長編パラレル   今日から『ママ』のつく 11




今日から『ママ』のつく  11




「へ・・陛下!?」
ブリーゲル卿ハーラルトも、さすがに頭に昇った血が引いてくる。今の発言は、魔王陛下への大逆罪と取られても仕方
ない内容だ。大逆罪ならば、家は断絶・・・一族もろとも死刑は確実の大罪だ。
「あぁ、いいよ。そんな無理して、俺のことを陛下なんて呼ばなくても。その辺の小僧で十分だよ。」
言っている内容は、やけにフレンドリーだが、声が、表情が、何よりその身から放たれる魔力が、真逆を意味していた。
そう、有利は怒っていた。静かに、ふかぁぁく。
「余も、我が妻子を・・そして国のために忠義を尽くす忠臣を愚弄されて、黙って見ているつもりはないから。」
あれ?おや?と、幼馴染二人は、顔を見合わせた。口調は有利のモノだが、今、自分の事を『余』って仰いましたか?

ビシィィ!!!と、ユーリ様は、引きつるブリーゲル卿ハーラルトを指差すと、例の時代劇口調で語り始めた。

あぁ。やっぱり上様だ・・・。


「やいやいやい!見初めた娘を自分の物にしようと、相手の意思も踏みにじり、権力を使って手に入れようとする
悪行三昧。」
ヒューヒュー上様素敵〜と、黄色い声援というか合いの手を入れるのはヨザック。
はぁ、また、新しい小芝居が入りましたね〜。と、呑気に傍観するのは、コンラート。
おまえら・・上様降臨に、よく冷静でいられるな・・。げっそりしたのは、ヴォルフラム。

「しかぁ〜も!断られた腹いせに、か弱き乙女の服を切り裂き、脅して我が物にしようとは、見果てた性根!」
じゃじゃーーん!今度は効果音長の合いの手だ・・ヨザックノリノリ。
か弱き乙女って・・・コンラートのことか?5人の男を殴って・蹴って・吹っ飛ばして・縛って・吊り下げて・鞭でしばく!
とんだ『か弱気乙女』もいたもんだ。さすがの、姉上大好きっ子ヴォルフラムも、それには賛同しかねた。
と、いうか、ドレスに関しては、動きにくいから自分で裂いたんですが・・とは、もはや云えぬコンラート。

「なおかつ、自分の血統に固執し、誇るばかりで何もやらないばかりか、我が愛する娘と、我が国に貢献した忠臣を
人間だ、混血だからという下らぬ理由で、貶めるとは、もはや許さん!」
ババーーン!
ぐす、坊っちゃんすてきー!お父様かっこいいー!これは、いわずとしれた、ヨザックとグレタ。

「血を流すのは本意ではないが、やむをえぬ!お主を斬る! 成・敗! 」
しかし、斬ると言っても相変わらず上様の獲物は剣ではないところがミソだ。どっぱーーんと音がして、中庭の噴水
から何かが飛んできた。一匹は毎度おなじみの水龍だ。未だ燻ぶる木々の鎮火に飛び回る。それは、いいとして
もう一匹というか・・もう一人は・・・どこぞで見たようなナイスバディーな女性の形態・・・。

「そんなに、女子(おなご)がすきなら、思う存分可愛がってもらうがいい!余の最愛の妻に懸想した罪!
存分に味わうのだ!ゆけ、美熟女戦士!月に変わってお仕置きなさぁ〜い!」

やっぱり!それは、水で出来た美熟女戦士ツェツィーリエだった!同じく水で出来た鞭をしならせて、
ブリーゲル卿ハーラルトに、ぴしぃぃ!っと襲い掛かった。
「ぎゃぁぁぁl!!!」
ビシバシビシバシ!ビシビシビシ!ビビビビッ!コンラートなど目ではない鞭裁き!
さすが、美熟女戦士の形態を、取るだけはある!
どぉっと、言う音を立てて被害者(?)がたおれると、そこには鞭で地面に書かれた『正義』の文字が・・・・・・・・。


「「「・・・・・・・・・・・・。」」」


「いや〜〜!今回もすごいねー!渋谷ったら、いつの間に美熟女戦士なんて、形態を覚えたんだろうね〜。」
振り向くと、村田が来ていて、のんきにも、いや〜〜、面白い見世物が見れたよ〜なんて言ってたりする。
あんたのほうがいつの間にって感じだ。
「しかも、何で上様化してるんだろうね?やっぱり、そのいかにも襲われましたっていう、ウェラー卿の格好かな?中々、
そそる姿だよね〜、いや〜眼福眼福!でも、渋谷って結構、独占欲が強いよ。特に、キミに関してはね?気をつけたまえ。」
「猊下。」
「なんて、あっはっは。大変だね〜、ウェラー卿。これじゃ、キミに色目使っただけで、お仕置きされそうだよ。」
「なにぃぃ!!」
村田の言葉に、くうるりと、上様がこちらを向いた。
「よもや、まだ、余の妻に懸想する者がおるというのか?」
ひっ!上様のこめかみに青筋が・・。
「ばばば・・ばか!大賢者余計な事を言うんじゃない!」
「そうですよ、げいかぁ〜。・・・ヤツに懸想しているだけで成敗されちゃったら、この血盟城から兵士がいなくなりますよ!」
あ・・ばか!と、ヴォルフラムが、ヨザックの口を押さえた時には、もう遅かった。しっかり、上様のお耳に入ってしまわれた。

あーあ、ヨザックったら、余計な事を。ぼく、しーーらないっと!いち早く抜けた村田。
元凶なのに猊下ったらずるい!  グリエないちゃう!

「なに?余のお膝元であるこの城で、そんな破廉恥な輩がおるというのか!ええぇい!臭い元は元から断たなきゃダメダメ!
こうなったら、城ごと全員往生させてくれるーーーー!!!」


うわ〜〜い、目が半眼だよ・・・イっちゃってるね〜〜渋谷君ったら・・・ははは。
うわ〜〜ん、坊ちゃん怖いです。このままだと、血盟城が崩壊しますよ?


怒りに水流が、大きな一匹の砂熊に姿を変える。ただし、目は血走っていて、つめも鋭くかなり凶暴そう・・。
「うわー!砂熊だ〜、かわいいー!おとうさま、すごぉい!」
「うわー!よっりにってなんて形態をとるじゃり!こうなったら、止めれるのは、姉上だけじゃり!どうにかしてくれじゃりー!」
グレタには、概ね好評のようだが、ヴォルフラムには、かなり不評である。
「えーーと、どうにかしてくれといわれましても・・・。」
ちょっと、どうにもできないんですけど・・・。

暴走気味の上様は、砂熊・・いや水で出来ているから水熊?の肩に乗ると、城目指して突進していく。
どしーーんどしーーんと進むさまは、懐かしのロボットアニメ風だな〜〜、なん手言うのは、大賢者だ。そんな場合じゃない
だろう!と、他の三人は兎に角走って追う!グレタは、呑気な大賢者様に頼んだ。さすがに、これから城がその城主に
よって破壊されるかもしれない現場には、連れてはいけない。血盟城のほうからは、夜会の客が闇夜にうかぶ、

巨大水熊を指差して、拍手喝采だ!どうやら、催し物だと思われているらしい。
「うわー、ダメだ間にあわない!コンラート姉上、どうにかしてくださいーー!」
「そうだ、コンラットどうにかしてくれ!」
「えーーと・・。」

走りながら、そんな事言われても、コンラートだっていい知恵は浮かばない。そんな事しているうちに、水熊は大広間の
前まで来てしまった。中からは、きゃー陛下だわ!とか、すばらしい水熊ですなどと、賛辞が飛び交っている。
これが、惨事に代わるかもしれないというのに・・・案外呑気な血盟城の皆様方だ。
「ええぃ、余の妻に懸想した者は誰だ!素直に自首すれば、お上にも情けはあるぞ!」
上様は、大広間に向かって自首を呼びかける。だが、呼びかけられた方は、意味が判らぬ上に、いまだ催し物だと思って
いるので、上様が派手なアクションをするたびに、湧き上がるだけだ。ただ、上様ユーリに何度も遭遇した事のある陛下に
近い兵士やグウェンダルなどは、異常事態に気づいた。水熊の後を追いかけてくる、ヴォルフラムたちにも。
「なにやっているのだ、あいつらは!?」
グウエンダルは、走りこんできた三人に向かって、事情説明を求めたが、三人はそれどころではない!
「あ、こら、どこにいく!アレはナンダと聞いているんだ!ヴォルフラム・ヨザック・コンラート!!」
結局三人を追って、グウエンダルまで走り回ることに。

「コンラート事情を説明しろ」
「コンラッド!坊っちゃんを止めろ」
「姉上!どうにかしてくれじゃりーー!」
三人に詰寄られるが、言われた方も、困りものだ。とりあえず、ユーリの注意だけでも引いてみるか。
「ユーリ!水熊は大変お可愛らしいですけど、噴水の水がなくなっちゃったんで戻してくれませんか〜?」
一応、憩いの場なんで、元に戻して欲しいんですけどー?

・・・・コンラート、お前な・・・・そんなこと、今の上様に通じるわけがナイだろう・・・。

しかし、愛しい者の声というのは届くようである。上様は、水熊の足元にいる最愛の妻を見つけると、にっこりとわらった。
「おお!コンラッドか、見ておれ!今、ソナタに懸想するものをあぶり出し、余とそなたとグレタの円満な家庭生活を
守ってみせるからな!」
妻の声援(?)をうけ、ますます上様は、大ハッスルだ!
「え、いや、水熊をしまってほしいんですけど・・・。」
だが、上様は聞いちゃいない。
「ふふふ、みよ!余達夫婦は、『LoveLove』なのだ!ふっはははは−−−!」

らぶらぶって、なんだ?
陛下が上機嫌なんだから、なんでもいいじゃん
きゃー、へいかーー!今日もかわいいーー!

大広間も大ハッスル!

「こら、コンラート!小僧を調子にのらせてどうする!」
「えーー、そんな事言われても・・。」
そして、興にのった上様は、いざ出陣とばかりに、水熊を動かし始めた。
「さぁ、余の妻に懸想などしようとは!身の程知らずな者達よ!とっとと出てくるがいい!ええぃ!
何処のどいつだ!余がかったっぱしから成敗してくれる!」
さらに、時代劇がかった口調で宣言する上様に、思わずウェラー卿はこういった。

「ドイツんだーー、オランダ〜・・なんちゃって。」


ビシッ!!!

ひょおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ〜〜〜〜。



場が一気に固まった。ついでに、あまりのギャグの寒さに、水熊も空に一歩足を進めた状態で凍った。吹き荒れる寒風。
そして、不安定な形で固まったせいか?ピキピキピキっと、固まった水熊に亀裂が入り、ガラガラガッシャーンと崩壊した。
その音に我に返ったヴォルフラムは、コンラートのネックレスから、強力睡眠薬を仕込んだものを、取り出すと大広間めがけて
投げ込んだ!その際、グリエとコンラートとグウェンダルには、吸うなと短く注意を喚起することも忘れない。
ぷしゅーと霧状の薬がまかれると(これは、どどめ色だった)。バタバタと中の賓客たちは、倒れていく。どうせこの後、無礼講
になって酒で倒れる連中だ。ここで、薬で倒れてもいいだろうというヴォルフラムであった。そして、もちろんユーリ様にも眠って
いただいている。というより、コンラートのギャグですでに失神していたようだが・・。
皆が眠っているうちに、怒涛の夜会は終わり。そうして、血盟城崩壊の危機は去ったわけだが。

「え?だめですか?地名シリーズでも良くできた方だと思うんだけどな。もう一度チャレンジしてはだめ?」
「「「だめだ!」」」
ウェラー卿の駄洒落は寒い。それを改めて痛感した面々であった。今回の出来事は、城の事情通の皆さん
(主に、事後の処理を任されたウェラー隊の面々)の中では、ウェラー卿最凶伝説として、後々も語り継がれていくことになる。

ちなみに、例のコンラートを襲おうとしたゲルリッツ卿ヴィルフリート達は、すべてギーゼラにまわされ、彼女の献身的な治療に
感激の涙を流しているという。その感激の言葉が、『ひぃぃ〜〜』とか『お許しを〜〜』とか、『もう二度と悪さは致しません。』
とかいうものであってもだ。ええ、きっと感激に感極まったのでしょう。と、彼女に言われてしまえば、ハイ、ソウデスネとしか言え
ないのであった。ブリーゲル卿ハーラルトは、隠居となり、家督は息子のループレヒトに継がれた。
本来なら、ブリーゲルの家は断絶というところだが、ループレヒトが身を呈してグレタとコンラートを助けたという事もあり、
二人がとりなし、ブリーゲル卿ハーラルトを領地で隠居(事実上の蟄居)とすることで、解決をみた。後日、当主となった
ブリーゲル卿ループレヒトが、就任の挨拶とお礼とお詫びに来た際、男に戻ったコンラートに惚れてしまい。再びかなわぬ恋
に落ちるのは、また別の話だ。彼の審美眼は正しいが、人を見る目が無いようだとは、某お庭番のコメントだ。何はともあれ、
なんとも、哀れな御人のようだ。 



それで、魔王陛下はというと・・・・?


「うーーんうーーーん」
熱が上がって、再びベットの住人となっていた。ただ違うのは、今回の看病はグリエちゃんではなく。
「ほら、ユーリ。お薬の時間ですよ。はい、おきてー。」
「うーーん、むりーーくるしーーー。」
「あんな薄着で、水なんて被るからですよ。自業自得です。」
いや、アンタのギャグに凍らされたのが悪化の原因です!有利心の中だけで突っ込み!だって、せっかく、コンラッドが色々
お世話してくれるんだもん。やっぱり、看病はコンラッドにしてもらえるのが一番だよね。あの騒動で、カツラがこげたので、
今は地毛の薄茶の髪を長いまま垂らしている。ずーと、ウェーブがかかった髪形を見てきたので、さらさらストレートコンラッドって、
またいいな〜なんて、思ったりして。どっちかというと、俺はこのコンラッドのほうが好みだ。
「こんらっど〜起こして〜。」
ユーリが、両手を伸ばすと、仕方ないですねといって、コンラートは抱き起こしてくれた。うーーん、いいにおい。その際、
ちょっと胸が当っちゃったりして、うれしい得点つきです。

「はい、ユーリ、薬を飲んでください。」
そういって、熱さましを渡してくれた。どろどろの緑色の液体だ。
「うぇー、これ苦いんだよね。」
「ユーリ、良薬は口に苦しだよ。」
俺は、えいっ!とばかりに、青汁もどきを一気に煽った。まずーーい、もういっ・・パイ水ください。あぶないあぶない。
「はい、ユーリえらいえらい。」
そういって水をくれたので、口をすすぐようにもういっぱい飲む。
「うぇーまだ苦い気がする。」
「もう一杯、水を飲みますか?」
「うー、いい。お水でお腹がたぷたぷになっちゃいそう〜。なんか甘いの頂戴。」
「甘いのですか?うーーん、ちょっとまっていて下さい。厨房で何かもらってきますから。」
「え?無いならいいよ。」

俺は慌てて、前言撤回をする。今は少しでもコンラッドと居たいんだ。明後日には、グレタはガヴァルケードにもどってしまう。
そうすれば、この『ままごと』遊びも終わる。コンラッドは、また俺の専属護衛で名付け親で野球仲間に戻ってしまうんだ。
「ユーリ、口が苦くなければいいんですよね?」
「あぁ、うん?」

ふむ、というと、コンラッドは、何故だかベットの上に乗り上げてきて、ぱふん!と俺を枕に押し付けて、何で馬乗り?
???と、ひたすら、ハテナマークを飛ばす俺の上に、コンラッドの体が覆いかぶさってきて・・・ッて!えーーーぇぇ!
コンラッドさん、胸が当ってます。俺の上に弾力があって温かなお山が二つのっています!うわーーちょっとまったーー!

「まったはナシだよ。ユーリ」

にっこりと笑うと、コンラッドは俺の口を舌がぺろりって・・・なめたーー?うわーーって、声を上げようとしたところを、唇で
ふさがれてしまい。つまり、俺ってばコンラッドにキスされてるんだよな?ななななんでーー?そうこう、パニックを起こして
いるうちに、彼の悪戯な舌は、歯列を割って奥に侵入してきた。くすぐるように上顎をなめ、ユーリの舌を見つけ出すと、
絡めとりなめまわした。念入りに口内を舐め取ると、コンラートはゆっくりとユーリの口を開放した。

ぷはっ!ぜいぜい!はぁはぁ!・・・息も絶え絶えな様子に、コンラートは悪戯っぽく笑うと、どう?もう苦くないでしょう?
なんて聞いてくる。たしかに、苦くないけど、いきなりのディープキスは、初心者の俺にはまだ早いです!
はぅ〜コンラッドってば、やっぱり今、女性じゃんだよな。未だ俺の上に乗っかっている体は、普段の彼と違って弾力に富んで
いる。特に、胸の上に乗っかっている二つのお山がちょっとつぶれるように押し付けられた感触が、感動ものだ。

・・・やばい、何か意識したらまずい状況じゃないか?えーーと、そろそろ退いてくれないかな〜?
「くす、どうしようかな〜?」
何か退く気ないみたい。しかも、なにやらすごく楽しそうなのは何で?

再び、コンラッドは俺の唇をふさいでくる。何度もついばむように、感触を楽しむみたいに、ちゅっと、音を立てて軽いキスを
仕掛けてきた。うう、気持ちいいよ〜。そのプニプニで濡れた唇に、気持ちよすぎてどうにかなりそうデス。俺は縋りつくものが
ほしくって、コンラッドの肩に手を置くと、気づいた彼が、自分の首に回すように導いてくれた。いつもより、細い首に手を回すと、
コンラッドが小さく笑ったのがわかった。

「コン・・ラッ・・ドぉ・・ふ」
なんか、俺の声じゃないみたい。なんて、声を出してるんだろう。カァァーーと真っ赤になると、コンラッドは
ますます満足そうに笑うと、かわいいっていって、また深いキスをくれた。
ようやく、コンラッドが唇を開放してくれると、はぁ〜とか甘い吐息も出ちゃうし、体力は抜けちゃうし、どうしたんだ?
俺が俺じゃないみたいだ。上にのったままのコンラッドといえば、何かパジャマを脱がし始めているし。あれ・・もしかして、
俺襲われている?首に吸い付くコンラッドに、ようやく事態を飲み込めた俺は慌てた!

「まてまてまて!こんらっどぉ!?アンタなにしてんだよ!?」
「うーん、折角ユーリも、その気みたいだし、食べちゃおうかな?とか思って。」

そっと、息子さんに触れてこられて、俺は焦った。だって、既に、キスやら何やらで、反応しちゃっているんですよ
・・その、俺の息子さんは!
「ね、いいですよね?ちなみに、当然まったはナシです。」
今度は、鎖骨に吸い付かれて強く吸われ、ぺろりとなめられた。ってか!アンタ俺の意見聞く気なしだろ!
「だって、猊下がまごまごしていると、陛下に食べられちゃうっていうし、俺は食べる方がいいな〜とか?」


む・・むらたーーー!てめーーなに、コンラッドにいいやがったーーーー!



はい、無駄口はここまで。そう奴が言ったとおり、俺はそれから一切無駄口どころか、何も言えませんでした。
思いっきり叫ばされて、熱は下がったけど、喉が痛い。やつは夜の帝王ですよ〜気をつけてくださいね〜。
なんて、グリエちゃんが言っていたけど、アレは本当でしたぁぁ!!!もう、二度と奴の看病は受けないからな!
翌日には、汗をかいたせいで治りましたね〜なんて、言いやがって、おかげで、顔が焼けるように熱い。
第一、どういう顔しろっていうんだ!ぶつぶつぶつ!


こんらっどなんてこんらっどなんて!!コンラッドなんて!!!


「はい?何ユーリ?」
ちゅっと、朝の挨拶に、キスを落とす彼・・・見た目は美女で中身は野獣だ!

「コンラッドなんて・・・・だいすきだーーーぁぁ!
「はい、よく出来ました

勢い込んで告白すると、嬉しそうなコンラッドの顔。うわーー、キレイ!と、思わず見惚れた俺って馬鹿。
ご褒美にちゅっとか再びキスされて、俺はやっぱりこの人が大好きだとか思ってしまう。
あぁ、俺もう、末期かも・・・。がっくし。






5月17UP
どいつんだーおらんだーのオチに持っていくのに時間がかかったな。このくだらなさが好きさ。
いやー、ウェラー卿が黒皮の手帳を持っていて地名シリーズの親父ギャグを色々書き留めているそうで、
だったら、これもあるだろう!と、作ってみました。こんなオチでいいのか!?
でもって、陛下は何処まで食べられたんでしょう?それは、皆さんの妄想・・想像にお任せします。