長編パラレル 今日から『ママ』のつく 9 |
今日から『ママ』のつく 9
「グリエさん!」
中庭に着くと、すでに封鎖されたらしく、そこにはカーキ色の軍服を着た者しかいなかった。
「状況は?」
「はっ!隊長は、奥庭の方へ移動されました。副隊長以下5名がそちらに向かいました。我等は、引き続き、
隊長の邪魔になる者が入らぬように、こちらの封鎖を続けます。」
「わかった。ベランダと血盟城は、フォンヴォルテール卿が封鎖して下さっている。何かあれば、閣下の指示に従え!」
「グリエ!」
そこへ、ヴォルフラムが走りこんできた。
「プー閣下、来ちゃ駄目ですよ!コンラッドの足手まといに、なりますよ。」
プーさんの、姉上好きにも困ったものだ。
「ちがう!グレタが!」
「姫さんが?」
ハッ!まさか?コンラートの元に向かったのか?
その、まさかだった。ヨザックが走り去った後、グウェンダルとヴォルフラムが、対応に追われて間に、グレタがいなく
なったのだ。近くのものが、顔色を変えて光があがった方に向かうグレタを見たという。
「僕が、あんなブローチなんて渡したから、グレタはコンラートを助けに行ってしまったんだ!」
たしかに、子供なら色々な抜け道をつかって、兵士に見つからずに、奥庭まで行くことも可能だろう。
だとしたら、危ないなんてものじゃない!一歩待ち合えれば、巻き添えで重傷を負う可能性もある。
「ウェラー隊は、封鎖を続けつつ姫さんを探せ!俺は、コンラッドの元に行く。万が一、姫さんがそこまで
来ていたら保護しなくては!それと、プー閣下はもど・・」
「僕は行く!」
さえぎるように、ヴォルフラムが叫ぶ。
「グレタは、僕の娘だ。グレタを保護したらすぐ戻る。だから・・・」
まっすぐ、ヨザックを見るヴォルフラムに・・・仕方ありませんねと、つぶやく。
その代り、姫さんを必ず確保して下さいよ〜。俺は、獅子の手綱取りだけで大変なんだから〜。
ヴォルフラムは、わかったとうなずくと、暗いその先を睨みつけた。
はぁ!はぁ!はぁ!息を切りながらも、グレタは暗闇を走り抜ける。手には、ヴルフラムから貰った唐辛子スプレーを
仕込んだ例のブローチを握り締めて。
グレタのせいだ
グレタがお母様が欲しいなんていったから、だからコンラッドが!!!
グレタには、とっくにわかっていた。この、『ままごと』がイベントなどではなく、自分の為である事も、その為に
コンラートが女性になった事もだ。それでも母親と一緒に、料理を教えてもらったり、買い物に行ったり、お風呂に
入ったり、本を読んでもらいながら、その柔らかな胸の中で眠りに付いたりと出来るのは、嬉しいものだった。
本来なら、もう二度と母親という存在に恵まれることはないと思っていたから。
女性化したコンラートは、どこかグレタの生母イズラに似ていた。顔や姿ではなく、その精神のあり方だ。王族と生まれ
ながら民に寄り添い生きて、皆に好かれていた母。ゾラシアに嫁いだ後は、過酷な扱いの中、それでも凛とした気品と誇りを
失わなかった母。コンラートも、同じようなところがあるのを、グレタは以前から感じていた。それが、母親として接してくれる
うちに、確信へと変わった。その時、懐かしい焦がれていたものが、グレタの元へと戻ってきたような気がしたのだ。
だから、そのまま甘えてしまった。コンラートが優しいから、もうちょっとだけ、お母様と呼びたかった。
だけど、そのせいで、コンラッドが危ない目にあうのはダメだ!どんなにコンラートが強くても、今は体が女性になっている。
きっと、男性に囲まれて怖い思いをしているに違いない!生母イズラのときは、駆けつけることさえ出来なかった。
だけど、今度は、駆けつけることも出来るし、助ける術も持っている。今度こそ、絶対にお母様を失ったりしない!
おかあさま!グレタが今、たすけにいくからね!
グレタは、賢明に足を動かして、草をかき分けて走った。
そして、ここにももう一人。コンラートの窮地に駆けつけようとしている者が。
「な・何で?コンラッドが男たちに囲まれてるの?」
「うーーん、ダンスの申し込みにしては、物騒な雰囲気だね〜。」
どうやら、言い争っているような気配がする。光源は、大広間からの光と月だけである。魔王部屋からでは、何が
起こっているのか?まったくわからなかった。
「とりあえず、言い寄られているのは確かなんじゃない?」
面白がるように、村田は有利を眺める。有利は窓にべったり張り付いて、目を凝らして愛しい人の様子を凝視
している。
「・・・・いく。」
「うん?」
「俺が助けに行く!」
「渋谷。」
「止めても無駄だぞ!」
「はいはい、せめて学ランを羽織っていきなよ。」
「あ・・?」
にっこりわらうと、村田は親友の方に学ランを肩にかけてやった。
「ほら、とっとといって、ウェラー卿は自分の物だって宣言しちゃえ!」
バシバシ!と、背中を叩いて激励してやれば、ぱぁぁぁぁ!と、有利の顔が明るくなる。
「おう!・・有難う!村田。」
どたばたと、部屋を出ていく親友の背に苦笑をして、再び中庭に視線を戻せば、コンラートが男たちを挑発して
駆け出すところだった。どうやら、あの男たちでウサ晴らしをするらしい。
「ちょっと、つつき過ぎたかな?でも、あのくらいで動揺するなんて、ウェラー卿も、まだまだ・・・ダネ。」
きらりと、村田の眼鏡が光った。
さて、奥庭へとコンラートを追ってきた男たちは、闇の中うっそうと茂る木々や茂みに獲物を見失っていた。
「くそっ!どこだ。」
その時、カッ!!!と激しい光が前方で炸裂した。
「うわっ!?目が!」
「あ、あの女だ!」
閃光の中、一瞬だが道の奥に、嗤うように立つ女の姿がみえた。
「どっちだ?」
「右の方にかけていったぞ!」
だが、すぐに闇と木々に邪魔されて、姿を見失う。
「だめだ、いたか?」
「こう、暗くてはわからん」
その様子を、コンラートは近くの木の上から眺めていた。この暗闇の中、いくら木々が茂っているからといって、
灯りくらいの炎術はつかっても、支障はないはず。それを使わないということは、彼らの中に炎術使いはないようだ。
だとしたら、暗闇をフルに活用して、数人に分かれたところを襲うか。もっとも、他の要素と契約している
可能性もあるが、こればかりは、戦ってみないとわからない。先程から、指示を出しているのは、あの
ゲルリッツ卿だった、彼がこいつらのリーダー格というわけか、だとしたら、こいつらの家の格は、そう高くない
中流貴族だな・・・。血盟城であまり見たこと無い顔だから、ゲルリッツ卿に連れられ入り込んだ取巻き達だろう。
いや、悪さ仲間かもしれない。その、ゲルリッツ卿は、コンラートの記憶が正しければ、水術使いだったはずだ。
水は、ちょっとやっかいだな。・・持っている爆薬を湿らされたら困るし?
どうやら、コンラートは、彼らを吹き飛ばす気まで有るらしい。・・・キケンだ。
だが問題は、例のブリーゲル卿ハーラルトだ。彼は、炎術使いのはず。ヴォルフラムほどではないが、火球程度の
技を使ったはずだ。火球を飛ばされたら厄介だ。息子の方も何かしら使う可能性がある。もっとも、小さい頃から
火球を飛ばしていた、チビヴォルフの相手をしていたコンラートだ。しのぎ方は心得ている。だからといって、
油断は禁物。できれば、術は使わせたくない。あちらの親子は、こいつらを始末した後に、隙を見て叩くしかないようだ。
さて、どうしよう?めずらしく、コンラートは迷った。しばらく悩んだが、うん!と一つ頷く。どうやら決まったようだ。
うん、雑魚はギーぜラへ、たっぷり傷だらけにして渡すか。魔術を使う三人は、動けないようにする程度に抑えて
アニシナにたっぷり可愛がってもらおう。
よし、これですっきりした!と、コンラートはニッと笑った。処分先まで振り分けるとは?ヤる気とみた。・・益々キケンだ!
ここに、ヨザックがいたら、身震いして逃げ出しただろう。獅子の寝起きは、中々ご機嫌がお悪いようでした・・・。
そうこうするうちに、男たちが散り散りに動き出した。ゲルリッツ卿は一人で、後の4人は二人二組に分かれた。
・・好都合だな
にやりと、笑うとコンラートは、雑魚の二組みを追った。
肩慣らし・・とは、よく言ったものだ。本当に肩慣らし程度にしかならなかったな。コンラートは、倒した二人を素早く
ベルトで拘束すると、彼らのハンカチーフを猿轡代わりに咥えさせ、脱がしたズボンで木に吊るしてしまった。
正確には勝手に脱いだんだが・・、ちょっと、木の陰から足を見せたら、ホイホイと一人で誘われてきた。木に押し付けて
ベルトを緩めたところを、腹が立ったので股間を思いっきり蹴り上げてやった。フッ、人に抱きつきやがって、硬くしていたから、
相当痛かっただろう。女性に悪さをしようとした罰だ。その声に駆けつけたもう一人は、剣で少し切ってやったら、泣き
ながら許しを請うので、剣の柄で昏倒させた。きっと、仕上げはギーゼラがやってくれるに違いない。女の敵は
この際、徹底的にお仕置きだ!・・・・コンラート閣下、獅子化したわりに、女性化した思考が抜けてないようである。
その次の二人は、そうはいかなかった。どうやら、一人は風使いだったらしい。木の上から襲い掛かったところ、圧縮された
空気の塊をぶつけられた。咄嗟によけて、茂みに飛び込む。風では、迂闊なものを投げて、返されては大変だ。
まぁ、相手はギーゼラ用の贈り物だ。多少傷が過ぎても、いいとするか。おもむろに、コンラートは靴のかかとを外すと
中から小さな箱を取り出す。踵を元に戻すと、そっとそこから移動した。
ちゅどーーーん!!!
きぃぃやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!
闇を引き裂く・・・・男の悲鳴・・・。つーか、その前の・・。
「なんなんですか?今の音はと光は?あ・・・火柱が!」
グレタを探しつつ、コンラートの元に駆けつけるヨザックとヴォルフの前に、轟音とともに火柱が上がったのが見えた。
「あ!・・あれは、僕が、姉上に持たせたアニシナ特製の爆弾だ!ほらみろ!」
指差された方向を見れば、夜空に赤々と『爆発物の御用命は毒女まで〜♪』と文字が書かれていた。
・・・・・あ・・文字の色が赤から毒々しいグラデーションに変わった。・・爆弾というより素晴しい花火ショーだ。
現に、後にしてきた血盟城のほうからは、おおーーーー!という歓声が聞こえる。ハハハハ・・。
「ヴォルフラム閣下・・・まさか、まだ何か、もたせてないでしょうね?」
「もちろんあるぞ!爆弾はもちろん催涙弾とか、睡眠薬とか煙球とか鞭とか。」
「ムチーーーーー!」
一体この弟君は、コンラートに何をやらせるつもりなんでしょーー? 胸を張って、指折り数え上げていくヴォルフラムに
一抹の不安を覚えるヨザックだった。しかも、剣豪の兄に持たせる武器が・・ムチ・・・。確かに、今の姿のコンラートが
使えば絵になるけど。
『絵になりすぎてコワイですーーー!!!』
一人、心の中で泣くヨザックだった。
「グリエ!」
その時、横から呼び止める声が、先に駆けつけていたウェラー隊・副隊長のフライヤーだ。
「エリック!コンラッドは・・・・・・!?」
途中で台詞が途切れたのは、ウェラー隊の連中が囲んでいるものがみえたからだ。そこには、やけにくたびれ汚れた
二人の男が吊るされていた。しかも・・・ズボンを穿いてないので情けない事、この上ない。
「・・・・コレはやつが・・?」
「無論だ・・・・しっかり、ギーゼラ閣下へ渡せとのメッセージつきだ。」
フライヤーが指差す先には、地面に枝か何かで書かれたメッセージがあった。あて先は、ヨザへとなっている。
先日言ったとおり、人知れず処分しろとの伝言だ。ご丁寧に、処分先まで指定してある。
「ほぅ、ギーザラへのプレゼントにしろか、さすがは姉上だ、お優しい。ギーゼラがやりがいがあるように、そこらじゅうに
切り傷がある。あ、ここは擦り傷か、さっきの爆発で火傷の者も出ただろう。きっと、喜んでくれるぞ。」
たしかに、軍曹なら、喜んで傷によくしみる薬とかを、ぐりぐり塗りたくりそうだ。きっと、見たこともないような天使の笑顔で・・。
なんだか、この三男閣下。だんだんすぐ上の兄貴に似てきていないか?行く末が恐ろしい・・・・。
「こいつらは、俺達の方で送り届けてくる。さっきの爆発で出たろう重症患者も回収してやるから、お前はとっとと行け。」
しっしと追い払うような仕草で、フライヤーはヨザックを促す。雑用引き受けるから、先へ行けというのだ。
「ありがとうよ、ところでに、姫さんがこちらにきているようなんだ、みつけたら、保護してくれ。」
「グレタ姫が!?」
それは、大変だ。彼らは、頷き合うと即行動を開始した。
「さすがコンラートの部隊のものだ。動くが素早い。」
ヴォルフラムが感心したように呟くのを、フライヤーは内心驚いて聞いた。戦時中は、混血で汚らわしいと、次兄でさえ
遠ざけていた彼が、その部下まで褒めるとは!いや、つい最近までだって、いつも次兄につっかかっていたというのにだ。
もっとも、それは兄を大好きと思う気持ちと、人間を嫌う気持ちが衝突して、そんな態度になっていただけなんだと、今では
知っている。特に新たな王がきてから、人間を嫌う気持ちも薄れ、態度も大部軟化してきたと感じていたが、率直にほめる
ことが出来るまで、コンラートに対するわだかまりが消えているとは!これは、やはり最近のコンラート女性化騒動のせいか?
兄が女性になったことで、ヴォルフラムの中で、女性=守るもの=コンラートを自分が守るんだという図式が完成したんだろう。
いっそ、素直すぎるくらいに姉上姉上と、コンラートについて回っている。城の古参の者は、昔、小さい兄上と呼んで慕って
いた頃に戻ったようだと、微笑ましそうに噂していた。いい傾向だと思う。『アニシナ様もたまには、良い事をなさる。』
フライヤーは、兄の元へと急ぐヴォルフラムの背を見送りながら、目を細めた。
「ナンなんだ一体!さっきから何が起こっている!?」
ゲルリッツ卿ヴィルフリートは、仲間が風の要素を使役した気配を察知したが、すぐにその方向から火柱が
上がったので驚愕した。まさか、例の女の仕業か?しかし、あの娘からは、魔力というものが感じられなかった。
それとも、誰か他の連中がいるのか?火・・・たしか、アノ親父、ブリーゲル卿ハーラルトは炎術使いだったはず、
だが、火柱を上げれるようなレベルではなかったはずだ。魔石でも使っているのか?どうやら、毒女の文字は、
彼からは見えなかったようだ。それもしかたない、球体の花火と違って、文字など平面の花火は角度によっては、
形すらつかめないのだから。もっとも、あの毒女ならそのうち360度何処からも見える花火を作りそうだが。
その時、横からガサガサッと音がして、息子の方のブリーゲル卿ループレヒトが出てきた。彼を見つけると
一気に顔が険しくなる。対してゲルリッツ卿の方は、飄々としている。役者の違いだろう。
「貴様!」
「おや、ビリーゲル卿、こんな所から出てきたとは、貴方もあの娘をお探しですか?」
「ゲルリッツ卿とかいったな、彼女に手を出すのは、やめてもらおう。彼女は私の妻になる女性だ!」
ほう、中々息子の方は、血気盛んなようだ。この分では、あの火柱はこの男の可能性もあるな。
先程対峙した時は、上級貴族の世間ずれしたボンボンという印象だったが、意中の女性を前に上がっていた
だけのようだ。こうしてサシで向かい合うと、それなりに、まともに見える。
「しかし、彼女の方は、その気はないようですね。」
ぐぬぬと、ループレヒトが詰まる。先程、本人から結婚はおろか見合いさえも断られたのだった。
「だいたい、あの娘は、下級貴族の癖して 上級貴族のブリーゲルの家を侮辱したのですよ?今更、貴方の
お父様が、お許しになるとは思えませんね〜ぇ?」
どちらかといえば、見つけ次第、親父の方なら娘を手篭めにする位しそうだ。いかにも、好色そうな男だった。
「私よりも、貴方の父君に気をつけるんですね、もっとも、今頃、女を見つけて、自分の下に組み敷いているかも
しれませんよ?ね〜〜?」
さーーぁっと、ループレヒトの顔色が変わる。どうやら、心当たりがるようだ。くそっ!と言い残すと、庭の奥へときえていった。
どうやら、あそこまで挑発して襲ってこないところを見ると、あの息子が火柱の犯人ではないようだ。
だとしたら、娘か?でも、どうやって?兎に角、気をつけたほうがいいだろう。仲間もいるかいないか判らないしな。
そっと剣を抜いて、また彼も奥へと消えていくのだった。
はぁはぁはぁ、・・・くくく・・見つけたぞ・・・娘!
ブリーゲル卿ハーラルトは、火柱が上がった先で、炎に映し出されるコンラートを発見した。向うからは、こちらは陰になって
見えないはずだ。息を整えつつ、その細い影に近づいていく。たが、欲にまみれていても、仮にも『卿』が付く物。
眞魔国において『卿』がつく者は、有事において軍人として戦う者である。流石に、実戦経験などあまり無いとは言え、
こんな派手な火柱・・というか花火までたっていて、相手がただの娘だとは思わない。よって、迂闊に近づくことはしない。
娘が、ある程度開けたところに差し掛かったところで、静かに要素を呼び出す文句を詠唱すると、火球を足元に向けて放った!
ドンという音がして、足元で破裂した火球に、コンラートの細い体が横の茂みへと飛ばされる。
「やったか!?」
ブリーゲル卿ハーラルトは、急いで娘が飛ばされた所まで来ると、茂みをかき分けた。
そこには、飛ばされた拍子に、頭でも打ったのだろうか?木の根元に、力なく横たわる、娘がいた。
爆発で、多少汚れてはいるものの、若く白い肢体は、みずみずしい肌に覆われており、引き裂かれたドレスからむき出し
になった足は、すぐにでも掴んで喰らい付きたくなるような、艶かしさだ。
ごくり・・と、男の喉がなる。ゆっくりと側によると、そっと横に膝をつく。娘が起きる気配はない。やはり、気を失っているようだ。
そっと、足に手を伸ばす。すりすりと、膝を撫で、そのままつっと太ももへと手を這わせると、柔らかく吸い付くような弾力が、
手から伝わり、ブリーゲル卿を楽しませた。乾いた男の手が這い回るのがわかったのか?コンラートの体がピクリッと動く。
だが、その瞳は相変わらず閉じられたままで、意識が戻る様子は無い。
「ほう、感じたか?ほぉほぉ、・・中々、感度もいいようだ。これは、楽しませてもらえそうだな・・ひひひ・・・娘・・我が家を
愚弄したこと、その身で償ってもらうぞ。」
荒くなる息を押さえもせずに、ブリーゲル卿ハーラルトは、気を失ったコンラートの足を堪能すると、そのまま、手はドレスの
中へと忍び込み、無防備に開かれた内股へと伸びていった。
5月13日UP
コンラート閣下、お仕置きに余念がないようですね。でも、一歩間違えば、自分がお仕置きされちゃうんですが?
ループレヒトがあまりにも馬鹿っぽかったので、ちょっくら軌道修正。ちょっとは、ましになったでしょうか?
でも、扱いは、かわいそうな人のままです。だって、所詮はギャグなんです。惚れた相手が悪かったと思ってください。