長編パラレル今日ママより 魅惑の・・・。 |
今日から『ママ』のつく 魅惑の・・・。 こんらーと〜へいかぁ〜と、甘ったるい声で呼ぶのは、コンラートの母で前魔王のツェツィリーエだ。 「げ!」(←なにやら、正直) 「げっ・・て、あんた、自分の母親だろ・・。」 いきなり、物陰に隠れたかと思うと、しっ!と声を潜めるように言われる。 「いいから逃げましょう。母上がああいう甘い声を出しているときは無理難題が襲いかかる予兆です!」 「うわ〜〜、息子の言うことなんで、説得力あるぅ〜^^;」 などと、言っているうちに、無理難題を巻き起こす母親は、二人を見つけてしまった。 「あら?こんなところに隠れて何していらしたの?」 まさか、貴女から隠れてましたとは言えない・・・・ははっ・・・。 「こんな人気のないところで、・・・・はっ!あらやだぁ!あたくしったら、お邪魔しちゃったかしらぁ?うふふ、 若いお二人ですることといえば、アレやコレやですものねー?うふふ」 うふふって、アレとコレの中身を押しえてクダサイ。いったい何を考えたんですか〜? がっくりとなる俺たち二人をおいて、ツェリ様は、一人も盛り上がっている。あ〜〜、コンラッドの言うこと 聞いて逃げときゃよかった。 「でも、こんなところでしちゃだめよ、ちゃんと寝室まで戻らなきゃ。きゃっ!」 きゃって・・・・しません、こんなところで、そんなことしませんからぁぁぁ!(←どんなコトだ?) 「じゃぁ、寝室へ行きましょうか?ちょうど、貴方達に渡したいものがあるし〜♪」 そういうと、さっさと先頭に立って歩き出す、仕方無しに俺とコンラッドは後に続いたのだった。 で・・・ここ・ここここの色とりどりの布は一体なんでしょう!?? 魔王部屋に着いたとたん、ツェリさまが取り出したのは、布布布!というか、布切れ??? 魔王ベット一面に、嬉々として広げられたそれらは、強いて言えば服かもしれないが・・どちらかというと布! それも、やたらスケスケというか、透けてたり、レースがふんだんだったりスルンデスガ・・コレはナニ? 「あたくしが、厳選してとりよせた『らんじぇりー』ですわ。うんもう!コンラートったら、寝巻きはいつもの黄色い 『ぱじゃま?』とかいう、男の時と同じものを着ているそうじゃない。楽しい夜の演出には、もっと情熱的な 物を着なくちゃ駄目よ〜。」 そのほうが、陛下だってうれしいでしょう〜? ええ、まぁ、はい。パジャマはパジャマで、女性化したコンラートが着ると、ちょっとだぶついてイイん だけどね〜。ランジェリーって、響きはもっといいな〜なんて、つい本音が。・・・あ・・・。 じとーーーーーーーーーー。 うわっ!ごめん!コンラッド。着るのはアンタだもんな!いくら、体が女性化しても男としてコレは 着れないよな! 恨みがましい視線に、思わず現実に戻ってきた俺。あはははは、と笑ってごまかして みるも・・・・・・・妻の視線が痛い。スミマセン。 「どう?これなんか?」 そういって、ツェリ様が、一つをとって見せた。 「「紐??」」 俺たちは、同時につぶやくと顔を見合わせた。紐にしか見えないが、これがショーツ??ってことは、パンツ?? え、食い込んじゃうだろうコレじゃ?見れば、コンラッドも声を失っている。たしかに、コレはヤバイだろう。 「エ〜〜ツェリさま、いくらなんでも、それはちょと・・。布が少ないつーか、ぶっちゃけ紐といいますか・・。」 「そぉ?布が多い方がいいのねじゃ、これは?ショーツとキャミソールのセットなのよ可愛いでしょう。」 次に出したのは、確かに布は多かった。これなら、胸からお尻まで隠れるだろう・・・ただし、透けてなきゃね。 「え〜〜と、できれば、透けてない方が・・。」 コンラッドは、既に倒れそうな雰囲気だ。・・・たしかに、母親に、紐だのスケスケだの着ろといわれたら俺も泣く! 「あら?見えそうで見えない方がお好みなの?あら、陛下ったら、通なのね。」 通ときたよ・・・あはははは、もう、笑うしかないデス。 「じゃぁ、こちらなんて、いかが?」 今度は、黒のボクサーパンツのショーツにセットのブラ・・まともそうと思ったら・ショーツのバックには、また しても紐!おしり半分見えちゃうじゃん!しかも、ブラの方もよく見れば、真ん中に割れ目が・・・こんなの 着たら、乳首見えちゃうじゃんか!なんなんだ〜〜〜〜! こうなったら、自分で選ぶ!え〜と、透けてなくて、布が多くて、あ・・このショーツまともそうと思ったら・・ またしても割れ目が!うん?これはいいのか?着物用のパンツと一緒?? 「あら、やだ、陛下ったら・・・そのままスルのがお好みなのね!」 そのままって・・まさか・・・コレは脱がないで・・・その・・いたしちゃうためのものですか???えぇぇぇえl! じっとぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜! うわ!誤解!!誤解だってコンラッドさん!こんなの履かそうと思ってないよ!だから、そんな汚らわしいもの 見る目で俺を見ないでーーーー! そうだ!兎に角まともなのを見つけなきゃ!まともなの、まともなのーって、何か皆、難ありなんですが! 俺はもう、泣きたくなって、下着の海を探して、どうにかまともなそうなをを見つけた。 キャミソールは、ふわふわのオーガンジーでちょっと透けるけど、全体に深い青地に鮮やかな花柄があって、 見えにくいしセットのショーツも、ただの紐パンだし、前が胸の下から開いていても、フリルとたっぷりな布で 見えないから大丈夫だろう。そのセットだけ頂いて、もう、他はお引取り願った。あれだけあって、使えそう なのが一つって・・・はぁ・・・俺は疲れたよ。 じーーーーーーーーーー。 な・・ナニ?コレだけがんばったのに、まだ何かご不満が? 「ユーリ・・・ソレを俺に着てほしいの?」 「うっ、これでも、まともなの選んだんだぞ。」 コンラッドなんて近寄りもしなかったくせに、俺一人でツェリさまの相手して、助けてくれないし。 ひょいっと、俺の手の中に合った下着をもつと、軽く自分に合わせる。 「ね?・・・・きてほしいの?」 うっ! ベットの上で、ドレスの上からランジェリーを合わせてお伺いを立てる妻・・・・イイ!うわーい、ドつぼです! 真ん中ストレートで俺の心臓を打ち抜いちゃいますよ! おもわず、色々妄想しちゃった俺を・・・冷たい視線が・・・・・。あれ・・コンラッドさん? 「やっぱり、着て欲しいんですね?・・・ユーリは、コレが好みなんだ?」 がっくりと、うなだれるコンラッドに、あの中じゃまともな方だぞ!選ぶの大変だったんだから恨みがましく反論する。 「ユーリ・・・・貴方の選択肢には、もらわないというのが無かったんですね。」 は!そういえば!最初は貰わないつもりだったんじゃないか!?ついうっかり、ランジェリーの魔法に 踊らされてその選択肢をわすれていたよ。おそるべし!魅惑のランジェリーの罠! あぁ、なんで?何でそんなに突き刺さるような目で俺を見るの!ついじゃん、うっかりじゃん! アンタだって、俺のこと陛下ってよぶじゃん、訂正するとついうっかりで、済ますくせに! 「俺のは癖です。これとは、レベルが違います。それとも、陛下は・・コレが貴方の癖だとでも?」 そういって、一つ残ったランジェリーをぶらぶらと・・・ブラジャーがぶらぶら〜・・・はっ!今俺に何が!? 「陛下・・・しばらく、俺とグレタは自室に戻らせていただきます。」 「陛下言うな!てか、え〜〜また〜〜〜!」 「あ、それと、コレは没収。」 すげなく言うと、コンラッドは例の下着セットを没収されてしまった。あ、ちょっと、おしいなー。 というのが、顔に出てしまったらしい。 「そんなに、これがいいの?」 なんだか情けない顔で、言われてしまった。 うっ!そんな顔しないでくれよ。しょうがないだろ、俺ってばまっとうに思春期迎えている十代の 野郎なんですから。そんな、魅惑の物体があったら、つい・・ってこともあるさ。でも・・・・。 「うーん、やっぱ、アンタはいつものパジャマのほうがいい。だって、アレお揃いだもんな!」 そうそう、なんたってあのパジャマは、俺とコンラッドで色違いのおそろいなんだもん。いわゆる、 ペアルックなんだよね。・・・いっとくが、夜会で、3兄弟と愛娘がお揃いのペアルックを着て いたことなんて、全然気にしてないからな。俺だって、コンラッドとのお揃い色々持ってるもん! 「ユーリ。」 「だからさ、帰らないでよ。一緒にいて・・。」 おずおずと、コンラッドの服の端を持って、おねだりしてみる。だって、一緒に寝れるのなんて、 このおままごとのうちだけなんだ。後、数日もないのに、また自室に戻られたら、もったいないもん。 「仕方ないですね、今回は母のしたことですし、大目に見てあげますよ。」 そういうと、コンラッドは、綺麗に笑ってくれた。 「第一、そんなに可愛くおねだりされちゃ、聞かないわけにもいかないしね。」 え?それじゃ、もしかして可愛くおねだりしたら、コレ着てくれたのか?しまった!何て、もったいない! 「ユーリ、だからってソレは着ませんよ。」 ドキッ☆ 「あははは、当たり前じゃないか!俺だって着せようなんて思ってないよ!」 「本当に?」 やべ、ばれてるかも? 「本当本当!ただ、一度も使わないのは、ちょっとツェリ様にわるいかな〜っておもっただけさ!」 ふむ・・・と、コンラッドは考え込む。確かに、使わないのもなんだなとか言っている・・・って事は? もしかして?? 期待に胸膨らます俺に、にーーこりと、それはそれは綺麗に笑うコンラッド。 あれ?なんか、この笑い方は怖いぞ。 「ユーリが気に入っているみたいだし、折角だから着ましょうか?」 「えぇぇ!!本当にいいの?」 とおもったら、なんと気前のよい返事が!やった〜。 「じゃぁ、ユーリ。服脱いで?」 え??もしかして、服ぬぐって、まさか・・とうとう、いたしちゃうわけ??うわっ!そんな、心の準備が! 情熱の夜がぁぁ!、魅惑ランジェリーばんざい!うわーい、魔王になって本当によかったぁ! 「脱がないなら脱がすよ。」 そういうと、コンラッドは手早く俺の服を取り始めた。え?そんな、手馴れていますよコンラッドさん! って、そういえば、水を使ってこっちに来るから、服がぬれて脱ぎにくい時に、何度か剥かれた事が あったな。そのあと、お風呂にどっぽーーーーんって、放っぽられた記憶が・・・。コンラッドの俺の 扱いって、ちょっとひどくないか?なんて、思っている間に、ギャーー紐パンまで取らないで〜〜〜! 「だって、脱がないと、穿けないよ?」 え?はくってなにを? 「もちろん」 そういって、コンラッドが取り出したのは、例の魅惑のランジェリー・・・・・・の紐パン・・・・・。あれ? まままままさかーーーーー!おれなの?俺が穿くの?その魅惑の下着をか? 「はい、紐を縛るから、暴れないでねー。じゃ、次はこのキャミソール着てね?」 うわーー!そんなパンツ穿かすな!つーか、ずぽって、頭からキャミソールが・・コンラッドやっぱ、元が 男だから力強い・・て、感心している場合じゃなかった。うわーーん、乳首が透けてる! こんなの、野郎が着るもんじゃないだろう! 「あ、とても似合っているよ。ユーリ。」 目の前には、なにやらご満足気なコンラッドが・・・。うう、恥ずかしい。俺は、前をかき合わせて真っ赤 になって、うつむいた。 「似合うわけないじゃないか・・。」 「そうですか?有利の黒い髪と象牙の肌に、この色はよく映える。とてもきれいだよ。ユーリ。」 耳元で、熱い息で言われて、俺の身体がびくっとなる。その反応に気を良くしたようで、コンラッドは、 くすくすわらうと、耳を はぐっと、甘噛みした。つづいて、ぺろり となめる。 「あ!ココココンラッド??」 耳を押さえて、真っ赤になって縮こまる俺を、可愛いユーリなんていって、コンラッドが追い詰める。 何で俺が襲われてるのーーー? 今のコンラッドは、女性なのに男にしかみえない、完璧に獅子に戻っている。もしかして、 このまま俺はこの人に食われちゃうんでしょうかーー?俺が夫なのにーー? 「ユーリ」 そんな、声で名前を呼ばないでくれ、こんなランジェリーよりアンタの声のほうが何倍も魅惑的で、 腰が砕けて動けないよ。ゆっくりと、コンラッドの顔が近づいてくる。俺は、ぎゅっと目をつぶると、 すぐ近くでくすりと笑う気配が、甘い吐息が口にかかって・・・ うわー!俺様、絶体絶命のピーーーーンチ! ばたーーん!お父様〜、御本読んで〜〜! と、そこへ、救世主登場!ぐ・・ぐれたぁ〜〜!たすかった。 ちなみに、コンラッドは、にこやかに、どんな跳躍力使ったんだ!ってなくらい、素早く部屋の反対側に立っていた。 「・・・・・おとうさま?」 ん?どうしたんだい? 「なんで、そんなひらひらのネグリジェ着てるの?」 はっ!!! そうだ、俺ってば、コンラッドに魅惑のランジェリー着せられてたんだ!兎に角隠さなきゃ! シーツを身体に巻いて、急いで隠すが、バッチリ見られた後では、どうしようもない。 ええーーと、これには、ふかーーい事情ってやつがありまして!!!うわー、何とかしてよコンラッド。 「グレタ、有利は貴族の一般的な寝巻きを試していたんだよ。」 にっこりと、コンラッドがフォローを入れる。そうだった、この国の貴族の一般的な寝巻きは、ネグリジェ! ヴォルフもギュンターもたしか、ネグリジェだ。グウェンダルは、知らないけれど。 「へー、そうなの?」 俺は、もう、首がもげるんじゃないかな?ってなぐらい、ブンブンブン!と首を上下に振った。 「じゃぁ、今度は、お父様とおそろいのネグリジェ作ろうね!」 な・・なにーーーー! にっこりと、うれしそうに、グレタが言うのを、そうだね、それがいいよとコンラッドまでが・・・。 これから、俺までも、貴族ご用達の寝巻き=ネグリジェ(キャミソールとかでないだけまし?)を 着るハメになるなんて・・・。 あぅ、こんな下着!二度と貰うもんかーーーー!絶対捨ててやる! しかし、コンラッドによって没収されたその下着を、それから何度か着せられるハメになってしまった。 どうして着せられたかは聞かないでくれ! どうやら、魅惑のランジェリーの罠に、俺はどっぷり捕まってしまったようだ。あぅ。o(T△To) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5月1日拍手に掲載。 コメントなどございましたら、一言おねがいします。 管理人が狂喜乱舞します。♪v(〃'(ェ)'〃)v♪ |