今日からママのつくもしも、シリーズ?



もしも、地球にコンママが来ちゃったら? 1



愛娘グレタは、再びカヴァルケードへと旅立っていった。それを俺達は船見えなくなるまで見送った。
これで、今回のおままごとは終わりだ。コンラッドも数日で薬が切れて、元の姿に、俺の名付け親に戻るだろう。
「さぁ、ユーリ、城に帰りましょうか?」
「あぁ、そうだな・・。」
俺は一度、もう見えない娘を乗せた船のほうを振り返り、一歩前にふみだしたぁぁ???
ずぶり・・と、なにやら体がはまった感触。此の足元には・だ・・だれだー?こんな所にジュースをこぼした奴は?って、
それどころじゃない!この感触は、まさか〜の?スターツァー??
「うわぁぁ!」
「渋谷?」
「ユーリ?」


そんな〜、今帰ったら次会う時はコンラッドの薬が切れちゃうじゃん!これは俺の意思じゃないし、となると?
「眞王かぁぁぁ!?」
思わず、家の風呂に帰り着いた途端、大声を上げてしまった。驚いたらしい母親の声が聞こえる。
「くそー、どういうつもりだ?眞王の野郎!」
「まぁまぁ、ユーリ落ち着いて。」
「だって、コンラッド!これが落ち着いて・・・って・・ぉゃ?」
振り向くと、長い髪から水を滴らせた・・美女。
「美女が、びじょびしょ?」
「流石ユーリですね、今のメモしておきますねっ!」
「うわぁぁ!何でコンラッドまでが、ここにぃ!?」
「渋谷・・キミ・・それは咄嗟に君がつかんだからだよ?」
村田に呆れられて、よく見れば、本当だ・・俺ってば、しっかりコンラッドの腕を持っていた。


「ゆーちゃん、どうしたの?」
パタパタと軽いスリッパの音と共に、現れたのは、渋谷美子・・有利の母だ。入ってきたと同時に固まったお袋に、
俺は説明しようと、口を開きかけたのだが、その前に母親の奇(喜?)声に遮られてしまった。
「きゃあん!ゆーちゃんが、お風呂場に美女を連れ込んでるわ〜!」
「「なに〜〜!!」」
ドタバタと、お袋の声につられて、親父と勝利までがきてしまった。あぁ、頭いて・・。
「ゆーちゃんが・・うちのゆーちゃんが、美女を風呂場に・・。」
勝利は呆然とし、父勝馬は、真剣な顔で有利を見ると、
「ゆーちゃん、お友達と一緒に一人の女性にナニしようとしているのかな?そういうことは、サシでしなさい!」
「うわーー!親父誤解だって!つーか、村田と二人でコンラッドをどうこうする気はないから!」
「ゆーちゃん、傷物にしたからは、男として責任を持つのだ・・・ん?コンラッドだって??」


そこでようやく、三人は美女の顔をよく見た。薄茶のストレートの髪に隠れてはいるが、その目は茶色で
独特の銀色の虹彩が輝いていた。
「おい・・お前・・コンラッドか?」
「突然おじゃまして悪いね勝馬。そう、俺だよ。それと、ジャニファーお元気そうで何より、相変わらずお美しいですね。」
にっこり。
「あぁ、此の歯浮くような台詞・・やっぱりこんらっど・・てぇぇぇ!こんらっどぉぉ?お前なんで胸あるんだ??」
思わず、指をさしてしまうのは、豊かに膨らんだ二つの胸。ぴくっ!と、美子の眉尻が上がり、ぼか!っと、その手がはたかれた。
「うまちゃぁぁん?」
「うわっ!嫁さん、違う見てません!服が透けてるとか思っていませんから・・あっ!」
「馬ちゃん!」
ばきぃぃ!と、いう音とともに、勝馬と勝利(とばっちり)は廊下にたたき出された。有利と村田は、先に服を脱いで
バスタオルにくるまると、着替えを持たされてから追い出された。美子は、コンラートが服を脱いで体を拭いている
間に、自分の服をみつくろい、着替えさせたのだった。


こうして、三人とも着替えて、改めてリビングに集合すると、村田が今回の騒動について説明した。
「まって、ケンちゃん!コンラッドさんは、ゆーちゃんの娘のお母さんになったのよね?という事は、ゆーちゃんの奥さん?
・・ってことは、ウマちゃん!コンラッドさんは、我が家のお嫁さんになるのね!?」
「え?それはどうかな?ちがうんじゃないかな?嫁さん?」
「そうだ、ゆーちゃんの嫁と言えば、気立ての良いお嬢さんで、料理もうまく、でもっていつも笑顔で・・・あれ?」
弟の嫁と聞いて、勝利が何やら語り始めた。なんで、自分の嫁ではなく、弟の嫁にそんなに夢を持っているんだ?

ふと、気付いてはいけない何かに気付いてしまった勝利・・。有利の横に、座る嫁候補(ちがう!)を見てみる。
気立て・・確かに穏やかな性格で、いいとも言える。しかも・・少し癖の入った薄茶色の長い髪・銀色の星の入った
美しい瞳、ふっくらとした唇は紅く・・白磁の肌はつややかだ。そしてなにより、文句なしの美人。勝利好みの、可愛い
美少女ではないが、大人の美女であることは確か。料理も、前菜からデザートまでをこなし、いつでも笑顔を
忘れない・・・もしかして、全項目パーフェクトクリア?

「うわー!うそだ、全項目パーフェクトクリアの嫁候補が、コンラッドだなんて!?」
がーんがーん!と。一人衝撃を受ける勝利。ほっとこう・・。
「ほら、しょーちゃんのお墨付きももらえたし、ね?ウマちゃん?コンラッドさんは、今日からうちの嫁です!!」
「ちょっと、ジェニファー!まって、嫁って!俺は男・・!」
「あらん、そんなこと〜、些細な問題よ、要は二人が愛し合っているかですもの。」
愛し合っては・・多分いるだろう・・と、思わず納得しかけてしまったコンラッド。意外に押しに弱い?


「はっ!だから。・・えーと!勝馬・勝利・有利・猊下!!」
何とか言って下さい〜。


しかし、勝馬は、首を重々しく横に振り。
「すまないコンラッド。地球にいる間、ここにおいてやるから、宿代代わりに嫁さんに付き合ってやってくれ・・
うちに美子をとめれる人間は一人もいないんだぁ!!」
と、はっきりと宣言されてしまった。それって、威張れることなのか?勝馬?

で、勝利はと言えば、まだショックから立ち直れていなかった・・・論外だ。

ならばユーリ!とみれば、慌てるコンラッドって可愛いな〜。ほんわ〜。
・・・なんか、うっとりとこちらを見ている。話を聞いていた様子はない。

最後の砦の猊下は?・・・あ、渋谷家の問題だからね、そっちで解決してよ〜。僕はノータッチだよ!
と、すげなくお断りされてしまった。がっくり・・。



こうして、ママ業についたはずが、なぜだか、地球でヨメ業に励むことになってしまったコンラッドだった。
はたして、コンラッドの運命はいかに??




拍手にこんなネタもあったから、載せてみただけのサンプル作品ですが、続きが読みたいと言う意見を色々
いただきました。有難うございます。くれぐれも、本編とは関係有りません!
自分のパラレル作品の、またパラレルになります。あははは。(><;)