長編パラレル 今日から『ママ』のつく 4-2 |
すごいんです。 ALLでドタバタ編
お母様はね〜、脱ぐとすごいんだよ〜。 BY 愛娘グレタ
「グ・・グレタ?まさか、コンラートとお風呂に入っているのか?」
「うん!」
いくら、今は女性になっているとはいえ、コンラートは元々男だ。子供とはいえ、女の子と一緒に風呂に入って
いいのか?
「あ・・兄上。」
「うむ。」
話を振られたグウェンダルも些か困惑気味だ。母親と一緒に入ると考えるなら、問題は無いんだが・・。
当人であるグレタは、すっごくうれしそうだ。今まで、一人で入っていたはずだが、いつから一緒に入るように
なったのだろう?
「え〜〜だって、コンラッドは今はグレタのお母様だもん。親子の『こみゅにけーしょん』は大事だよって、
いつもお父様も言ってるよ〜?あと、分かり合うには、裸の付き合いが良いっていってたもん。」
どうやら、発端は有利陛下のようだが、有利としては、それは男同士の友情を深める方法であって、
スポコン物の王道であっても、男女間には成立しないのだろう。いや、今は二人は女同士だけど・・。
「大丈夫よ、あたくしも一緒に入っているもの〜♥♥」
「「母上〜ぇ??」」
一体いつ帰ってきていたんだ?たしか、南のほうに新しい恋を見つけに旅立って行かれたのでは?
「えー、だって、あたくし、ずーーーーーと娘が欲しかったんですもの。そしたらぁ、アニシナがコンラートが
女性になったって鳩を飛ばしてくれたから、殿方ほっぽって帰ってきちゃった♥」
アニシナー!一体どれだけ混乱させれば気が済むのだ!
しかし、幾ら本当の親子とはいえ、よくあのコンラートが母親と一緒にお風呂などに入る事を了承したものだ。
「あら、ちょっと選択させただけよ。毎日着せ替えごっこに付き合うのと、一緒にお風呂に入るのと
どっちがいかしら?って。うふ。」
それは、脅したというんじゃ・・・・・・・。
コンラート哀れな・・・・。
長男と三男は、次男に心の底から同情した。
「さ〜〜、グレタ。今日も一緒に入りましょうね。」
「わーい、お母様は、お父様のところだよ、早く迎えに行こう〜。」
「ええ、そうね!」
うきうきと一緒に魔王部屋に向かう。
「え?ちょっと、ははうえ〜?おまちください。」
ルンッタッカ♪ルンタッカ♪足取り軽くコンラートを迎えにいく二人を、慌てて長男・三男が追った。
「コンラート!一緒に湯殿にいきましょう〜。」
「おかあさま〜、一緒にお風呂いこ?」
「「お待ちください、母上!」」
「母上?グレタ?」
「ツェリさま???」
「あっれ〜?フォンビーレフェルト卿とフォンヴォルテール卿までどうしたんだい?」
「しくしく・・親分・・・妹君を止めて下さい。グリエしんじゃうぅ。うっうっうっ。」
魔王部屋に乗り込む女性陣を追っていくと、なぜかそこには陛下と猊下とす巻きにされたヨザック。
そして、ヨザックをヒールの踵で踏みつけているのは。
「何をしてるんだ?コンラート?」
「あぁ、けだものがいたので、ちょっとお仕置きと躾をかな?」
にっこり笑って、ぐりぐりとヨザックを踏む。
「そうか・・・・・。」
「きゃあぁぁん、けだものですって?いやん、つんつんとかいって、ふんじゃったりして♥♥」
「母上・・・(TT)」
やはり、母娘なんだな、この二人。ヴォルフ泣くな・・・同じ血が流れていると思うと私も泣きたいがな・・。
「さぁ、コンラート。いい汗(←?)かいたし、一緒に湯殿で汗を流しましょうね♪」
「いこういこう!」
言うが早いか、コンラートの腕を取って湯殿に向かおうとする二人。
「えぇ!ちょっと待って下さい。昨日入ったじゃないですか?今日もなんですか?」
どうにか、足を踏ん張って抵抗するコンラートが、有利を振り返った。
コンラッドのピーーンチ!ここは、夫として助けなければ!
「お待ちください!ツェリさま!」
俺の制止に、ツェリ様がなに?という顔でこっちを見る。
「確かに、今コンラッドは女性ではありますが、え〜それは一時的なものですし、元々男ですから、女性と
共に湯殿にはいるのは、ちょっと・・・。」
「あらぁ、ですが、あたくしは、コンラートの母ですよ?散々一緒にお風呂にだって入りましたし、大丈夫ですわ。」
それは、かれこれ90年以上前の話だろう。
「でも!」
「それに、昨日も入りましたし。」
「うっ!」
一気に形勢不利!
「あらら、一度入ったら二度三度入っても一緒だね〜ウェラー卿?キミ、女性ライフを満喫しているみたいだねぇ?」
しかも、思わぬところから思わぬ駄目出しが!言外に体が女になったからって、幼い少女と成熟した女性と一緒に
裸の付き合いするとは?キミって変態?とか、冷たい視線が語っている。
「そんな・・・猊下!(娘と母親なんですが!?)」
有利も何で、入っちゃったんだよ〜と、目線で訴えてくる。
焦ったコンラートは、ブンブンと両手を前に出して横に振って、必死に否定した。
「それは、一度一緒に入れば、毎日着せ替えして遊ぶのは許してくれるというから〜!」
俺だって、入りたくて入ったわけじゃありません!と、誤解を解こうとする。
「あら・・あたくしは、一度なんていったかしら?ねぇ?グレタ?」
「う〜〜ん、グレタ覚えてなーい。」
その時のガーンという顔、コンラッドがそこまで表情にするのは珍しかった。
村田には、変態疑惑をかけられ、母親と娘に裏切られたのだから、ショックなんだろうけど、顔が真っ青だし、
眉毛なんてハの字に下がってしまっている。あれだ・・・うちの犬を予防接種に連れて行ったときの顔だ。
獣医に注射を見えられたときの表情!飼い主を振り返るあの憐れな様子にそっくりだった。
もっとも。絶対村田は、わかっていじめてるな。後ろから、忍び笑いが聞こえるもん。
「だが母上。母上とコンラートは、たしかに血のつながった親子ですが、グレタは、有利陛下の大切な娘。しかも
まだ嫁入り前です。(←当たり前だ)むやみに、肌を男の前にさらすのはいかがなものかと思われますが。」
「グウェンダル。」
思わぬ助けに、コンラートが縋るような目を兄にむける。ーー むっ!
「そうです。僕も、グレタの父親の一人として、兄とはいえコンラートと一緒に入浴など認めるわけにはいきません!」
「ヴォルフ!」
今度は、兄とまた呼ばれて、うれしそうに弟を見る。ーー むむむ!!まずい、コンラッドの中で、兄弟の株が上がって
夫の株が下がってきたか!?
「わかったわ、二人とも・・。」
さすがに、兄弟三人の説得に合うと、ツェリ様も納得したか?と胸をなでおろしたが。
「コンラートだけ一緒に入るなんて、贔屓はだめね。あたくしは、貴方達三人の母親ですものっ♪グウェン・
ヴォルフも一緒に入りましょう♥♥」
「わーーい、二人も一緒なの?じゃぁ、グレタ。背中流してあげるね!」
「「「えええええぇぇぇぇぇ!!!」」」
「いや・・それは!ヴォルフはともかく、私はそんな年では!」
「ああ、兄上!僕だって母親と風呂に入る年はとっくに越えています!!」
じりじりとせまる母親に、ずりずりと下がる三兄弟。
「しっぶや!コレはまずいね〜。このままだと、三兄弟一緒にお風呂タイム突入だね。あの、シスコンの気がある
二人にウェラー卿の柔肌(?)をみせたら、襲われちゃうんじゃない?と、いって、上王陛下がこのまま引き
下がるわけもないよね。グレタも、お母様とのお風呂タイムを楽しみにしているみたいだし?」
いかにも、大変だと心配そうな声色で親友に話しかけているが、内心では、
ー なんて、さっきのヨザックを,やり込めた手腕から察して、二人がかりならともかく、一人一人じゃウェラー卿に
返り討ちにあうだろうけどね〜ぇ。
などと、悪魔のようなことを考えていた村田猊下だった・・・やはり最初にのけ者にされたのを、根深く怒って
いるようです。
・・・たしかに、コンラッドの柔肌(?)をあの兄弟にさらすくらいなら、いっそ!そんな、親友の腹の中の黒さに気づ
かない有利は、まんまと彼の口車・・いや策略にのってしまった。
ー すまん!コンラッド!これも、アンタの貞操のためだ!
「待って下さい!いくら、グウェンとヴォルフといいえど、男がうちの娘と一緒に風呂を入るなど魔王権限で
却下します!」
「えーー、仕方ないわね、陛下がそういうなら、二人は諦めますが・・・コンラートは女性ですしいいでしょう?」
ね?陛下?あたくし娘と一緒に過ごすのが夢でしたの?この母の夢を奪わないで下さる?
「ユーリー、グレタ、お母様と一緒にお風呂入りたい。」
グレタが、うるうると父親を見上げる。もともと、グレタに母親をという趣旨で始まったイベント期間中だ。この際
致し方ないだろう。
有利は、ゴメンと、唇の動きだけでコンラートに向かって謝った。
途端に、コンラートは顔を引きつらしたが、兄弟三人で母親と入るよりはマシだろう。
「致し方ありません・・・それだけは許可しましょう・・。」
「有利!!」
「きゃぁ!流石だわ陛下!陛下ならわかってくださると思ってましたわ!」
さぁさぁ、いきましょうコンラート。途端に顔を輝かせて、いそいそと娘(?)を連れて行こうとする。
「ま!待って下さい!ほら・えーと!そう!俺の体には傷が無数にありますので、あまり女性に見せるような
ものでは・・・・・。」
あら?もしかして?
「コンラート恥ずかしいのね?」
「え??ええ!そうです。だからーー」
この際何でも良いから、逃げ出そうと適当に言ったことに、ツェリが反応をした。このまま逃げれるか?なおも
言い募ろうとしたが・・。
「大丈夫よコンラート!だって、貴女とても綺麗ですもの!」
は?
ほら!肌だって、瑞々しくって弾力もあるし、あら、やっぱり若いっていいわね〜?キメも細かいわ〜ぁ。Y
そういいながら、娘(?)の体をぺたぺた触る母・・・。女同士なので遠慮っていうものがない。
手だって細くてしなやかで綺麗よぉ!あらやだコンラート!あなたってば、爪の形が崩れているわよ!あとで、
整えてマネキュア塗ってあげるわね!
それにほら、あたくしほどではないけど、胸も適度に大きさもあるし、ほら、形もいいわよね〜?
そういうと、胸を両手でむにっと掴まれた!
「あ!母上!どこを触って!!??」
あら、やはり弾力は若い方がいいわね。そんまま、ムニムニと胸をもまれてしまった!
「あ・・っ・・ちょ・・・ははっうえ??・・・・あ、そこは・・・ふっ・・。」
真っ赤になって身をよじるコンラート。なのに、ツェリの方はまったく気にしない・・まぁ、女性同士なんてそんな
ものだ。それに、ほら、この細腰のくびれ!といって、今度は、がしっと腰を掴まれた。やっぱり、出るところは
でて、引っ込むところは引っ込まなくちゃね♪たしかに、この脇の大きな傷は目立つけどぉ〜、つつつつ〜〜と
脇の傷を指でなぞる、これはくすぐったい!
「ぁつ!・・・だめぇ!・・・・そこ・・・くすぐった・・ふぅ・・っぁ・・んんーー!」
くすぐったさをこらえているコンラートの唇から喘ぎとも言うような音色がもれる。
背骨を伝って今度は丸み帯びた双丘にのばすと、あら、さすが鍛えてあるだけあるわ。筋肉質で適度に
硬さもあって、きゅっと締まっていて、ほんと、殿方がほっとかないわよぉ〜Y。などといっている。
「あっ!今度は・・・どこさわって・・・・いやぁ・・ちょっ!・・・・・」
尻を撫で回され、ついでとばかりに揉まれ、さすがのコンラートも、涙目だ。
「ゆ・・うり、ぐうぇん・・ぼるふぅ・・」
たすけて!とばかりに、コンラートは三人の名前を呼ぶ。そこで、村田とヨザックを呼ばないのがミソだ。
彼らは絶対助けてくれないどころか、遊ばれて終わりだ。
「「「うっ!」」」
どっきゅーーーーーーーん!!!とばかりに、上気した頬に潤んだ瞳で見上げられた三人は、その天然の色気に
打ち抜かれてしまっていた!うっかり忘れていたが、この次男。男の時でも、天然系フェロモンを撒き散らしては、
かなわぬ恋に人々を陥れているツワモノだ。それが、女性になったら?さすがに、兄弟でもあがなえなかったらしい。
あえぐように名前を呼ばれて、まずは、三男が顔を真っ赤にして耐えきれないように廊下に向かってダッシュだ!
そのまま、自分の部屋に閉じこもるのだろう。
長男は、眉間にいっそうの皺を寄せ、何かに耐えるように壁に頭を打ち付けている。どんな、衝動が彼を襲った
のか?想像におまかせしよう。最後の頼みの有利だが・・・。
ピクリとも動かず、うつむいて立ちすくんでいるようだった。
「渋谷?しっぶや〜〜〜!」
耳元で村田に呼ばれると、ぱっと顔をあげ、ばっちりコンラートと目が合うと、途端に真っ赤になって!
「うわぁぁぁん、ごめんなさい!おれってば、まっとうに思春期なんだ〜〜〜!」
と、わけわからん事をさけんで、バルコニーから逃走してしまった。いや、きっと色々妄想してしまって、いたた
まれなくなったんだろうな〜。どうやら、噴水に向かったようで、どっぽーーーん!と勢い良く飛び込んだ音がした。
ギュンターがどうしたんです陛下ぁぁ!とか、叫んでいる声が聞こえる。うわーーん、ほっといてくれーー!とか
叫んでいるのは有利。きっと、水に入って、こもってしまった熱を鎮めようというのだろう。どこにとは、言えないけど。
同じくお年頃の大賢者は、親友の心を思い計って、珍しくも本当に心底同情した。
結局、誰にも助けてもらえずに、コンラートはぐったりしたところを、風呂場へと二人に連れ込まれていった。
風呂から戻ったコンラートは、部屋にこもってベットの上でひざを抱えてブツブツなにやら、唱えていた。
曰く、見捨てるなんてとか・・あのへたれめ!とか・・そんな人だとは思いませんでしたとかとかだ。
どれが、誰を意味しているのかは・・推して知るべし。まぁ、強く生きてクダサイ・・。
その日、魔王部屋からは、ひたすら妻に許しを請う魔王陛下の声が聞こえたそうな。その声は
夜遅くまでつづき、次の日魔王は風邪を引いたが、妻は娘にうつるといけないからと、グレタをつれて
自分の部屋に戻ってしまった。妻の怒りは取れるのか?以下次号に続く!!!
あー、有利陛下、奥様を怒らした模様です。妻は、娘を連れて実家ならぬ、
自室に帰ってしまったようですね。ところで、陛下は早くも妻の尻に敷かれてますね。
一般にその方が、家庭円満だといいますが、さて・・どうなるんでしょう?
2008 4.16UP