コンユ・ヨザケン  ジャム 後日談


ある日の昼下がり、魔王陛下のお部屋には、ぐったりとした双黒の少年二人がいた。

「あの、絶倫野郎…。こっちが、謁見で疲れているって言うのに、散々したい放題
しやがって・・・。」
「キミなんか、ベットだからまだましだよ。僕なんてソファーでだよ?おかげで膝が痛いよ。」


「「・・・・・・・・・・・」」


「ちなみに何回ヤラレタ?俺・・5回」
「・・同数だよ・・・アノ幼馴染、そんな所まで似てるんだね〜。」

ふっと外を見ると、今話題の幼馴染であり、二人の恋人である人物達が、何やら
楽しそうに話していた。何気に、ヨザックの腕がコンラートの肩に係り、ぐいっと
引き寄せると、耳元で何やら囁いている。
それにコンラートが嬉しそうに笑い、今度はヨザックの耳元に唇をよせ、囁き返していた。
ヨザックは、ニカッと笑って、手を振り離れていった。


「「・・・・・・・・・・」」


それを室内から見ていた二人は、少々複雑だ。前々から思っていたが、アノ二人は
仲が良い。幼馴染だからと言うのも有るし、戦友でも有るというのも、あるだろう。
だけど、本当にそれだけなのだろうか?

「コンラッドってさ〜、ヨザックといる時って、割とくだけているっていうか、話し方とか
全然違うんだよな。」
コンラートは、有利の前では、敬語が多いのだが、ヨザック相手だと、結構口が悪いのだ。
ズケズケと物を言うし、息も良く合うと言うか、ラフな印象を受ける。

「ヨザックなんて、未だに僕の事を猊下だよ。ウェラー卿なんて、隊長とか、コンラッドとか
呼んでるのに。」
そう、あの時でさえ、彼は猊下と尊称で呼ぶのだ。
それがどんなに寂しい事か、有利には甚くわかった。有利も普段は、陛下としか
呼んでもらえない、それは、自分達の立場からすれば当たり前なんだろうけど、恋人と
しては、どうよ?それに比べて・・・。


「あいつら、お前とか呼び合っているな・・。」
「ホント、仲良すぎてむかつくね。」
「しかも、あいつら、俺たちには一人で、出歩くなって言うくせに、二人して夜飲み歩いて
いるらしいじゃんか!」
「そうそう、僕も聞いたよ。二人して綺麗なおねえちゃんに、逆ナンされたって!」
「っちっくしょーうらやまし!」
「そうだー!僕らだって、女の子とイチャイチャしたいよ〜!」



段々腹が立ってきた双黒二人組み。



「村田、今夜は二人で語り明かそうぜ!」
「いいね、いっそフォンビーレフェルト卿も呼んでみる?」
「あぁ、あいつも、ギーゼラ相手では大変そうだしな!」
「よし!大変な恋人もち同士で語り合っちゃうぞ〜!」
「おーーー!」




で、実際のところの幼馴染ーズの会話は、どうだったかと言うと?

「あっれー、隊長じゃないの?さっぱりした顔しちゃって、昨日は恋人を啼かせ
まくったもんね〜。」
「そういうお前こそ、恋人を貪ったくせに。」
「え〜だって」
というと、ヨザックはコンラートの肩に腕をかけて引っ張った。
「ケンちゃんったら、あの時の貌ったら、壮絶に色っぽいんだよな〜。ところで、いい事
教えてやるよ、城下の東の、大通りから一本裏手に入った所、赤い屋根の店・・先日
開店したんでまだ客が少ないんだけど、美味しいケーキとフレッシュジュースは絶品だぜ。」
今度、坊っちゃんを連れていてやれよ。


そういうと、コンラートは、そうするよと言って、うれしそうに笑った。きっと、脳裏には、
可愛い恋人の喜ぶ姿でも、浮かんでいたのだろう。


ああ・・そうだ!と、コンラートは何かを思いついて、ヨザックに囁き返した。
「うちのユーリも、おねだりする姿が、悩ましいうえに可愛いんだぞ。でな?
お返しにいい情報を。噴水前の広場に、夕方から1時間くらいだけ、流れの露天商が
店をを出すんだが、人間の国も多く回ったそうで、異国の面白そうな雑貨や本が売っていた。
猊下が好きなんじゃないかな〜?数日でまた動くらしいから、明日にでもお連れしては
どうだ?」


へぇ〜そりゃ知らなかった。うんじゃ、ちょっくら、下見してくるわ〜といって、ヨザックは
手を振って、城下へと出て行った。


なにせ、二人にしてみたら、恋人はこの国最高峰の要人達だ。迂闊なところで名前なんぞ出せる訳が
なかった。でも、可愛い恋人の自慢はしたい。と、なると、当然のろける相手は、同じ穴の狢である
幼馴染同士になってしまう。だから、恋人達が地球に返っている間も、時間が合えばヨザックの店で、
飲みつつお互いに惚気るのだ。もちろん、ヨザックの店にいるのは、綺麗な女装したオニイサン達だ。


まさか、この行動が互いの恋人達から疑惑の目で見られていたとは?露知らない二人であった。
もっとも、情報交換の所は、聞かれても大丈夫だろうが、前半のノロケと言うか・・閨事情の事を
聞かれたら、恥ずかしさに噴出した恋人達に、きっと怒られていただろう。
そう考えると、知られなくて良かっのかも?しれない。





6月10日1拍手掲載
これは、別館に収納してある『JAM 甘い貴方』の続編です。
6月18日SSに収納