛下が滞在中は、まったくと言って良い程無くなった。
これ以上、あの殺人級の天然フェロモン閣下や初心な色気を纏った陛下のコンビにWパンチを食らったら、
城に兵がいなくなってしまう。まさに、最強・最凶の悩殺コンビの結成だ。
人の恋路を邪魔するものは、羊にけられる・・・この国の諺だ。昔の人はよく言ったものだと、
まさしく蹴られたような血盟城の兵士たちは痛感したのだった。






短編といいつつ、無駄に長い。"o('(ェ)';) ウゥム…
最初の予定だと、半分くらいだったのに。羊班は、オリジナル部隊です。
最初に見たのが、マニメの方でしたので、私のコンラッド像は、天然フェロモンさんです。
声を担当していた、森川氏の悩殺ヴォイスのせいでしょうか????作画も関係しているかも??
その後、原作に出会って一気にハマったんですが、最初の印象って強烈で抜けないものなんですね。

書いてから気づいたんですが、マニメだとウェラー隊ってカーキに青線の詰襟制服だったような?
コンラッドは、隊長なのでカーキに赤線のたて襟なんですよね。
見慣れたカーキの軍服が見えないって書いちゃったわ。ウェラー隊うじゃうじゃいたんで、
見慣れた色だらけだな・・・・・・・・。えーと、陛下は、コンラート以外、アウトオブ眼中
って、ことにして下さい。


2008.4.4UP