今日からママのつくもしも、シリーズ? |
もしも、地球にコンママが来ちゃったら? その3 次は、スポーツ店で、ブラ・・ブラジャーを買うついでに、コンラッドと野球道具(←こっちが本命)を見て回りたいな〜。 なんて、淡い夢は、美子によって破られた。 スポーツブラ?でも、最近のブラジャーは、肩紐の落ちにくいXやY型の紐の、綺麗なブラが一杯有るのよ? 胸はね、形も大事なのよ?だから、きちんとした物を買いましょうね? そういって、男には入りづらい魅惑の園・・下着専門店へと連れて行かれた。お袋に続き、何故か平然と入っていく 村田・・お前ね・・。しかし、俺とコンラッドは、その入り口で固まった。 「ユ・・ユーリ・・ここに本当に入らなくては駄目ですか?」 「今、俺も思ったとこだ・・俺・・その辺のスポーツ店にでも入って待ってちゃ駄目かな?」 「ずるいですよ、だったら俺もそっちに付いて行きます!」 「アンタ・・誰の下着を買うと思っているんだよ・・。」 あぁ、満面の笑顔で、店の中からお袋が手招きしている・・。やっぱ逃げれそうもナイな。それに、見れば結構男も いるし、俺はコンラッドと覚悟を決めて、一歩禁断の園へと入っていった。 コンラッドが店に入った途端に、中にいた野郎ー共が一斉に振り返る。いや、男だけではない、女の子も結構振り 返ってみている 。だろうな、何せ元王子・現役軍人である彼は、姿勢がピシッとしていて、なおかつ所作が優雅だ。 このあたり、所詮は野球小僧の俺とは違う。しかも、今は女性。日本人が持たない色彩に、珍しい銀の星を散り ばめた美しい瞳。どこそこから、モデルかしら?とか、綺麗とか、美人とか、声かけようかな?何ていう声が聞こえる。 最後の声にだけ、キッ!と、睨みを利かせておく。こいつは俺の!俺の妻なの!! 有利は、コンラートと手を繋ぐと、ガルルルルと、牙をむいて威嚇する犬のように、周りを見ると、店員さんに少し 大きな声で、声をかけた。 「すみません、俺達こういう店初めてなもので、『俺の妻』の下着を選びたいですが?」 すると、はいと言って、店員さんがにこやかに応対してくれる。サイズは測りましょうか?ときかれ、お願いしますと、 こたえる。そして、試着室でサイズを測っている間、腕を組んで誰も近寄らせないぞ!と、陣取った。 「きゃぁ、ゆーちゃんてば、男らしい〜。俺の妻ですって。まるで、ナイトみたい。」 「どっちかというと、ご主人様を守る、番犬っぽいですが・・。」 サイズを測ってもらうと、何故かぐったりしているコンラッド・・。計る時にまた胸とか触られたんだろう・・でも、店員 さんは仕事なんで堪えてくれ! 「あの、できればスポーツブラみたいに、締め付けの弱いもので、肩紐が落ちにくいものが良いんです。」 「ノンワイヤーで、色々ございますよ。スポーツブラがお好みなら各種取りそろえてありますよ。」 そういって、そのコーナーに連れて行ってくれた。 「あら、おしゃれね。じゃぁ、コンちゃんのリラックス用に、これも!買いましょうね?」 お袋・・いつの間に、でもって、もって何?も?? 「でも、折角コンちゃん、綺麗なんだもの。もっとレースとか?おリボンとか、フリフリで買いましょうよ!」 「えぇ!そうですわよね!折角、お綺麗なんですもの。あちらにインポートの綺麗なレース素材のものが。」 なぜか、店員さんまでノリノリで、お袋とコンラッドを綺麗なお花畑のような一角に連れて行ってしまった。 「とりあえず、渋谷。僕達でコンちゃんのスポーツブラ選んでおこうよ・・。向うに行く勇気が有ればのりこん でも良いけど。」 さすがに、スケスケのヒラヒラのフリフリの場所には行きづらい・・。俺は、村田の言うとおり、せめてシンプル なのを選んでやるかと、らくちんそうなブラを選び始めた。(結構、下着現場になれた模様) なんか、ユーリと猊下に見放されたような気がする・・。輸入下着の一角に連れてこられたコンラッドは、はるか 向うで、自分の下着を選んでくれているらしい二人を眺めた。 先程から、本人そっちのけで、コンラートに何を着せるかで盛り上がる、美子と店員さん・・しかも、店員の数 が増えてきている、既に三人・・。他の店員さんも、隙有れば寄って来そうだ。 「こちらのレースなんていかがです?繊細で気品もあり、お嫁さんにピッタリだと思いますわ。」 「本当に、スタイルもよろしくて。いっそ、旦那様の為に、ちょっと大胆な下着なんていかがです?」 大胆な下着・・・見たとたんに、くらりとした・・。ユーリ!早く助けて下さい。 「あ〜〜なんか、呼ばれている・・向うから、コンラッドの視線が痛い・・」 「渋谷・・奥さんが縋るような目で見ているよ・・行かなくて良いのかい?」 ちらりと、そちらを振り返れば、うるうるとした目で助けを求める妻の顔・・・なんか、捨て犬を思い出すな。 「・・・いってくる」 「がんばれー!」 村田・・お前、来ないわけね。俺は意を決して、盛り上がる女性陣の元に、コンラッドを助ける為に行った。 「ユーリ!」 俺が近寄ると、嬉しそうにコンラッドが迎えてくれる。それを、あら、やっぱり新婚さんは違うわね?なんて、店員 さんたちに誤解されているけど、まぁいい!ここは俺が踏ん張らねば!なんたって俺は『夫』なんだしな!! 「お袋、全部却下だ!コン・・コンスタンツェで、遊ぶのは止めてくれ。店員さん、妻は仕事で白いシャツを 着るので、えーと、それじゃぁ、透けちゃうんで、・・。」 段々語尾が小さくなる、すっごーーく、残念そうに俺のほうを見ないでください! 「できれば、Tシャツブラとか、透けないので、お願いできますか?それと、肩紐がずれないタイプで?」 いつの間にか村田が横に来て、それで良いよね?って、いってコンラッドにまた感謝の目で見られていた。 だ〜か〜ら〜、何でお前は良いところを取っていく! 「あぁ、でも、おしゃれなのも少しは有った方が良いよ?逆に見せブラとか、服から見えても良いほうが、透け たとか考えなくて良い分、服選びも楽だしさ!ね・美子さん?そう言ったものも、少し選んでくれます?」 そうよね?ケンちゃん、そう言ったものも必要よね?といって、美子と店員はいそいそと選び始めた。 「まぁ、一個くらいは買わせてあげなよ。それより、早くこっちもシンプルなの選んじゃいな!じゃないと、また 彼女らがきちゃうよ?」 それは大変と、急いで俺たちは、店員さんを一人捕まえて、シンプルでノンワイヤーで肩紐がずれにくい 物を選んで、先程選んだスポーツブラと共にレジに持っていった、お袋達はまだ選びたかったようだが、 レジで待っているので、仕方ナシに数点持ってきた。 「あ、これなんて、コン・・スタンツェに、似合いそう。」 俺はその中で、一番上品そうな、白地に銀の刺繍がしてあるものを選んだ。 「さすが、ゆーちゃね!これが一番お高いのよ。」 あははは、だってあとは、やけにフリフリしていて、とてもじゃないけど、コンラッドには着せれないよ〜。 前回それで怒ったコンラッドに、逆に俺がそれ系のを着せられたんだ!悪夢再びという可能性もある! 今回はビシッとお断りしたから、流石にこれを俺が着せられることもないだろう〜。ふ〜疲れた。 結局、下着だけでかなりの値段になった。まぁ、それは、お袋のシュミに付き合ったんだから、親父のカードで 払ったからいいけどね。 「あとは、靴とバックとお帽子とか髪飾りとかも欲しいわね〜。」 その台詞に、流石のコンラッドも、顔色を悪くした。これ以上つき合わされたら、コンラッドが壊れてしまう! 「お・・お袋、待っ・・」 「グレタちゃんのも買いたいし〜。」 「グレタの!?ジェニファー!さっそく行きましょう!」 「そうよね、きっと『お母さんと一緒』の『珍しい』髪飾りなんてあったら、女の子ですもの〜、絶対喜ぶわよ?」 グレタの一言で、コンラッドがにわかにやる気を見せる。その時、俺は見てしまった。小さくガッツポーズをするお袋を・・。 「いや、さすがは、ママさんだね〜、ルッテンべルクの獅子も、見事に飼いならしちゃって〜。」 「あははは〜。」 どうやら、この短時間で、コンラッドの動かし方をマスターしたらしい。見事、眞魔国の英雄とも言われる 男を手玉に取る美子。さすがは、ハマのジェニファーの二つ名は伊達ではない!改めて、自分の母親の 恐ろしさを痛感した息子だった。 「コンちゃんには、やっぱり白と銀よね?グレタちゃんもその色なら似合うわよね?」 「えぇ、グレタなら何でも似合いますよ〜。」 おお〜い、コンラッドさ〜ん、早くママモードから戻ってこーい!あんた、お袋に遊ばれているのに気付け〜。 「いや、渋谷・・今ここで素面に戻るほうが危ない・・このまま、ママモード全開で彼にはおもちゃになってもらおう。」 「えぇ!そんな!おい、コンっ・・!!」 おもちゃにされてたまるか!と、俺がコンラッドに声をかけようとしたら・・ら・・ら・? 目が・・目が合いましたのコトヨ?お袋の、笑顔なのに笑っていない目とぉぉぉ!!?? あら?ゆーちゃん、こんなにコンラッドさんが喜んでくれているのに、邪魔をする気かしら? ママかなしーわ。ママは、コンラッドさんとグレタちゃんに、女の子らしい着飾る喜びを知って欲しいだけなのに・・。 それに、ちょーと、役得がってもいいはずよ。えぇ、ちょっとくらいはね?そう思うでしょう?ゆーちゃん?ねぇ? はい!その通りでございます。お母様ぁぁ! わかれば、よろしい、うふふふ、それにお母様だなんて〜、ママでしょ?ゆーちゃん? いきなり涙目になった親友に、村田は憐れな物を見るような視線を送った。先ほどから、親子でなにやら目で 会話していたようだが・・軍配は、母親に上がったらしい。 結局、愛娘に釣られたコンラッドを、目いっぱい着飾らせて、長年の夢で有る『娘とお買い物♪」楽しんだ美子は、 上機嫌で家に帰ってきた。さすがに、ママモードが抜けたコンラートと有利はぐったりとして、村田はそんな二人を 面白そうにみやりながら、大荷物を抱えて帰って来れば? 「なんで、弟のお友達まで帰ってくるんだ〜!」 「あら、健ちゃんは、色々と手伝ってくれたんだから、食事に招待したのよ〜。すぐ作るわね〜。」 「は〜い、楽しみに待っていますぅ〜。」 かわい子ぶりっ子で村田が答えるのに、心底嫌そうな顔をする勝利。だが、気を取り直して弟とその嫁に 向き合った。コホンと、軽く咳払いをして・・。 「ゆーちゃんと、その嫁(完全に認めてしまっている)。これを受け取るんだ〜!」 「「は?」」 でーんとばかりに、勝利が寄こした紙袋。嫌な予感がしつつも開けてみると・・・・オイコラ! 「何で!勝利が、コンラッドの下着を買ってくるんだぁぁ!」 「流石に、ブラのサイズまではわからなかったから、三角ブラとショーツセットだ。」 えっへんと、何故か胸を張る勝利。たしかに、形は普通だ・・胸元にフリルが多くて、いわゆる姫系? ではあるが、ショーツもヒップハングだし・・お袋の選んでいたあれこれよりマトモだが・・。 だから、弟の妻の下着に拘るんじゃねぇぇぇ!!! 「まぁ、まぁ、折角勝利が買ってくれたものですから、頂いておきましょう」 使うとは言わないのがミソだ・・さすがは、コンラッド。 「あぁ、こっちもやろう、うちに嫁にきたら、やはり渋谷家の味を覚えて、向うでゆーちゃんに食べさせてやってくれ。」 「アニキ・・(じーん)何て思うと思ったか!?その手にはのるもんかぁ!」 「ちっ!」 「やっぱ何か、企んでいやがるな?そんなの受けとらねーぞ!!」 ぎゃんぎゃん兄弟喧嘩を始めた二人に、村田が仲裁に入る。ちなみに、リビングには、家長である勝馬もいたが、 内容についていけずに、早々にテレビの野球中継に逃げてしまっていた。 「まぁまぁ、渋谷、折角お兄さんが買ってくれたんだし、見るだけ見れば?」 それでも、受け取りたがらない有利に、コンラッドがそれを受け取ってあけた。(出来た嫁だ。) ぴら〜〜〜ん♥ 出てきたのは、エプロン・・だ・け・ど!?やけにフリフリ。後ろのリボンは大きめだし・・これはまさか? 「お姫様系・メイドエプロン・・しかも、これ一点物ですね!」 キラリと、村田のメガネが光った!あぁ、しまった、こいつもソレ系には弱いんだったぁ! 「さすがだな、弟のお友達。既存のエプロンでは、出しえないこのアンティークレースを使った上品さ、その辺の なんちゃってってメイドなんて、目じゃない!これこそ、究極の姫系メイドエプロンだ!」 「さすがです、渋谷のお兄さん、この肩紐のレース・・英国王室後用達じゃないですか!」 「おぉ、わかるか!?・・胸元と裾のラインはフランスのアンティークのリボンだ。」 「えぇ、これはいいものですね、よかったね!ウェラー卿。元王子の君には、これくらい品のあるエプロンじゃなきゃね!」 品が有ろうがなかろうが・・それって、メイドエプロンだろっ! 「こうなると、ミニのメイド服も欲しいですね・・でも、ウェラー卿だとロングですよね。」 「だな、それも少し重厚感のあるのがいいだろう。色も紺か黒だな。」 で、その話題のコンラートはというと、さっさと台所でおふくろの手伝いをしている。しかも、俺と親父にご飯ができるまで つまんでいてくださいね?といって、お茶とパンの耳で作ったスティックにチーズディップをちゃちゃっと作って持ってきた。 「ゆーちゃん、出来た嫁もらったな・・、つーか、あいつ王子様なのに、何でこんなこと出来るんだ?」 「それより、俺、あいつに嫁修行要らないと思う。だって、お袋より多分上手いもん。」 「いや・・本当に出来た嫁だな・・なんか、とーさん、男でもいいかもって気になるよ・・。」 「あははは。」 こうして、完全に嫁として認知されたコンラッド、果たして、これでいいのだろうか? 6月22日UP ちゃくちゃくと、渋谷家の嫁として認知されちゃってます。しかも、美子ママに操られ方をマスターされちゃいましたぁ! ガンバレ、コンラッド。でも、本当は、お宅の息子さんがお嫁さんになるに違いない。あぁ、でもきっと、良い所に お嫁にいけてゆーちゃんは幸せね?って、ママに言われて終わるんだろう。うんうん、良い婿さん捕まえたねゆーちゃん。 |