長編パラレル ママシリーズ 狂想曲
第八幕 優勝は誰の手に?




最終審査が終り、審査委員会のメンバーが戻ってきた。



これより審査結果を発表します。
司会のロビンソン少年が、そういうと、競技会の責任者である、ヒスクライフ氏が壇上に上がる。

「世界の名だたる美女を集めての競技会・・記念となる第100回大会に素晴しい選手と、
その妙技に我々も大変審査を苦慮いたしましたが、今大会から導入の新方式による公正な
審査の元、受賞者が決まりました!」

おおぉぉーー!と、会場がどよめく。

ずらりと並んだ選手6人も緊張した面持ちでその後ろに控えている。

「あれ?一人足りなくない?」
「あら?・・あの高慢チキチキなセロシアがいませんわ。」
「「ベアトリス・・・。」」

すっかり、口が悪くなった王女様に、何と言っていいか、困った様子の有利とグレタ。

「おかしいですわね?かろうじてとはいえ、最終審査にまで残っていたはずでしたのに。」
「たしかに、あのダンスは上手かったよな。」
「ダンスだけがとりえですからね。クスクス」
「「ベアトリス・・・・・」」

気のせいか?ベアトリスが、壇上におわす某護衛氏の影響を受けているような気がする・・以下略。


「まずは、第三位の発表です。」

三位か・・一次審査では、バルバラ嬢だった筈。

「第三位・一次審査65点・続いて30・44・47・44 合計230点で・・・プロイス家のアグラーヤ様です。
おめでとうございます!」

わぁぁぁ!っと、歓声に包まれて、アグラーヤが一歩前にでる。

記念の盾を贈られて、アグラーヤがそれを優雅に受け取る。ロビンソンが、では『いんたびゅー』を
して、今の心境は?とか、この喜びを、どなたに今一番に伝えたいですか?などと、聞いている。

なんか、野球のヒーローインタビューのようだな〜、なんて?それを見て思う有利。

「うわ〜、どきどきしちゃうね?お母様とヴォルフは、どっちが優勝かな?」
「一次審査は、ヴォルフの圧倒勝ちらしいからな・・・コンラッドが何処まで巻き返しているかによるよな!」
「そうですわね、でもどちらにしろ、グレタのご両親のどちらかが優勝ですわ!」

この三人、どちらも入っていないという考えはないようだ。

壇上では、ロビンソンによる『いんたびゅー』が、終ろうとしていた。

「では、最後にこの大会を振り返ってみて、いかがでしたか?」

そう聞かれたアグラーヤは、ふっと微笑み・・・。

「えぇ・・・とても・・とても有意義でしたわ。今日、この競技会に出場して、私はどんなに己が狭い
世界にいたのかが、わかりました。皆さん、素晴しい才能の方ばかりで、特に、今まで面識のなかった
魔族の方々と、触れあえたのは、わたくしにとって一番の収穫でした。魔族は人間の良き隣人であり、
友人である・・4000年に渡る誤解を乗り越え、今やっとその事を身近に感じることが出来ましたわ。
この機会を与えて下さいました、カヴァルケードの皆様に、心より感謝をいたします。」


深々と、世界に名だたる名家、プロイス家のアグラーヤ姫が、観客に向けて頭をたれて礼をした。
観客は、そのほとんどがカヴァルケードの一般の民である。本来、彼女のような身分のものなら、
観衆から声をかけるのも憚られるような身分の姫君である彼女がだ。

おもわず、観客も慌てて頭を下げる。

「コンラート。素晴しい女性だな」
「あぁ、彼女と親しくなれたのは、俺たちにも、眞魔国にも有意義な事となるだろう。」
舞台上で、兄弟達もうれしそうに顔を見合わせた。ふっと、貴賓席に目をむければ、有利がうれしそうに
グレタやベアトリスと話し合っている。彼らも、今のアグラーヤの言葉は嬉しかったのだろう。

二人が自分達のほうを見ていることに気がつくと、三人は微笑んで手を振ってきた。

「コンラート。この後、ユーリが何を言うか、わかったきがしないか?」
「だね?どうやら、彼女等を眞魔国へ招待するのは、決まったみたいだな。」

きっと、ユーリの事だ。より親睦を深めようとか言い出すに決まっている。そうなると、アグラーヤ・
バルバラ・ディアーヌの三人は、このまま眞魔国へ招待する話も、本決まりになりそうだ。

「あとで、兄上に鳩を飛ばさないとな。」
「あぁ・・。」


「では、第二位の発表です。 一次審査104点・続いて30・47.43.40 合計256点 眞魔国代表
フォンビーレフェルト・ヴォルフラム閣下です!おめでとうございます。」
「ヴォルフ、おめでとう!」
「その台詞、すぐに返して差し上げますよ。」

ヴォルフラムは、中央に進んで行き、ヒスクライフ氏とがっちり握手をかわすと、にこやかに記念の盾を
貰ったのだった。そして、すかさず、ロビンソンからの『いんたびゅー』をうけるが、相手は大賢者・・・
心なしか言葉の裏を疑って引きつりそうになるヴォルフラムであった。

「ねぇねぇ、お父様、2位がヴォルフって事は?」
「もしかして、もしかすると?」
「きっとそうですわ、優勝は・・。」


「では、お待たせいたしました。第100回記念大会・栄えある競技会の優勝者は!?一次審査70点・
つづいて30・72・45・53 合計270点!! 並み居る姫君がたを抑えての受賞です!」


主催国特別推薦枠・眞魔国出身・フェラー卿コンスタンツェ嬢 


「優勝、おめでとうございます!!」


その瞬間、ばんばんばん!っと舞台の四方八方から、特大花火が上がり、舞台の上から紙ふぶきが舞った。
観客席からは、「きゃぁぁーー!お姉さま、おめでとうございまーーす!」という、黄色い声を上げているのは
応援する会のメンバーだろう?良家の子女である事も、本日のみどこかに置き去りにしている感が有る。^^;

「おめでとう、姉上!」
「「「おめでとうございます、コンスタンツェ様」」」
ヴルフラム・バルバラ・ディアーヌ・アラグーヤ達に祝福されて、コンラートは中央へと進み出た。

「優勝おめでとうございます。コンスタンツェ殿。」
「ありがとうございます。ヒスクライフ様。」

優勝者に、記念の盾とトロフィーが贈られる。それを受け取ると、コンラートは、基本席にいる有利と
グレタ・ベアトリスに向かって、それを掲げてみせる。

「お母様、おめでとう〜!」
ぶんぶんと手を振るグレタに、コンラートも嬉しそうに手を振り返す。

「さて、おめでとうございます。優勝をした今の心境はどうですか?」
「ありがとうございます。主催国特別推薦枠からの出場させていただいただけでも、名誉な事でしたのに、
このような思いがけない結果が出せて、嬉しく思います。それと同時に・・正直、推薦していただいた
カヴァルケードの皆様に恥じない結果だけは出したかったので・・なんというか一安心という感じです。」
「優勝ですものね。素晴しい結果ですね。」
「はい、夢のようです。」
にっこり

「では、今の喜びをどなたに一番伝えたいですか?」
「はい、それは、もちろん。」

コンラートは貴賓席を向くと。

「そこで、応援してくれていた。私の愛娘にです!」

む・・むすめ〜〜?
って、ことは、人妻ぁぁぁ???

どよどよと、会場が揺れた。優勝した美人さんは、すでに人の妻ぁ〜〜?男達はがっくりと肩を落とした。
べつに独身でも、結婚できるわけではないのに・・。

「おかあさま!!」
感激したグレタが、口を手で覆う。

「いや〜、本当に可愛い娘さんですね!・・あ・・。」

その時、確かにポチリ・・と、スイッチを押したような音がした気がしなくも無いな〜・・と、珍しく
ロビンソン事、ダイケンジャーは、己の失態に気がついた!

「ですよねっ!うちのグレタは、かわいいですよねっ!」
パァァァァーー!っと、満面の笑みを浮かべるコンラート!!

そう、うっかりダイケンジャーは、コンラートのママスイッチを押してしまったのだった。

貴賓席では、同じくあ〜〜あ、村田〜何を押しちゃうんだよ〜という有利と、壇上ではあははは・・と、
乾いた笑いを吐き出すヴォルフラムがいた。

とたんに、娘自慢を始めるコンラート。有利も真っ青のトルコ行進曲だ!彼女の馬鹿は本物だった。

「もう、うちのグレタは、利発で優しい子なんです!城では、よくお手伝いをしてくれるんです。
この前も厩舎で、生まれたての子馬の面倒を見てくれて、馬番の老兵も大変喜んでくれて、そうそう、
厨房で一緒にお菓子を焼くと、それを城下の孤児院に持っていくんです。子供といっても、人間である
彼女よりもみな年上なのですが、魔族は見た目どおりの成長なので、そこを理解してくれて、きちんと
その子供にあった対応をしてくれるんですよ。」

おかげで、最初は人間という事で警戒していた子供も、今ではすっかり彼女に懐いてしまって、
今日はグレタお姉ちゃんは来ないのかと?矢のような催促なのですよ?

「あの、眞魔国では、未だに人間の事を悪く思っている魔族も多いのですか?」
審査委員の一人が、コンラートの言葉の中から、人間への警戒という言葉に反応して聞いてきた。

「えぇ、それは人間の国でも同じでしょう?ただ、孤児院にいる子供達は、20年前のシマロンの侵略で親
兄弟を失った子供達です。ご存知のとおり、魔族は長命な変わりに、成長がゆっくりですから・・
人間だと20年前の戦争のとき、どんなに幼くても今は成人ですが、魔族の子供は未だに幼いままなのです。
ですから、そう言った多くの子供達にとって。家族を殺された記憶は、未だに深い傷となっているのです。」

ですが、だからといって、子供達は人間を恨んでばかりはいません。彼らもまたグレタとの交流を
介して、それを乗り越える道を歩んでいるのです。


私の、自慢の娘なんです!


にこにこと、微笑む彼女に、他意はない。それは彼女・・いや彼の認識で当たり前の事だからだ。
戦争・・それを乗り越えてきた者が持つ、したたかな強さは、美しさとなって、コンラートを内から
輝かせる。・・アグラーヤやバルバラ・・ディアーヌ・・彼女らは知る。
生きてきた時間・乗り越えてきたものの差・・それが自分達と格段と違うのだ。第一次審査で、
ヴォルフラム以下2〜4位までの差は殆どなかった。それが、審査がすすむうちに、じわりじわりと
差が出てきた。皮一枚の見た目ではない。内から湧き出るものが、人々を惹きつけていったのだと。

魔族だからではない・・・彼だからこその輝き・・それに自分達は負けたのだと。


そして会場も、その話に衝撃を受けていた。そう、魔族は長命だ。それは知っていた。
だから、いつまでも若々しく羨ましいと思っていたが・・そんな弊害も有るのだ。20年前・・10年以上
続いたその戦争は、人間からの侵略であったことは、今や誰でも知っている常識なのだ。

その間に、多くの魔族が死に・・そのほとんどは若者であったと言う。働き盛りの若者を失い、
眞魔国は、その痛手をまだ背負っているのだ。長寿ゆえに、出産率も低いと言う彼の国。

魔族は、この世界において、圧倒的に少ない種族だ。だが、その少ない種族である魔族が、今の
この世界を、平和と繁栄へと導いてくれる原動力となっているのだ。
支配種である人間は・・それに比べて何をしてきた?自分達の事を棚に上げ、悪い事はすべて魔族の
せいにし、現実から逃げてきたのではなかったか?

審査委員も、そのことに気付いて、恥ずかしそうに俯くものもいる。


しんみりとなりつつある会場で、当の魔族だけが気づいていないという・・。
ロビンソンが、空気を変えようと、貴賓席に向かって声をかけた。


「では、せっかくですから、グレタ姫、お母様の下においでください。」
「えぇっ!」
どうしよう?と、グレタは父親を振り返った。

「グレタ、折角だから、コンラッドのお祝いをしてきなよ。」
「そうよ、コンスタンツェ様は、グレタの為に戦って下さったんだもの。」
二人に促されて、壇上を見ると、彼女の母親がにこにこと、自分が来るのを待っていた。

すると、自然に体が動いた。

グレタは一気に階段を下りると、舞台に向かって走った。大好きな母親が、両手を広げて待って
いてくれた。その胸の中へと、ぴょんっと飛び込むと、柔らかな弾力が受けてめてくれるのだった。

一瞬・・羨ましい!なんて思った有利と、会場の野郎共。

ひょいっと、そのままコンラートは娘を抱きかかえる。

「お母様、優勝おめでとう!」
「ありがとう、グレタにそう言ってもらえるのが一番嬉しいよ。」

ちゅっ!っと、その柔らかな頬に、麗しい唇が寄せられた。


うぉぉーー!あんな美人の母親なら俺もほしーー!!

どよどよっと、騒ぐ観客。中には、あたしが母親で悪かったなっ!どごぉ!!っと、殴れれている人も
いた。・・・家族連れで来ている人は注意デス。

あれ?。何やら、彼女と娘さんは顔の造りが似てないような?

「では、グレタ姫。グレタ姫から見て、お母様はどんな人ですか?」
「グレタから見て?うーんと、お母様は、綺麗で、やさしくって、お料理が上手なんだよ。グレタ!
珍しいケーキの作り方とか教えてもらったんだ!こっちの学校で焼いたのをあげたらね?とっても
美味しいっていわれたよー!」

じゃぁ、明日にでも、新しいケーキを作ろうか?

にこにこと、娘に問いかける姿は、どう見ても本当の親子だ。

そうか、きっと父親似なんだな?

「よし、僕も手伝うぞ!僕だって少しは、料理が出来るようになったからなっ!」
「うわーい、じゃぁ、お母様とお父様と一緒だねっ!」

おとうさま??・・と・・いうと、この娘さんは、優勝者と準優勝者の間のお子さん??
と・・いうか、この二人は・・夫婦ーーー????

えぇぇぇえーーーー!?


「ヒスクライフ殿、あの二人は夫婦なのですか?」

審査委員の内、数人がヒスクライフに詰寄った。

「いえ、あのお二方は・・・」

兄弟ですといいかけて、ヒスクライフは、懸命にも口をつぐんだ。だが、それがかえってまずく働いた。
たしかに、既定には既婚者はいけないとは書いてはなかったが、夫婦で出てくると言うのも前代未聞で
ある。それが、優勝と準優勝をさらっていったとなると・・。

「あ・・いえ、彼らはどちらも独身です。」
「なに?未婚の母ーー!?」
「まぁ、あんな大きな子供まで作っておいて結婚しないで女に子供を押し付けたのですか!?」

なにやら、雲行きが怪しい。

どうやら、自分の不用意な発言で、混乱をきたしたらしい事に気がついたグレタは、真っ青なに
なって震えていた。


そこにーー。

「あのー、すみません、そこのグレタはおれの娘です。」
といって、挙手したものがいた。

貴賓席に、その少女と一緒に座っていた少年だ。

「は?君の子供?」
「お父様!」
グレタが、少年に向かって叫んだ。そのまま、母親の腕から飛び出て、少年の腕の中に埋まる。
「あぁ、大丈夫だ。ちゃんと納得してもらうから。」
よしよしと、頭をなでる少年。

え〜〜と、母親が一人に父親が二人?
これって?重婚??

「すみません、グレタは今は亡き、ゾラシア皇国の皇女だった娘です。ちょっと、縁がありまして
おれの養女になったんです。」

養女?あぁ、それで似てないんだ?
というか、ゾラシアって、6.7年前に滅んだ国じゃなかったっけ?
って・・その話どこかで聞いたことがないか?
眞魔国の魔王陛下が、廃国の皇女を養子に迎えたって・・・

眞魔国??

って、まさか???


「え〜、なにやら混乱しているようですが、グレタ姫は、私が眞魔国からお預かりしている王女殿下で
して、魔王陛下の養女にあたります。ヴォルフラム閣下は、ユーリ陛下の御婚約者ですので、
姫にとっては第二の父親のようなものです。ですが、魔王陛下は混血ですので、人間と同じ成長速度で
成長しているとはいえまだ17歳、ヴォルフラム閣下も年齢は83と年はいいのですが、純血魔族ですので
見た目どおりの成長です。となると、人間である姫の成長に伴い、男親だけでは心もとないと言う事で、
抜擢されたのが、こちらのコンスタンツェ嬢でして、眞魔国で姫の母親をされている方なんです。」


ですから、重婚でも子供を押し付けられたわけでもないんですよ。

ヒスクライフ氏の説明に、なるほど〜っと、会場一致で納得納得!


「たしかに、私は血は繋がっていませんけれど、グレタは自分の娘です。」
「僕も、グレタは実の娘だからな!」
「もちろん、おれにとっても、グレタは可愛い娘だよ。」

「うん、グレタも!ユーリもヴォルフもお母様も、みーんな本当に家族だと思っているよ!」

ぎゅーっと、抱きしめあう家族・・思わず、そちらこちらで鼻をすする音が。
「いい話だね。」
「魔族も、人間も子供を想う心は一緒なんだね〜。」
「いや〜、あの子も、いい人に養子に迎えてもらえたね〜。」
中には、ハンカチで目頭を、押さえるものもいる。

この感動の名場面で、観客はとある可能性を忘れてくれた。

そう、姫の父親を名乗る茶髪の少年の素性だ。

「よし、いまだ!」

ロビンソンは、すっちゃっと、拡声器を構えると。

「いや〜、家族愛には、心が震えるものがありますね。では、授賞式の最後に、競技大会の運営委員長!
ヒスクライフ氏から、締めの御挨拶を頂戴したいとおもいます。」

では、どうぞー!

ヒスクライフが今大会の意義など、締めくくっているうちに、ロビンソン迷(?)司会者によって、
感動の家族愛を演じた面々は、舞台の裏へと連れていかれた。

「もう!何のためにお忍び装束できているのさ!とにかく、君は隠れて、本人さえいなければ
どうとでもごまかせるし。」
「うわぁぁ〜、だからって、どこに つっこもうとしている!」
「ダメです猊下。そこはトイレですよ!当然女性用ですからっ!」
「わぁ!おれを痴漢にする気か!?」
「どこでも、いいから隠れなよ!」
とにかく、証拠の品(?)をかくしてしまえと、手近な個室に有利を突っ込もうとする村田を、
コンラートが慌てて止めていた。たしかに、場所が場所だ・・見つかったら別の意味で大騒ぎだろう・・。


「何をしているお前等?僕の控え室でいいではないか?」

呆れ顔のヴォルフラムに言われて、ユーリはヴォルフラムの控え室へ(無事)隠れた。

「では、僕は姉上の控え室に行こう。グレタもな。」
「なにー!」

自称婚約者の癖にして、有利をおいて出て行こうとするヴォルフラム。彼にとって、今は姉のほうが
気にかかるのだ。兄にもうちの妹に手を出す輩から守るように言われている!

「あたりまえだ、僕は姉上の護衛でもあるんだぞ!優勝したからには、虫共がたかってくるに違いない!
グレタ!姉上による虫共は僕らで寄せ付けないようにするんだ!」

「うん、まかせて!お母様はグレタのお母様だもん!!虫なんか、つまんでポイ!しちゃう!」
「そのいきだ!さすがは、グレタ。僕の娘だけはある。」
わっはっはっはっは!!v(▽ ̄ v)(v ̄▽)v 鼻息荒く出ていってしまうヴォルフとグレタ。


「・・・おい・・・俺はムシかよ・・。」

一人残された魔王様は、ボソリと文句を言うのであった。

こうして、感動の内に、前代未聞の競技会は幕を閉じたのであった。



2009年2月1日UP
はい、競技会が終りましたね。優勝はもちろんあの方でしたね。
母親が世界一の美女(?)に選ばれて、グレタ姫も嬉しそうです。よかったよかったv