バトン・
ツンデレなコンラッド

設定・・堕ちて来い CP・・・ユコン
注意・魔王夫妻結婚2年、有利23歳・コンラートと見た目同じくらいまで成長しています。



この気ままなところが可愛いんだよな〜。と、この声はユーリ。

あぁ、わかる。それでいて甘えん坊でさ〜。と、これは、猊下だ。

そうそう、一見おれの事なんて気にしていないだぞ〜と見せかけて、結構解っていてくれるところとか?

あぁ、あるね!ちょっと、気分が落ち込んでいる時なんて、さりげなく擦り寄ってくるもんね〜。

やっぱあの子が、一番かな!手触りもいいし、何時までも触っていたくなっちゃうよな。

あははは、それで怒られたり?

そうなんだよ、この前さわり過ぎだって噛まれちゃったよ。

まぁ、今まで渋谷の周りにはいなかったタイプだしね・・う〜〜ん、強いて言えば
フォンビーレフェルト卿が近いかな?

あ〜、たしかに、似ているかも、アイツ、ツンデレだしね。

君の奥さんは、デレデレだものね〜、たまには違うタイプも側にはべらせてみるのも、刺激があって
いいかもね?

うわ〜〜、それ、コンラッドに言うなよ。

まぁ、浮気は男の甲斐性だって言うし、君の奥さんがそのくらいで怒ったりしないよ〜。

だな?・・コンラッドだもんな・・あっはははは。





がーーーーーぁぁぁん!

『コンラッドだもんな・・あっはははは』って??

何故俺だと、笑い事なんですか?

浮気は男の甲斐性?浮気・・・・ユーリが浮気・・

しかも、女性と・・・?



コンラート王配殿下は、フラフラと魔王部屋の扉の前から後ずさった・・・。
足が無意識に、護衛だった頃の自分の部屋に向かう。ここも魔王の部屋からさ遠くはないが、
魔王の伴侶となった今では、コンラートの正式な部屋は、魔王部屋のすぐ隣である。

自分以外の、恋人の話で盛り上がる夫の側に等いれる訳が無かった。
幸い、この部屋は、コンラートが執務に使うように、そのままになっていた。

部屋に入ると、かちゃり・と鍵を閉めて・・コンラートは今しがた聴いてしまった会話を思い出した。
夫である魔王有利と、親友である大賢者村田健、あの二人がまさか、あのような話をしているなんて・・。


『手触りもいいし、何時までも触っていたくなっちゃうよな。』
そう、有利は言っていた。それはつまり、互いに身体を許しあう関係だと言うのか?手触り・・?
たしかに、自分は男だし・・・全身傷だらけで・・・手触りと言えば・・・余り良いとはいえない。

それに・・・

『君の奥さんは、デレデレだものね〜、たまには違うタイプも側にはべらせてみるのも、刺激があって
いい』

そういえば、俺は、何かと言えばユーリユーリって・・・いくら護衛とはいえ(←間違い、今は王配殿下
なので正式にはヴォルフラムが護衛)始終一緒にいて・・もしかして、ウザイとか、思われている!?

はっ!きっとそうなんだ。俺が側にいるのに、有利は嫌気がさしてきたに違いない!!


『もう、まいっちゃうよ〜、ウチの奥さんてばさ、夫婦だからって四六時中いっしょにるんだぞ?
最近飽きちゃってさ〜。あいつと比べて君はおれを束縛しないし、身体の相性もいいしさ、いっそ、
あんなのと別れて君とやり直そうかな?』

・・・とか、見知らぬ女性とそんな会話をしているのだと思うと、コンラートから、さっと血の気が
引いた。


「いやだ!ユーリと別れるなんて・・どうすれば!」

でも、有利がイヤだといえば、どうしようもできない。自分は元はただの一臣下で、彼は魔王だ。
彼が一言別の女性と結婚するといえば、自分は逆らうことは出来ない・・・そうなれば・・自分は
どうなる?もう、彼の側には置いてもらえなくなるのか?

それは、もっといやだ!!

・・・あぁ、どうして結婚なんてしてしまったんだろう?せめて、恋人くらいにしておけば、飽きられた
としても、護衛として側にいることくらい出来たのかもしれないのに・・・。


どうにかして、有利の側においてほしい!!




諺に、こんなものがある

〔おぼれる者は藁をも掴む

困っているときや、あぶないときには、たよりにならないものでも
必死にすがりつこうとすること〕


そして

自分の妄想に溺れちまったウェラー卿コンラートが掴んだ者は・・・なんと、毒女こと、赤い悪魔で
あった。そう、切羽詰ったコンラートは、赤い悪魔の元に相談しに行ってしまったのだ!

これが、今回の騒動の発端であった。




「コンラッドー!」
「なに?」
「え、何って、ええっと、姿が見えたから・・・。」
「用は?」
「いえ、別に・・ないけれど。」
「そうですか、俺は忙しいのでこれで・・。」
すたすたと、コンラート殿下は、夫であるユーリ陛下を置き去りにして、城下へと警備体制の視察へと、
行ってしまわれた。

ポッツーーーン( ゚д゚ )

後に残された陛下は、茫然自失で、しばしその場にたたずんでおられたのであった。


、それはまだまだ序の口であった。



「うわぁぁ、アニシナ!お前は何時もいつも!私は執務があるといっているだろう!?」
「えぇい!そんな、サインをして終わりの仕事より、わたくしの崇高なる実験の、もにたあに
おなりなさい!」

いつもの事とは言え、執務室に赤い悪魔が乗り込んできて、グウェンダルを実験へと連れて行こうと
したのであった。当然、仕事を盾に逃げようとするグウェンダルであった。
迂闊に口をはさんで、自分達も実験体にされるのを恐れた、有利・ギュンター・ヴォルフラムの面々。
あと残りは、魔力のないせいで、もにたあとは縁の無いコンラートのみ・・そこで、当然のように
兄は、すぐ下の弟に助けを求めた。

「コンラート!お前も見ていないで、アニシナを止めてくれ!」

が・・・。

「嫌です。」

「なに・・・」

い・・今なんと言った?

「だいたい、逃げようと思えば逃げれる所を、あえて、アニシナに捕まえにきてもらうだなんて、
グウェンダルもいい加減、観念するなり、本気で逃げるなりどちらかにしたらいかがですか?
ここまで、彼女に必要とされているのに、何が不満なんです!たまには、進んで実験に付き合えば
いいじゃないですか!!贅沢なんですよ、グウェンはっ!」

ぷいっと、そっぽをむく弟に、グウェンダルが信じられないようなものを見る目をむける。

「おはははは!よくぞいいました、コンラート!ほら、王配殿下の命令ですよ!いざ、実験へ!
さぁさぁ!行きますよ、グウェンダル!!!」
「こ、コンラート!何を怒っているのだ!?」
「うるさいですね、いつまでもイチャついていないで!とっとと『もにたあ』してきてください!」
「こ・・コンラート?」
「この、へたれ!」

がぁーーーん!!!

心底嫌そうな顔で、告げられた一言に、グウェンダルは多大なショックを受け、呆然としている所を、
アニシナに引き摺られていった。

「ちょっと、コンラッドどうしたの?アンタがお兄ちゃんに向かって、あんな事いうなんて?」
有利が堪らず、コンラートの腕を取ろうとして・・

すかっ!

腕が宙を切った。コンラートがあからさまによけたのであった。

「こんらっど?」
「陛下、すみませんが、今日から領地に戻らせていただきます。」
「え?な・・なにかあったの?」
「いえ、長らく人任せにしていたので、領主としての仕事がたまっていますのでー。」
「あ、そうなの・・えっと・・何時頃戻ってくるの?」
何とは無く、びくびくして聞いてしまう。なんだか、彼がものすっごく怒っているような気がしたのだ。


「なんで、そんな事を気にするんですか?」
「ひっ!!」
なぜだ?帰りの予定を聞いたら、コンラートから、どす黒い殺気がビシバシと出始めたのであった。

「え・・い・・いや、その、もしかしてそんなに混み入った仕事なの?」
「そうですね、そう簡単には戻りません。」
有利の都合のいいことに・・・。(ボソリ)
「へ?おれの都合??」

なんだろう、このツンツンした感じは?いつもなら、
『なるべく早く帰ってきますね、有利がいないと寂しいですから
そういって、本当に早く済まして帰ってきてくれるのに・・・。

な・・なにかしたのかな?おれ・・・。

ツンツンしたコンラートに、有利はおもわず及び腰になる・・・だって、コンラッドさんの目が半眼で
怖いんだもん・・・。

「コンラート兄上?どうかなされたのですか?」
おもわず、ヴォルフラムがコンラートを気遣う。どうも、先ほどからコンラートの様子がおかしい。
「・・・ヴォルフ・・俺がいない間に、有利に口説かれないように注意するんだよ?」
「・・・・・・・・・・へ??」
「いいかい?浮気なんてしたら、ギーゼラの事だ。間違いなく、怒り心頭で半殺しにされるからね?」

お兄ちゃんは、心配です。
かいぐりかいぐりと、弟を抱きしめるコンラートのほうが、ヴォルフにしてみれば心配だ。

「まて・・なんで、おれが・・ヴォルフを口説かにゃならないんだ・・・。」
なんか、余りの言われように、脱力しながら有利が口をはさむ。

「へぇぇええ〜、そうですか〜?」
「うひぃぃーーー!!!」

刺さる!コンラッドさんの殺気が刺さるよ!うわ〜〜ん。゚(゚´ω`゚)゚。本当におれが何をしたって言うんだぁ!

わけがわからず、涙目になる魔王陛下。それを一瞥すると、コンラートはつーん!とそっぽを向いて
出て行こうとした。

「コンラッド?あの・・?」
恐る恐る声をかける魔王に、王配殿下がくるりと振り返り

ニィィィッコリ・・・と、口元だけで微笑んで下された。

「きゃぁぁ!氷の微笑!!キタ━━━<(ll゚д゚ll)>━━━!!!!」

ガクガクブルブル、氷点下の世界へようこそ♥ってな具合に、有利の体感温度は一気にバナナで釘が
打てるくらいに下がった!!


ー あぁ、そうだ。当分貴方の隣の部屋は空きますから、寝室に誰を泊めようとかまいませんよ。
  今一番お気に入りだと言う、彼女でも呼んで差し上げればいかがですか?

「へ??」

「では陛下、女性に余りしつこくなされて、『また』噛まれないようにお気をつけ下さい。」

パタンッ・・・。




「お気に入りの・・・かのじょ??だとぉぉ〜〜!」

ぷち・・・

「ゆぅぅりぃぃ〜〜〜〜!」

金髪美少年の照準が、ターゲットロックオンで、未だ茫然自失中の魔王陛下をみた。

がしっっ!!と、襟首を捕まえて、準備万端!さぁさ!レッツシェイクぅ〜〜!!!

「貴様という奴は!貴様という奴は!だから有利は尻軽だと言うのだ!あの、コンラート兄上が、
あれだけ怒るから何か有ると思ったが!よもや、浮気なんぞしおってぇ!!はけ!何処の女だ!
何時から浮気をしていたんだぁぁ!!!!」

がくがくがくがく!!!

兄が瞬間冷凍庫(業務用)なら、弟は瞬間湯沸かし器だ!コンラートの残した問題発言に、
炎の男が噛み付いた!

「うわぁぁ、してない!浮気なんてぇぇ〜〜」
「だったら、何であのコンラート兄上が、世にも恐ろしい怒り方をしているんだぁ!!」
「ご・・ごかい!」
「えぇぇい!五階も六階もあるかぁぁ〜〜!とっとと、ッ白状しろ!!」

「ちょ・・ま・・きもちわる・・た・・たすけて・・・」

はけぇぇぇ!!!がくがくがく!!

うぎゃぁぁぁ!!!






「あの、コンラッドさん?」
とにかく、何か誤解があるようなので、領地に行くのを阻止して、その間に誤解を解こうと思った
有利陛下は、妻の部屋を訪ねたがものけの空・・では!と彼が執務で使っている部屋を訪ねると
荷造りしているコンラートを発見した。

「なんですか、陛下。」
とりあえず、返事はしてくれたので、こわごわとだが、近づく陛下・・もはやどちらが魔王なのだか?

「そろそろ、誤解をときたいな〜なんて?」
「あぁ・・それはもう解決しました。」
「え!さすがコンラッド、誤解だってわかってくれたんだ!」

はい・・といって渡されたのは・・

【離縁状】

「これで綺麗さっぱりですね!」
にっこり♥ ♥

・・解けてねぇぇーー!どころか、完全に、こじれちゃってるぅぅ〜〜!!

まずいまずいまずい!このままだと、僅か結婚2年で離婚だと?苦節6年(1年婚約期間込み)の俺の苦労
に対して結婚期間2年で・・・おれ・・すてられちゃうのぉぉ〜〜???


たすけて〜〜ダイケンジャ〜〜〜!!!


「って、そんな事に僕を呼ばないでよっ!」
「そういわないで、有利に知恵を貸してくれっ!!」
とは、ヴォルフラム。相当、兄の氷の微笑が怖かったらしい・・。思い出しては震えていた。
「そうだ、小僧が馬鹿をしたせいで、とばっちりをくらう身にもなってくれ!」
と、これはグウェンダル。アニシナの実験室から逃げてきたようだ。

そう、誰が見てもコンラートの様子がおかしかった。なにせ、彼の貌に笑みが全く浮かんでないのだ。

「えぇっ!?ウェラー卿に爽やか笑顔って、標準装備じゃないの!?」
と、何故かそこに喰らいつく大賢者さま。
「ムラタ・・頭のいい奴の食いつき所って、おれにはさっぱりぽんだよ・・。」


そこに、コンコンとノックがされて、当のウェラー卿コンラート王配殿下が入って来た。
「失礼致します。・・・・・。」
コンラートは、膝突き合わせてソファーで話し込んでいる4人をちらりとみると、さして何も言わず、
ギュンターの机に書類を置いて、一礼して出て行った。しかし・・何も言いはしないが、村田を見た瞬間
部屋の気温が10度は下がった気がした。


ぞぞぞぞ!!!


思わず4人で、手を取り合って固まってしまった。

「ほ・・ほほほんとうだ・・何あれ? 今、確実に僕に敵意を持っていたよね・・。」
「むらた・・お前も何かしたわけ?」
「まさか、そもそも、僕は眞王廟にいるんだよ?昨日だってたまたま寄っただけで・・・」


あれ・・昨日??


「どうした村田?」
「何か心当たりがあるのか?大賢者!?」
「なにっ?あるのか猊下!?」

三人に詰寄られて、ちょーーと、引きつりながらも、昨日魔王部屋であったことを話した。

「そういえば、言った言った!そうか?それで噛まれないようにか?」
「だろ?それなら、一番お気に入りの彼女も、説明がつくだろうね〜?」

ついでに、僕に敵意を見せたことも納得だし、毒女に迫られていた兄に向けた言葉も、
弟を心配した内容も納得がいく。

「まさか、あれを聞かれていて、そんな誤解になったなんてーー」
有利は手元にある離縁状を見て、げんなりとした。

「でも、意外だな〜、ウェラー卿なら本当に渋谷が浮気したとしても、どちらかといえば、自分は一臣下
なのだし、身を引こうと考えるか?側において貰えるだけでもと、じっと耐えそうな気がしたのに・・。」
「なんだよ、おれはコンラッド一筋なの!浮気なんてそんなことアリエマセーン!」

そこに、ばーーーーん!!!と勢いよく扉が開いて、毒女が逃げた『もにたあ』を確保しにきた!

「やはり、ここにいましたか!?さぁ、帰ってらしゃい!実験はまだまだ続くのですよ、どこまでも〜♪」
「うわ〜・・。野を越え、山越え、谷越えても続きそうだね〜。」
無責任にも発言した魔王陛下に、アニシナの視線が向く・・ふっと、その手にある書類を見ると・・?

「おや、とうとうコンラートも離婚の決心をしましたか?浮気をされて我慢するなど愚の骨頂です!」
「ぐげ・・何でそれをっ!」

「それは昨日、わたくしの所に、コンラートが相談しに来たからですっ!」

どきっぱり!!

「なんだと、コンラートがお前のところに?」
これには、グウェンダルがびっくり!こういう時は、長兄である自分のところに来るべきでは!?
こんな大事なことを、弟に相談してもらえなくて、お兄ちゃんダーイショック・・ッ!!
それを、鼻で笑うアニシナ。

「・・ばかですか?貴方が、魔王陛下の浮気について、何を助言できると言うのです!」

バッサリ!!
がぁぁん!!!

うわぁぁ、さすが赤い悪魔!グウェンを言葉でバッサリ切ったぁぁ!!
あー、可哀想に、今のはイタイよ〜。
兄上・・・

フォンヴォルテール卿グウェンダル・・・弟に続いて幼馴染にも切られて再起不能。(||l ゚ д ゚)


再起不能の兄に代わって、最近とみに男らしくなってきた三男がアニシナに問いただす。
「それで、コンラート兄上は、何と言って相談しにきたのだ?」

「えぇ、コンラートは『陛下に自分は飽きられてしまったらしい、自分とはタイプの違う恋人まで作った
からには、離婚を切り出されるのも近いに違いない。』と・・。」

「うわぁぁん!浮気なんてしていません!おれは、コンラッド一筋なんですぅぅ!!」
「ユーリ!話が進まな!静かにしていろっ!」

ヴォルフラムが一喝を入れる。それで・と先を促されると、アニシナは飛んでもない事を言い放った。

「それでも、陛下に側にいたいとか、女々しいことを言う上に、陛下の好きなタイプに自分を変えたいと
言うので、・・なんでも、ツンデレというのですね。ヴォルフラムのようなタイプだとか?」
「そ・・それで?」

「もちろん、わたくしは一渇してやりました!浮気が男の甲斐性などとは笑止な!と、いっそ、自分から
離婚届を叩きつけておやりなさいと!」

「うわ〜〜!何て事言うんだぁ!」(陛下号泣)

「それでも、別れるのはイヤだと言い張るものですから、そのツンデレとやらに性格を変える毒を
飲ませました!」

「どくぅ〜?」
「いえ、薬です。」
「今、毒って!」
「男が小さいことに拘らない!とにかく、さすがわたくしの薬です!あのコンラートが離婚を自分から
叩きつけるなどと!!」

「って、ちょっとまってぇぇーー!って、ことは?あのツンツンしたコンラッドは、アニシナさんの
薬の『せい』で!この離縁状もその『せい』ってこと??」

「わたくしの、『おかげ』です!!」
「はい、おかげでも、なんでもいいですから!解毒剤!!解毒剤を下さいぃぃ〜〜!」





どうにか、生贄を提供して(ごめん!グウェンダル)解毒剤をゲットした有利たちは、早速それを
コンラートに飲ませた。


「コンラッド?気分はどう?」
「ユーリ・・・?」

有利を見上げた顔はいつものコンラートのもの。
「よかった、いつものおれのコンラッドだぁぁーー!」
おもわず、妻に抱きつく有利。ついでにと、CHUCHUと唇を奪う。

「ユ・・ユーリ、ちょ・・何?」

げいん!!

「いいかげんいしないか!このへなちょこ!」

べったりべたべたする有利に、三男から鉄拳制裁が・・。

「ほら、渋谷、彼に紹介しないといけない、彼女がいるだろう?」
村田大賢者様にまで呆れられて、ようやくそうだったと、有利が妻から離れた。

「紹介したい彼女って・・・。」
サッ!!と、コンラートの顔色が変わった。表情は強張り、思い当たったことに身を硬くする。
そんなコンラートにきにせず、ほらといって、コンラートの膝の上に小さな茶色の毛玉をおく。

「彼女が俺の一番のお気に入り!」
「か・・の・・じょ??」

コンラートは、膝の上の毛玉をみると、頭には小さな三角の耳に、長いしなやかな尻尾・・これは・・。
「仔猫・・ですね?」

そう、これが有利の一番お気に入りの彼女である!眞王廟に捨てられていた仔猫を、村田が拾い育てて
いたのであった。有利は先日、廟を訪ねた折に仔猫達に会っており、その際に一番なついてくれた
のが、この雌猫であった。

ちなみに、昨日は眞魔国の小動物の父こと、グウェンダルに仔猫を見てもらいに来たらしい。
詳しい飼育方法などを伝授してもらったのだ。

「おれが浮気したと思ったんだって?」
「・・・・はい、すみません。」
「はぁ〜3、あのな・・おれがアンタを落すためにどれだけ苦労したか知っているだろう?」
「・・・・・すみません。」しゅん・・
「おまけに、こんな物まで寄こして。」
「・・っ!!それはっ!!」

有利の手にあったのは、コンラートが渡した離縁状。それを見た途端に、コンラートの涙腺が決壊した!
ポロポロと、涙が次から次へと落ちてゆく。

「これは一体!?」
おどろくヴォルフラム。
「あ〜〜、もしかして、解毒剤のせい?」

そう、結局ツンデレになるはずのコンラートは、ただのツンツンになってしまい、あれでは成功とは
いえないのでは?そう言われたアニシナがムキになってよこしたのが、先ほど彼に飲ませた薬である。
解毒剤というか・・・毒を毒で制する薬というか・・・ツンツンを治す為に、デレデレになる薬を
寄こしたようである。

現に、別れるのは嫌ぁぁ〜〜!と、コンラートが有利に、えぐえぐっ!泣きながら抱きついているし・・
有利は何かに耐えるように、口を押さえているし・・・。

あーー、あれはきっと、妻のかわいらしさに耐えているんだな・・。

となると、この後の展開は予想が出来た。

「行こう、ビーレフェルト卿、向こうに残りの仔猫も連れてきてあるから、戯れながらお茶でも飲もう。」
「そうだな・・。」

そそくさと、魔王部屋を出る二人。


「もう、こんなヤキモチ焼かないように、おれがみっちり、どれだけコンラッドが好きだか教えて
あげるからなっ

その向こうで、はりきる魔王の声と、奥の寝室のドアが閉まる音が聞こえた。





ギシ・・ッギシ・・ッギシ・・ッ

「あ・・・ッ!ユーリ、また大きくなって・・。」
「猫より何より、コンラッドが一番かわいいから、いけないんだぁぁ!!」
「ぁぁぁぁ・・ッ!」

激しく抜き差しをしながら、有利はヤキモチ焼きの奥さんを蹂躙す尽くした。
コンラートは、みっちりと、どれだけ魔王陛下が、自分を愛しているかを体感し、それ以後二度と
このような騒動は起きなかった。


そして・・・・。


「こら、コンラート!ユーリからいい加減離れろ!うっとおしい!!」
「そうですよ!いくら夫婦だとは言え、陛下の独り占めは許しませんよ。」
「・・・・どうでもいいから、仕事しろ・・・。」

「イ・ヤ! 俺はユーリと離れたくないんだっ!ネー 」(←未だ、毒が効いているデレコン)
「いいじゃんか、コンラッドと俺は夫婦なんだし^^b。なー」(←それに乗じる夫)

アニシナの薬で、デレデレになったコンラートが有利の膝の上に座って離れないのである。
独身ばかりの執務室では、これは目の毒・・気の毒である。

「とにかく、せめて膝から降りろ!」
「そうだ、小僧のサインの効率が落ちる!」

兄と弟に責められて、魔王后の瞳が光った・・・危険な方向に。キラン☆

「ヴォルフ?もしかして、自分もギーゼラに構ってほしいんだね?なんなら、俺が今すぐ『怪我人』に
してあげるよ?切り傷・擦り傷・複雑骨折くらいでいいかな?」
「ひぃ!」Σ(゚Д゚ノ)ノ

「あぁ、それじゃぁ不公平だし、おれが魔王命令で、グウェンダルは、アニシナさんの『もにたあ』に
してもらうように、お願いしてあげるよ。」
「ぐっ!!」Σ(||゚Д゚)

見事な連携プレイの魔王夫妻・・この国最強の夫婦を前に、兄弟の抵抗はもろくも崩れ去った。
「「そのままで、いいです。」」(┬┬_┬┬) ルゥ〜ルゥ〜ル〜


なにはともあれ、魔王夫妻は今日も仲良しでっす。





2008年11月8日UP
これは、日記でつづっていたバトンです。ハイ・・長くなったので、こちらに収納。
課題は『ツンデレなコンラッド』です。ツンデレ・・コンがツンデレ??あのヒト、デレデレ
だから、むずかし〜〜い。結局、ツンコンとデレコンに別れてしまった。す・・すいませーーん!