仔猫物語 堕ちて来いヴァージョン


仔猫の物語番外編・堕ちて来いバージョン でお贈りします。

 * なお、堕ちて来いとはBLOG小説に掲載されていたユコン小説です。裏があったので別館作品です。





パラダイスだ!!♥♥

渋谷有利原宿不利陛下は、その光景を見て最初に思ったことがそれだった。

まぁ、それはそうだろう。愛しの愛しの・・(以下略)・・愛しの妻(男)が悪魔の仕業で
いや、有利にとっては、神様の所業かも知れないが・・・。

10歳くらいの大きさになって!
(うわ〜、コンってば小さいときは女の子みたいだったんだな!)

頭からは茶色の三角耳が出て。
(ピコピコ動いている!うわ〜〜かわええぇ!!)

ミニスカワンピを着て!真っ白なエプロンをつけて!
(これは村田のチョイスだな!?ナイスだ!親友よ!!)

スカートの後ろから、茶色の鞭のような尻尾が見えた。
(・・・・・あれ、ぎゅっとか握っちゃったら怒るだろうな・・。)←オイ!

「ウェラー卿の猫種は、アビシニアンかな〜?ちなみに、一緒に猫化されてしまった
フォンヴォルテール卿は、ロシアンブルー、フォンクライスト卿はペルシャだな?
二人は完全に猫になったんだけど、ウェラー卿だけが、半分だけ効いたみたいで
このような・・素晴しい姿に!」

「うんうん、確かに、これは素晴しいよ!!・・まて?ペルシャに・ロシアンブルー??」

ってことは・・だ?さっきから、俺の足元にいるのが薄紫の長毛の猫がギュンターで、
コンラッドの『膝の上』に、いるのが・・・。

ぎん!!と魔王様の瞳が光った。びくっとなるグレーの猫・・・。

「グウェン?なんで俺の奥さん膝の上で寝てるのかな〜〜ぁぁ??」
がしっ!!っと、首根っこを掴むとぽいっと捨てた。

「あぁ、兄上!」
今回運よく、有利と共に難を逃れたヴォルフラムが、兄と思われる猫を抱き上げた。

「兄上、迂闊ですよ。まぁ、兄上の気持ちもわかります。コンラート兄上があんなに小さい時
には可愛かったなんて・・。だからといって、嫉妬は怖いんですから、気をつけてくださいね。」
「・・・・・・・・・・・・・めぇ・・。」
自分は、抱かせて欲しいという弟の頼みを聞いただけなのに、何で陛下と末弟にこんなことを
言われないといけないのだろう?どうも、腑に落ちないグウェンダル猫だった。

「あぁっ酷いめぇ!せっかく毛並みが気持ち良かったのにめぇ〜。」


めぇ?


「ユーリ?どうかしましためぇ?」
「・・・・めぇ??」
「あ、すいませんめぇ。どうしても、語尾にめぇが、ついちゃうんですめぇ〜。」
「あぁ、日本だとニャンが付くみたいなもんか・・・・・。」


って、めぇ・・めぇ・・・なんて・・可愛いんだ

ビバ!萌え!ビバ!!ぱらだいす!!!!


「ウェラー卿、渋谷に向かって、ご主人様って言ってみて。」

村田が、面白がって、コンラートに余計な事を教える。しかし、コンラートは彼が何を
させたいのか?意図がつかめず小首を傾げると、有利に向うと、ちょっと恥ずかし
そうにう俯きかげんで、えっと・・と、もじもじすると意を決して・・

「ご主人様めぇ?」

と、言ってみた。ちらりと上目遣いでこれでいいのだろうかと、有利を伺う。
しかし、有利は目を見開いて固まったままだった。そして、計らずとも余波を受けた
後ろの二人も・・・。


「ユーリ、猊下、ヴォルフ?どうしためぇ?」

「「「うっ!」」」


「村田、お前何をさせるんだ!」
「ごめん、渋谷・・・・まさかこんなに凄い破壊力だったとはね・・。」
「可愛すぎます!ちっちゃい兄上ぇ〜。」

何故か前かがみになって、コソコソ話す三人に、コンラートが不満そうに見る。

「もう、なにしてるめぇ!三人でコソコソして、だめだめぇ!」

プン!

と、怒って。コンラートが下から三人を見上げてくる。ピンと逆立った耳と尻尾がまた愛らしい!

「もうだめだ、俺はちょっとイッてきます!」

一番最初に音をあげたのは、やはりこの人!魔王陛下だった。
「へ?うわ、ユーリなにするめぇ!?」
「コンラッド!パラダイスにイこうな!!!。」
「何言って!?」
有無を言わさず、メイド姿のちび猫コンラートをお姫様抱っこすると、野球で鍛えた足で、
ダッシュをかけた。向かうは、当然、魔王部屋だぁぁ!

昼間からなんだが、どうせ摂政も王佐も猫なんだから執務なんてできはしない。
だったら、二人で部屋に籠もっても大丈夫だろう!いや、大丈夫に決まっている!
つーか、大丈夫でなくとも、邪魔したら成敗するし!!

・・・・・・・・・・・・色々な意味でヤル気満々の陛下であった。


ドサッとベットに落とすと、スカートからチラリと白い内股が見えた。
まだ、筋肉も付いてない柔らかな身体・・に・・なぜか、ガーターベルト・・ふふ、親友よ!
相変わらずのグッジョブだぁあ〜!!!


「ま・・まさか、小さい俺にそんな事しないめぇ?」
さすがに、場所が場所だけに、コンラートも自分が危機的状況にいることに気付いた。

「あまいぞ、コンラッド。おれがこの千歳一隅のチャンスを逃すと思ったかぁぁっ!」
「えばらないでくださいめぇ!!あぁ、ダメですめぇ!」

「ふっふっふ。よいではないか、よいではないか!」
「ユユユユーリ、上様が出てますめぇ!」
「ふっふっふ、初々しい奴じゃ・・。」
「お許し下さいめぇ〜、上様めぇ」


ドタバタ!ガシャーン!



あ〜〜れ〜〜!おたすけを〜〜〜!





「そういえば、この前、地球に来た時、ウェラー卿もテレビで水戸黄門とか見ていたな。」
少し遅れて、様子を伺いに来た二人は、中からの声に魔王夫妻がナニをしているのかを察して
二人同時に深いため息を吐いてみた。

「みと・・とは、何だ?男か?」
「いや〜それはあっているけど・・どういえば・・。あ、なんか中で本格的になってきた
みたいだね・・。当てられるのなんだし、移動しないかい?」
「コンラート兄上は大丈夫であろうか・・?」
さッきの、有利の様子から、いつもと違って小さい兄が気になるようだ。

「あ〜〜れ〜とかいえるんだから、彼もノッテいるし大丈夫だろ・・。」
「のる・・。」
ボッ!!

「はい!だめだよ、ビーレフェルト卿!そんな想像したら、また反応するよ!」
「あぁ、しかし・・あの、小首を傾げた上目遣い・・ユーリ以上の凄い破壊力だった・・。」
ぐったりしたヴォルフラムの背をポンポンと叩く村田。その手に気遣いを感じて
ヴォルフラムが顔を上げる。

「大賢者、部屋にいい酒があるんだが、付き合わないか?」
「いいね、自棄酒。もちろん、つきあうよ〜♪」
扉の向うから、なにやらドッタンバッタンと音が聞こえ始めたが、有利が盛り上がっているのだろう。
激しそうなので、コンラートが明日無事に出てくることを祈りつつ、二人は廊下を歩いていった。



「もう飲めないよ、コンラッド。うわ、突っ込まないで!うぐっ!!」
「だめ、ちゃんと全部飲んで下さいめぇ、ほら、しっかり咥えてめっぇ?」

ピチャピチャ。

水音だけが響く中、コンラートは有利の口から溢れた液体を、指で掬うと舐めた。
チロリ・・と赤い舌が見えて、有利はめまいを感じる・・。
口に付きこまれた硬いモノが、チュポンと音を立てて、有利の口から抜かれる。
口の中に勢い良く中にあったモノをぶちまけられ、飲み込めなかった分は、綺麗に
舐め取らされた。
「ふっ・・ぅ・・ん、いいめぇ、全部舐めとってめぇ〜。」
コンラートは、気持ち良さそうに啼くと、再び有利の口元に、再び硬いそれを含まそうと
もって来た。

「うう・・コンラッド、もう・・おれ限界だよ・・。」


「・・・・・・・・・・・・・・・。」
「コンラッド?」









俺の・・・




「俺の酒が飲めないのかめぇぇ!!!!」

「うわ〜〜だから、酒瓶突っ込まないで・・ごめんなさ〜〜い!!」



しかし、廊下の予想とは逆に、攻められていたのは・・なんと有利だった。

そう、廊下の二人が誤解したあの助けを呼ぶ声は、コンラートではなく有利のもの
だったのだ!!

小さくなったコンラートは、身の危険を感じると、素早くベットから飛び降りたのだが、
すかさず有利い足をつかまれ、バランスを崩してお茶の用意のしてあったワゴンに
ぶつかった。運悪く・・いや、コンラートにしてみれば運よくだ、紅茶に香り付けをする
お酒を頭から被ってしまったのだ。

大人の時なら、ザルと言われたコンラートだが、流石に10歳前後まで体が戻った
今では免疫はなく、口に流れ込んだ酒で、あっという間に酔っ払ってしまった。



そして、酔っ払って目が据わったコンラートは、やはり小さくても獅子であり・・。



「こら、ゆーりめぇ・・俺が嫌だって言っているのに・・ヒック・・何、ころもに悪戯しようと
しているめぇ〜〜。」
「ころも??ぁぁ、子供ね・・コンラートさん、呂律が回っていない・・といいますか
なんか・・目が座っておられますよ〜〜あははは。」
「あ〜〜ん?おれはぁ〜おこっているんれすめ〜ぇ」

そういうと、棚から取り出したお酒をあけると、有利の口に突っ込むという荒業まで
してきた。滅多に酔うことがないから知らなかったが・・・彼は絡み酒だったらしい。


誤解により、助けは来る可能性が皆無の今、有利は明日、自分がベットに撃沈
されることを覚悟したのであった。


「さあ、どんろん!のめぇぇ〜〜〜」
「いやぁぁ!!!」




今日は陛下激しいな・・。昼間からなんて、陛下もお若いからなんて、守衛の兵隊さん
からも誤解され・・・彼が救出されたのは、次の日、毒と酒が抜けたコンラート自身に
よってだった。




酒は飲んでも飲まれるな!小さくなっても獅子は獅子!


魔王后最強伝説は今日も続く。




8月6日UP
こちらは、仔猫物語にコメントを下さった方のネタ提供のもとで作られました。
ユコンでコンラッドが猫化です。えっと〜。こんな物でよろしいでしょうか?
好きに書いていいといわれて、ドタバタでお贈りしました。楽しんでいただけたら嬉しいです。^^