長編パラレル   今日から『ママ』のつく 幕間
11のおまけ


村田健は、珍しいものを見た。あの!ウェラー卿大好きの渋谷有利が、本日は朝から彼というか、彼女が近づくたびに
逃げ回っているのだ。それを、愉快そうに見るウェラー卿・・いったいキミ、渋谷に何をしだんだい?


と、いうわけで、何をしたのか話してもらおうか!


ちょうど、グレタがアニシナの実験のお手伝いをするといって、コンラートの身柄が空いたのを見計らい、僕の部屋までグリエ
ちゃんに拉致ってもらった。でも、一応女性なんで(見た目は)、招待した以上、お茶くらいは出すよ。といっても、だすのは、
メイドのグリエちゃんだけどね。

「何って、・・・ちょっと味見?」

にっこり笑って、爆弾宣言をかます美女・・・・うわ〜〜ここにケダモノがいるよ〜〜!
「えぇ!隊長、ついに坊っちゃんを食っちゃったんですか!?」
これには、ヨザックもびっくり。そこで、男の渋谷が、女性のウェラー卿を食べたと思わないのが、このお庭番に聡いところだ。
「味見だよ。あ・じ・み。中々甘かったよ。」
またしても、さらり、と野獣が、のたまった。これが本当の美女と野獣・・なんて。


しまった、昨日突き過ぎてシマッタ様だ。ごめん渋谷〜でも、相手は美女だしキミの想い人だからいいよねっ!


今は、朝の授業中だろう親友をおもって、心の中で合掌。成仏してね。
(-- うわ〜〜!むらたーー!俺をころすな!)
おや? 今、心の友の声が聞こえたような?


「味見というと、まだ食ってないんですか?最後までしなかったってことですか?隊長が?あの、夜の帝王が!?」
へぇ〜、やっぱり、ウェラー卿ってかなり遊んでいるんだ。相当浮名を流したんだろうね〜。
「変なことを言うはヨザック。猊下が本気になさるだろう。」
にっこり笑うが、今度は目が冷たい・・・ヨザックは、お口にチャックした。さすがヨザック、賢明だよ。

「で、最後までしなかったの?途中で泣かれた?」
ぎゃー!猊下ったら、獅子になんていうこと、きくんですかぁぁ!(←お口にチャック中なので、心の中で叫ぶ)
「そういえば、最後は泣いてましたね。笑いすぎて。」
って、隊長も答えるのかよ! ・・・あれ?
「「・・・はい??・・」」

えーーと、本当にナニしたの?ウェラー卿?

「ユーリは感度がよくって、全身に色々キスしたら、凄く声を上げられて。その声がまた可愛いんです。」
ほうほう、ちょっと、身を乗り出す僕とヨザック。
「やめてと懇願するので、ちょっといじわるしたくなりまして。」
懇願する渋谷を・・ドキドキ!
「追い詰めて、足の裏を攻めたんですよ。」
足の裏?またマニアックな!
「そうしたら、酷いんですよ〜。ユーリったら俺をけったんです。」
バイオレンスな!それでそれで?
「だから、机に合った羽ペンで、今度はおへそを攻めました。」
羽ペン?
「ちょっと、やりすぎたかな〜と反省してるんですよ。そのせいで、声もかれちゃったし。」
うんうん?
「でも、くすぐったさに身をよじるユーリが可愛らしくって、ついついくすぐる手に力が・・・。おかげで、今日は警戒されっぱ
なしです。やっぱり、キスで終わりにしておけばよかったですね。あんなにくすぐったがりだとは思わなくて・・。つい・・。」
といって、わしゃわしゃと両手を動かすウェラー卿。うわ!見ただけで、くすぐったい!おもわず、僕は両手で脇を隠して
しまった。へ〜、猊下はそこが弱いんですか?と、うれしそうにウェラー卿が・・わわわ・・くるなー!


そこまでだ、コンラッド!


ふっふっふ、不気味な笑い声とともに、正義の味方(?)参上!
「よくも、昨日は嫌がる俺を、さんざん!くすぐり倒してくれたなっ!いざ!積年の恨み今晴らさん!」

いっけ!魔道くすぐり、こにゃんこたん!
そういって、有利陛下が取り出した物は、バスケット一杯に入った・・まどう??と疑いたくなるような可愛い猫。
真っ白でふっわふわ〜!の子猫たん(BYグウェンダル)たちが一斉にコンラートに襲い掛かった!
「うわっ!?」

めぇめぇ〜!めぇめぇ〜。ぺろぺろぺろ。ペロペロ。

「うわ?え??ちょと・・ゃ・・ぁ・・くすぐったい・・・あははは」
飛び掛った子猫たん達は、コンラートの顔やら、手やらを舐めている。えーと、何がしたいんですか?陛下?
「うわ〜〜、ユーリ、この子達、もふもふして柔らかい、うわ、肉球がプニプニして気持ちイイですよ。」
「・・・ねぇ、渋谷、キミほんと〜〜に、何がしたいんだい?」
「えぇ!だって、俺の家で犬達に顔舐められるとくすぐったいからさ〜、アニシアさんに言って調達てもらったんだ。
なぜか、子猫なんだけど。」
つまり、くすぐって笑わせ苦しめたかったわけね・・・笑っているけど・・くすぐったがっているけど・・・楽しそうだよ?
「結局、失敗作か・・。」
がっくり、肩を落す渋谷。
そもそも、こねこたんは、作品なのかい?もしかしなくても、フォンヴォルテール卿のところから調達したんじゃないかい?
消沈した渋谷を、やはりこの人が慰める・・でも、キミが元凶なんだよ?ウェラー卿。
「でも、ユーリ、きっとグレタが喜ぶよ。今日は、皆で一緒に寝ましょうね。」
白い子猫にチュッとキスをして、頬ずりする。ウェラー卿って、やはりフォンヴォルテール卿と兄弟なんだね?可愛い物好きめ。
とたんに、渋谷の機嫌が悪くなった。キミ、猫にまで嫉妬しなくても・・もともと渋谷が連れてきたんだよぉ〜?
僕とヨザックのしらけた視線を受けて、ますます、渋谷のご機嫌が下がった。仕方ないだろう、本当のことだから。
「あれ?ユーリどうしました?・・あぁ、心配しなくてもいいですよ。」
にっこり笑うと、コンラートは有利の耳元に囁く。


俺が愛しているのは、ユーりだけだよ。


瞬間湯沸かし器みたいに、真っ赤になった有利。もじもじする姿はとても、男子高校生とは思えない。可愛いんだけどね〜。
このピンクの空気をかもし出すのはやめてよ〜〜。僕とヨザックは甘い空気に、砂を吐きそうになった。
つまり、キミらくっついたわけね・・あぁ、そう?お幸せそうでナニヨリですねー。でもさ〜、親友のために、
色々後押ししてやった僕に、一言報告くらい合ってもいいんじゃない?って、何見つめ合ってるの?
ひくっと、村田猊下は、頬を引きつらす。
「渋谷・・ウェラー卿・・キミタチにぴったりの言葉って知っている?」
ぶんぶんと、二人そろって首を横に振る。あぁ、そんなところまで息がピッタリだね!


「この【バッカップル】が〜〜〜〜!」


「うわ、村田?何怒っているの!?うわやめろ、子猫たんを投げるな〜ぁぁ!!」
ぎゃーー!といいつつ、有利が逃げ出す、それを追いかける村田。めずらしい組み合わせの鬼ごっこだ。

それを見送る幼馴染ーズ。
「ヨザ・・猊下の護衛に行かなくていいのか?」
「大丈夫、猊下は、アンタ等と違って体力ないし、10分もしないで帰ってくるさ。だから、俺はお茶の用意。」
そういって、メイドのグリエちゃんは、新しい茶葉を用意した。
「ところでさ〜、隊長。何で坊っちゃんと最後までしなかったんだ?本当はするつもりだったんだろ?」
ひょうひょうと、核心に触れる友に、内心舌打ちする。やはり、こいつは騙されてくれないか。
「〜〜〜この身体は偽りのものだ・・俺であって俺じゃない。」
苦い口調で、それだけ言うと、心得たというばかりに、シニカルな笑みを口元に飾る。
「本当の自分を愛してほしいって?あんた、女の体にまでヤキモチ焼かなくてもいいじゃない〜。自分にさえ妬くなんて
隊長ったら〜、かーわーいーいー。( *´艸`)ムププ 」
「うるさい!」
だから、イヤだったんだ・・・と、ブツブツ言う様は、今の姿と相まって、本当に可愛い。あぁ、猊下に見せてやりたかった
きっと、色々弄って下さるのに〜。(←何気に酷い)
結局、本当に10分すると猊下がお戻りになったので、コンラートは、残りの子猫たんをバスケットに詰めて、きっと喜ぶだろう
愛娘のところへ戻った。どうも、グレタの事になると、ママスイッチが入るようだ。先程までの、夜の帝王か!という
男臭さはなくなり、元来の穏やかな気性と笑顔でいそいそと出ていく様は、立派な母親の顔だった。


白い子猫タン達は、グレタ姫にも好評で魔王ベットにその日は、有利・グレタ・コンラートの川の字に寝ているいつもの親子に加え、
可愛い白い毛玉が、枕やコンラートの腕の中や背中・足元などにすやすやと寝転がった。とても安らかな夜、明日は、グレタが
カヴァルケードにもどる。このおままごとも最終日を迎えようとしていた。






はて?何がしたいかといわれると・・・頭を使わないのが書きたかった?かな?
11の裏話・・・はい、うちの陛下と次男だとこんなもんです。なんとなく通じ合っていて、
なんとなく、ボケている?決定的に何か!ではなく、またっりと積み重ねで気持ちを育む感じ?``r(・(エ)・;) ポリポリ